諸行無常の響きあり

フィリピンの小さな焼き鳥居酒屋の親父のつぶやき

離婚法案談義

2011年06月13日 12時21分40秒 | つぶやき
夕べのTVのABS-CBNで珍しくデイスカッション形式でこの離婚談義をしていた。と言うのは今まで離婚が認められたいなかったこの国で、Devoce(離婚)を認めると言う法案が持ち上がっている。

事実上カトリック教徒が多いこの国、カトリック協会側とカトリック教徒ではあるが離婚を推進する側とのディスカッションであった。今や離婚が認められていない国はマルタとフィリピン、カトリックの大本であるバチカンは別として世界で2カ国だけだったが、この地中海の国マルタは国民投票により離婚制度を既に導入している。

フィリピン国民にアンケートをとったら半数以上が離婚に対して賛成意見だという。ただ私が見る限りこの反対する理由は他にもあるでは無いかと見ている。即ち『Divorce』と『Annulment』どちらも夫婦の婚姻関係を解消することであるが、離婚は当事者間の話し合いによって成立するが、アナルメントは裁判所に申し立てをして判決を得るということである。
GMA News
ローマカトリック教会の許可まで得なければならないこのアナルメント、時間がかかる上に、弁護士を介して届出をしなければならない。仮にこの離婚と言う法案が通ったとしたら、両者が話し合う、詰まり子供の親権、財産の分与まで早期にして解決してしまう。夕べのディスカッションでも話が出ていたが、フィリピンと言う国は貧しいとされているが、途方も無い金持ちも多い。

『ややもしたらこの金持ち達の財産の分散を防ぐ為の防御策ではないのか?』と言う意見も出ていたが、離婚法案反対の理由はまんざらその辺りにもあるのかとさえ思ってしまう。通常アナルメントを行う庶民など皆無に等しいし、その実は弁護士費用がとてつもなく高くおまけに性格の不一致などと言う理由ではとても受理される物ではないだろう。

まあ我々外国人は自国の法律に則った判断を仰げるが、この法律に関してはある意味蚊帳の外と言う感は否めない。しかしフィリピーナと一緒になった邦人は婚姻の問題にしろ財産の保持にしろ、フィリピンに住む以上それに従わなければならないという理由で、婚姻は解消できたが財産は全て失ったという現実に出くわす方が多いのではなかろうか・・・・・・・。

フィリピンのこの離婚法案、いずれにしてもフィリピーノにとっては建国以来続いた離婚禁止が崩れ去るかもしれないと言う問題は大きな問題なのであろう・・・・・・ただし、そこでもやはり金持ちの利権とそれに拘わる弁護士などの費用等の出費は変わりがない気がするが。