ことば咀嚼日記

日々読んだ活字を自分の頭でムシャクシャ、時にはゴックン、時には、サクサク咀嚼する日記

京都弁のおじさん

2016-06-16 | 日記
京都に久しぶりに行って、年配の男性の京都弁を聞いて、一気に学生時代にもどりました。京都弁は、舞妓さんや女将の話すものが、一般にたおやかな京言葉の代表として知られていますが、私は、のんびりした年配の男性の京言葉が好きです。
京都に受験に来て、最初に聞いたのがこの京都弁。試験官の先生の京都弁で、緊張していた心が解きほぐされたのを覚えています。内容は、多分、試験に関するちょっとした注意事項だったと思いますが、何となく懐古調で、穏やかで実にいい響きでした。
その後、京都に住むようになって、有名な庭園やお茶屋や仏閣での受付のバイト経験を経て、1000年にわたる京都ビジネスの現実の部分も見ました。ある庭園では別館受付に回された美人の女子大生がお茶当番の京都のおばさんに、いじめられていたり(私は若いころは美より体力があったので下足番の下働きで、いじめの難を逃れていました)、美しい庭園のお宅のお台所がめちゃくちゃだったり、当地に将来住もうという気持ちはだんだんと薄れていきました。しかし、学生として、また一時的なお客さんとして、滞在するには、とてもよいところだと思います。
しばらく体も心も離れていた京都、またその魅力をあらたに感じ始めました。