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詳しい事情を知らずに、推測ばかりで言う意見なので、そういう前提で読んでいただきたいのだが、中国に行って感じた気質というか感覚の問題と、中国国内の格差の問題とがあるような気がする。
ほんの数日、上海とその周辺にいただけなのだが、中国の人たちは、総じてあからさまに自己の意見や感情を表す。そして、たとえ誤っていても、それが事実として示されれば、それが通用するというような態度を変えようとしない。そんな感じがした。誰もがそうだから、それはそれでうまくいっているんだろうけど、外国との付き合いでそれは通用しないだろう。そんな感覚が暴走した感じがする。
現地の人と車に乗っていて、ケンタッキーやカレーのCoCo一番なんかがあるのを見ていると、「中国には何でもありますよ」とちょっと自慢げだった現地の人が、「上島珈琲」と書かれた看板を見つけて私が「上島コーヒーがあるよ~」と驚いたときに「名前だけはね」と苦笑いしたものだ。よく見ると「UCC」ではなく「UBC」と書いてあった(笑)。どう略せば「B」が出てくるのかまでは見なかったが、確かに「なんでもあり」だな、という感じだ
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それにしても、なぜ警察官(日本でいえば海上保安庁のようなものだろうか)を刺殺するまでの行為に及んでしまったのかは、疑問に思うところ。単に一人の漁労員が、激しやすい性格だったとか、理性とか知性に乏しい人柄だったとか、そういうこともあるかもしれないけど、もっとほかの理由が必ずあると思う。普通だった逃げるもんねぇ。
で、三つほど考えるんだけど、まずは命がけじゃないと生きていけない状況にあったのではないかということ。中国の貧富の差はとても激しいのは周知の事実。第一次産業は最も貧しいということを聞く。さらに、処罰が厳しいこと。犯罪者として戻ったら厳しい処罰があって、韓国側に抵抗しても、逃げ帰っても、命の危ないほどのロクでもない羽目になる。それからばいっそ…、という心境だったのかもしれないとも思う。
しかし、先の事件、日本と中国漁船の衝突事故のときのように、政府の意図に乗った行動であれば、漁労員にとってはバックに“親方”がついているワケだから、強気に出て、それが行き過ぎたということも考えられる。当然行き過ぎると、中国政府は韓国との摩擦を大きくしないように、現場の人間を切り捨てて知らん顔をしようとするだろう(実際のニュース報道もそんな感じだった)。今回の件が、日本の時のように、中国側の意図的な仕掛け(私はそう思っているけど、根拠はない)だとしたら、漁船が強気なのもわかる。おとなしく捕まっていたら本国で“ヒーロー”になれるかもしれなかったのに、いい気になって行きすぎてしまったから切り捨てられている、そんな感じもする。
いずれにしても、下っ端の貧しい人間たちは、行政のいいように使われ、差別的に扱われていることが、この事件にも関係あるのかなぁ、とぼんやりと思っている次第。
やってしまったら勝ち、でもないし、バックがついていたら何とかなる、でもないんだけどねぇ、国と国の関係って。
それにしても、いいように使われているとしたら中国の漁労員は哀れだし、そんな人間に殺されてしまった韓国の公務員にもやりきれない気持ちになる。
愚かなトラブルを起こさないようにしてほしいものだ。そして同時に、慮りの美意識を文化的な心性に持つ我々は、決してそういうレベルになり下がってはいけないと思う。