「ツアー登山 個人の危機対応能力が必要」2009/8・8 朝日新聞 朝刊 南徹様のご意見
ざっくり要約
大雪山系のツアー登山の遭難の根幹的問題は何でしょうか。みんな、ガイドや旅行社のせいにしているけど、本当かな?
ツアー登山には元々安全保障はついていません。
「みんなで登れば怖くない」って言ったところで、にわかに集まったツアーメンバーの能力や性格もバラバラだし、助け合いの精神だって急に生まれるわけではない。
でもみんなで登ると、ガイドさんやリーダーについて行けばいいだけですからと、どんなコースへ行くのか、地図さえ持っていない人も少なくない。
良い天候で、事故のない登山でも先頭と最後尾の到着時間には1時間以内の誤差が出る。ましてや悪天候においては、メンバーがばらばらになるのは当然。ひいては遭難も起こりやすいのは自明の理。
皆さん、ツアー登山は便利だけど、参加する場合には個人としての危機対応能力を高め、グループへの帰属意識をもてるときだけにしましょうね。
小さい頃の思い出です。父に会社の社員旅行で海に連れて行ってもらいました。会社のお姉さんとお兄さんが、1年生の私と、幼稚園ぐらいだった別のお子さんをボートに乗せて、沖まで連れて行ってくれました。そのとき、海を怖がる子と、全然怖がらない子がいることがわかりました。
私は怖がるほうでした。「もう、戻りたい、戻りたい」とずっと言っていました。もう一人のお子さんは「もっともっと遠くに行こう」とお姉さんたちにせがんでいました。大人たちは、「なんと怖いもの知らずの子だ、強いね~」と言っていました。
私はとにかく怖かったのです。だってお姉さんは浮き輪をかぶってボートを押しているけど、もし波が来て転覆した場合、私に貸してくれるかどうかもわかりませんでした。
20年後、私は二児の母になりました。家族で電車に乗るとき、夫はさっさと、一人で駅の階段を降りて行きます。私は幼児二人を両手に引いて、ゆっくりゆっくりとしか降りられません。
夫は閉まる寸前の電車に乗り込んでから、はっとして後ろを振り返りました。もしそのとき、私も焦ってドアの前で片足でも突っ込めば、間に合ったでしょう。
もちろん、そんなことはしませんとも。危ないですからね。
ホームで子供と一緒にジュースを買って、ベンチに座って飲みました。しばらくして夫は反対方向の電車に乗って戻ってきました。
もし、夫が怒ったら、その10倍ぐらい言い返してやる理論を頭の中で組み立てていましたが、夫は何も言いませんでした。
また新たな電車に乗りなおしました。
私は夫とだって、登山には行きません。行くなら一人で行きます。
ざっくり要約
大雪山系のツアー登山の遭難の根幹的問題は何でしょうか。みんな、ガイドや旅行社のせいにしているけど、本当かな?
ツアー登山には元々安全保障はついていません。
「みんなで登れば怖くない」って言ったところで、にわかに集まったツアーメンバーの能力や性格もバラバラだし、助け合いの精神だって急に生まれるわけではない。
でもみんなで登ると、ガイドさんやリーダーについて行けばいいだけですからと、どんなコースへ行くのか、地図さえ持っていない人も少なくない。
良い天候で、事故のない登山でも先頭と最後尾の到着時間には1時間以内の誤差が出る。ましてや悪天候においては、メンバーがばらばらになるのは当然。ひいては遭難も起こりやすいのは自明の理。
皆さん、ツアー登山は便利だけど、参加する場合には個人としての危機対応能力を高め、グループへの帰属意識をもてるときだけにしましょうね。
小さい頃の思い出です。父に会社の社員旅行で海に連れて行ってもらいました。会社のお姉さんとお兄さんが、1年生の私と、幼稚園ぐらいだった別のお子さんをボートに乗せて、沖まで連れて行ってくれました。そのとき、海を怖がる子と、全然怖がらない子がいることがわかりました。
私は怖がるほうでした。「もう、戻りたい、戻りたい」とずっと言っていました。もう一人のお子さんは「もっともっと遠くに行こう」とお姉さんたちにせがんでいました。大人たちは、「なんと怖いもの知らずの子だ、強いね~」と言っていました。
私はとにかく怖かったのです。だってお姉さんは浮き輪をかぶってボートを押しているけど、もし波が来て転覆した場合、私に貸してくれるかどうかもわかりませんでした。
20年後、私は二児の母になりました。家族で電車に乗るとき、夫はさっさと、一人で駅の階段を降りて行きます。私は幼児二人を両手に引いて、ゆっくりゆっくりとしか降りられません。
夫は閉まる寸前の電車に乗り込んでから、はっとして後ろを振り返りました。もしそのとき、私も焦ってドアの前で片足でも突っ込めば、間に合ったでしょう。
もちろん、そんなことはしませんとも。危ないですからね。
ホームで子供と一緒にジュースを買って、ベンチに座って飲みました。しばらくして夫は反対方向の電車に乗って戻ってきました。
もし、夫が怒ったら、その10倍ぐらい言い返してやる理論を頭の中で組み立てていましたが、夫は何も言いませんでした。
また新たな電車に乗りなおしました。
私は夫とだって、登山には行きません。行くなら一人で行きます。
うん!うん!頷きながら頭の中で再現ドラマを見ているかのような鮮明な光景が浮かんできまました。
これからもブログを楽しみにしています。
素敵なブログですね。
字も大きくて読みやすいです。
また 楽しみが ひとつ増えてうれしいです。
「いの」は天国で大阪弁で楽しく笑っていることでしょう。息抜きしたときにまた時々来てくださいね。
ぜひ楽しみのひとつとして可愛がってくださいませ。