その1。
私の弁当箱はデカかったんです。アルマイト製で、B5版の一回り小さ目ぐらいの大きさで、厚さは2cmほど。そこへ3分の2~4分の3ほど白いご飯を敷き詰め(盛り上げて入れておいてフタで押さえて固める(笑))、残りの部分に置かず、そしてもう一つ小さなおかず入れが付きました。それがある日、大きな弁当箱だけで、おかん(今のばあさんですな)が「おかず、ちょっと少ないからこれだけや」と言いました。で、お昼になって弁当箱を開けると、ご飯で真っ白でした おかずは、弁当箱の端っこの方に、ほっそりと入っていました。それは、冷凍のミンチカツ一枚。今のミンチカツじゃありませんよ。冷凍品の出初めのころで、厚さ5ミリほどの、青のりがまじった衣で、うっすらと肉らしきものが入っていた、あれです(年配の人はご存知でしょう)。それが4片に切られて、ひっそりと並んでおりました あ、キャベツの千切りもわずかにね 確かに「ちょっと少なかった」です いつもは、フタを横に置いて、そこにお茶を注いで(クラスに薬缶一つ分のお茶が配られてましたね~)、それを冷ましながら堂々とご飯を食べるんですが、さすがにこの日は、フタで弁当を隠して食べました(笑)。家に帰って、おかんに文句を言ったら、「しゃーないやろ! おかずかなったんやから!」と逆切れされました
その2。
この日も「ちょっと少ないねん」の日でした。お昼に弁当箱のフタを開けると、一面真っ白なご飯の上に、刻んだ紅ショウガで、「スキ」と大書してありました 当時、梅干しの瓶にショウガを入れて紅ショウガを自家製していたんですが、赤紫蘇たっぷりの紅の千切りショウガがツヤツヤと「スキ」の大文字を形作って並んでいるのを発見するやいなや、やっぱりフタを閉めました。家に帰って、やっぱりおかんに文句を言おうと思ったら、先に「どうやった?」とワクワク顔のおかん。「何すんねん!」と言ったら「そうか、あかんかったか~、ええと思うたんやけどな~」と残念そうでした。何期待してるねん
私が弁当をフタでかくして食べたのは、生涯、この2度だけです
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