ことば咀嚼日記

日々読んだ活字を自分の頭でムシャクシャ、時にはゴックン、時には、サクサク咀嚼する日記

百合を待つ

2016-08-18 | 日記
夏になると、百合の花がどこからともなく降るように庭に舞い降りて、花を咲かせる。場所は庭の角とか、ガレージと門扉の間とか、狭いところがが好きなようだ。隅っこにいるので、邪魔にはならないし、このまま背が伸びたら、きれいな花が咲くことだろうと思うと、雑草のように抜く気にはならない。そうかといって、毎年同じところに咲くかと待っていると、翌年はぜんぜん違う場所に根を下ろしたりしている。けっこう気ままな性格らしい。
町を歩くと、歩道の角にも、家と家の境にも、あちこちに百合が咲いていて、特に気にとめられもせず、咲けば「ああ、百合が咲いたね」ぐらいのことは言ってもらえ、このままその場に居座るでもなし、秋の深まりと共に自然に消えてゆく。
今日は夕立があって、百合の花が、ラッパ型の口をあけて、気持ちよさそうに雨を受けていた。来年も来てくれるかな、我が家の庭に。