久しぶりに、久留米のアーケード街を歩いた。
西鉄久留米駅前から、JR久留米駅方面本町辺りまでを、《明治通り》と言う。
所謂、久留米のメインストリートである。
それに並行して南側には、アーケード街が伸びている。
一度、ここで書いた事があり重複するが、
かつて、全てがここにあった。
美味しい物を食べたいならここだったし、オシャレな服も靴もここだった。
映画館も雀荘もレコード店も、なにもかもがここにあった。
まずは一番街である。
なんてったて・・・今じゃ、これだもん。
ただの通り道である。
八百膳食堂・・・無くなっちゃったか。
雀荘で出前を頼む時は、ここのカツ定食と決めていた。
旨かったよなー
かと思うと、一番街と明治通りの間の路地裏にあった、餃子の名店《又兵衛》は、新しく一番街に店を出したりしている。
俺らにとっちゃ、小ぎれいになって入りにくなってしまったけどね。
一番街を抜け、二番街も抜けると、あけぼの商店街に至る。
こちらの方が、まだしも昔ながらの店が多いが、決して賑やかとは言えない。
再開発により、巨大な久留米シティプラザという箱物は出来たが、活性化への起爆剤には程遠い気がする。
そんな風景の中、ここ《一平》は相変わらずの人気振りだ。
ここの客の狙いは、ほぼ中華うどん。
うどん出汁に中華麺。
トッピングはカツオ節にキクラゲ、紅ショウガ、海苔、丸天という、中華か和風かどうにも判断できかねる、絶妙のハイブリッド食なのだ。
これを生み出した初代は、偉大としか言いようはない。
残念ながら今回は、別の予定があり並ぶ時間はなくスルーだ。
予定というのは、ここで行われる講習会だ。
こんなテーマで、大いに期待していたのだが、
・・・残念すぎる中身であった。
とっとと帰るべ。
家内から、
「六ツ門に行くなら買ってきて。」
お使いを頼まれていたものがある。
《むつもん饅頭》だ。
この辺りで言う回転饅頭。全国的に言えば今川焼である。
因みに、店名は甘味処のようだが、実は完全な大衆食堂である。
うどんやチャンポン、カツ丼、チキンライス、カレーと、あらゆる定番メニューが並ぶ。
饅頭屋で出発した店が、いつの頃からか客の要望に応え続けた結果、大衆食堂と言った方が早いような店になったが、
あくまでも店名は《むつもん饅頭》なのだ。
再開発の為、かつての場所から、少し離れた場所へと移転したが、バーチャンが油を引いている焼き台は、昔の儘に違いない。
説明を差し込むが、六ツ門とは町名だ。
朝と夕の六つ時に開閉される番所の門があった事から、この辺り一帯を総称して、そう呼ばれるようになった。
「黒あんで4個頂戴。」
「はーい。」
自宅到着
お使い、ちゃんとしてきたぜ。
ウヒヒ
まだ、温かいぜ。
カリッと焼かれた生地を割ると、ツヤのある餡がとろり。
ハム
甘ーーーーい。
こんな単純な味がなによりだよ。