風遊ぶ楠の若葉やあさみどり

梅雨に入る前の、すばらしい天気が続いています。新緑の神宮を歩いていたら、おみくじがあったので買ってしまいました。
「半吉」という中途半端な卦でした。

「大いなる災いはなけれど、気苦労多し」
開運色は黄緑色、失せもの出ず、方角は東、謙虚に学問に励め、後に大いなる幸いあり

ふーん・・・
気苦労はたしかに、ある！
気苦労があるというのは、脳の活性化には最高らしいです。ああすればいいのか、次はこうしようとか、考えるだけで前頭葉のみならず、側頭葉も活性化されるそうです。

おみくじをひいたら、巫女さんが、「おんそざいのお下がりです」と言って真新しいタオルをくださいました。汗拭きにするのにちょうどよい大きさの真っ白なタオルです。スポンサーの老舗のデパートの名前が書いてありました。
ききなれない「おんそざい(御衣祭)」とは衣料に感謝するお祭りで、衣替えの日に執り行う行事という話です。

神宮の木々もまさに衣替えが終わったところです。楠の若葉の色の初々しさには、見とれてしまいます。風が葉の間を吹き渡り、気持ちの良い午後でした。久しぶりに句心がわいてきました。

おみくじの「大いなる災いなけれど」のところが気に入り、気苦労があっても大いなる災いはないのか、なら最初から気苦労をやめても大勢に影響なしと、考えました。おみくじリーディングのコツは、自分の都合の良いように、順序を入れ替えて読むこと！です。読解のひとつの技法だと考えています。「いくら気苦労しても大いなる災いはないよ」と読んでください。そうすればだまされて高い壷を買うことはなくなります。
私は日々、どのような過酷な、また贅沢な状況にあっても、いかに平穏な人生を送るか、いかに美味しくご飯を食べるか、いかに安眠するか、いかに趣味の読書を楽しむかに、苦労をしていますが、そこのところが保障されました。

それから「失せもの出ず」ということでしたので、二週間前から姿を消した初夏用のカーディガンがなくて困っていたので、向かいのお店で買うことにしました。前のはもう4年ぐらい着たし、まあこれも運命ということで。前のは茄子色でこれも好きだったのですが、今回はおみくじのラッキーカラーの黄緑色です。さらさらと肌に優しく、素敵な長さ。

買った後で、息子が家に来て、「なんか、車の後ろにこんなの、あったよ」と、なくしたはずのカーディガンを差し出しました。ああ、そういえば連休のとき一緒に車で食事に行って、そのとき以来だわ、と記憶がよみがえりました。でも、おみくじの期限切れの後だったので、まあ、よしとしましょう。