電話した翌日、販売店に実車確認に行きました。MIRAIは人気車ではありませんが、中古車は水物。早めに動くに越したことはありません。
販売店は、神奈川県のトヨペット系中古車専売店。ディーラー系の「認定中古車」ですから、車両の状態がWeb掲載の情報と大きく違うことはないだろうと思うわけですが、それでも一通りの確認は必要です。
車検証をみると、初度登録は2018年4月で掲載の情報通り。前の所有者は同系列の新車ディーラーでした。販売店で試乗や業務のために用いられていた車と推測できます。
ただし、この車の製造時期は2016年秋頃と推定できます。なんらかの理由で長期在庫となっていて、結局、ディーラー自らが自社で登録した車のようです。
車の製造時期を判定する方法は色々ありますが、ミライ独自のやり方として、水素タンクの充填期限を確認する方法があります。水素タンクは、使用期限(充填期限)が製造から15年と定められています。
タンクの充填期限は、フューエルリッドの裏側に貼ってあります。この車の充填可能期限は2031年8月ですから、タンクの製造時期が2016年8月であることがわかります。「カンバン方式」でお馴染みのトヨタが、部品としてのタンクを在庫として長期間寝かせるはずはなく、タンクは製造とほぼ同時に組み立てラインに乗り、車として完成されたと考えられます。
タンクは、使用期間内に定期的に再検査を受ける必要があります。最初の検査は4年1カ月、その後は2年3カ月が期限。これはあくまで製造からの期間で、初度登録からの期間ではないことに注意が必要です。タンクの点検は有料。
完成即登録というケースなら、最初の車検までタンクのことは考えないですみますが、長期在庫になっていた車の場合は、検査期限が車検よりも早く来てしまうことがあります。この車も、初回のタンク点検期限は2020年9月ですから、車検どころか、1年点検の前にタンクを点検しなくてはなりません。
なお、車両としての保証は、通常の車両と同じく、初度登録が起点になります。タンク以外に特別な配慮は必要ないようです。
走行距離は1740kmで、これも掲載の情報通り。試乗車だったとすれば、1年半で1800kmとはずいぶん走っていないと思うわけですが、MIRAIの試乗を希望する人は少なそう。業務に使うにも、水素ステーションの少なさを考えればあちこち乗り回すわけにはいきませんね。
内外装の状態は、1年半1800キロ走行という履歴の通りでまったく問題ありません。しかし、業務用車ということで、扱われ方はそれなり。内装にはあちこちに蹴り跡があったりします。もっとも、大きな損傷はなく、クリーニングすればほぼ元通りになりそう。
フロントの機器ルームはほぼ新車同様。
タイヤの溝も十分残っています。タイヤの製造時期は2016年37週(9月上旬頃)で、車の製造時期が2016年秋頃であるという推定を裏付けます。
付属品も、欠けているものはなさそうです。メーカーオプションのナビ、ディーラーオプションのドライブレコーダーやサイドバイザー、三角表示板も装備されていました。
さらにあちこち調べてみて、車両の状況に問題のないことが確認できたので、そのまま購入交渉に入ることにしました。