ことば咀嚼日記

日々読んだ活字を自分の頭でムシャクシャ、時にはゴックン、時には、サクサク咀嚼する日記

京の1日

2016-06-11 | 日記
京都の町屋に引っ越した元同僚の家に、別の同僚と遊びに行きました。午前中は東寺の立体曼荼羅や五重の塔をゆっくり見てまわりました。東寺は、弘法市の日は込み合うらしいのですが、当日は人も少なく、傘がいらないくらいのうす曇り、ときどきポツポツ来たら大樹の陰に隠れて雨宿り、止んだら、歩き出すといった感じで、2時間ぐらいじっくり見ました。広々としていて、京都のお寺というより、かつての唐の都にあるお寺はこんな感じだったのかなと思わせるようなゆったりしたつくりのお寺でした。世界遺産になっているので、当然、格式高いお寺ではあるのですが、取り澄ましたところのない庶民的な雰囲気も少し漂わせていました。弘法大師のお寺は、どこも敷居が低くて、おおらかで大好きです。

四条川原町まで友人が迎えに来てくれたので、途中美味しいランチを御馳走になり、そのままお宅へ、歩いて10分ほどの路地を入ると、リフォームしたばかりの素敵な町屋に案内されました。居間も、トイレも、和室も、外から見るよりずっと広くて、多分天井が高いせいと、天窓がとってあるのと、京間の一畳が広いためだと思います。おみやげにもってきたお菓子と、友人が用意してくれた京都のお菓子を籠に山盛りにして、4時間ぐらい3人でおしゃべりしました。この時間が一番楽しかった。女性三人の話題は豊富で、仕事の話から始まり、旅の話、上司の話、読んだ本の話、子供の話、家族の話、つきることを知りません。名残惜しく、夜のスケジュールがあるので、おいとましました。

 夕方から、ギオンコーナーの外国人ばかりの中で、茶道・華道・京舞・狂言・人形浄瑠璃・お琴、雅楽の7種、それぞれ10分ぐらいずつの古典芸能を見て、お漬物のお店で晩御飯を食べて、新幹線で帰りました。古典芸能は、一番よいハイライトだけですが、最後の八百屋お七の浄瑠璃で、階段を必死で登り、ずるずる落ちて、また登り、鐘を鳴らすシーンで、胸がざわつくぐらい感動しました。難しい古典芸能ですが、何しろ一種目10分、外国人にもわかるように厳選してあるので、見ごたえがあって飽きません。これはお勧めです。