中国映画で一番好きなものは、『覇王別姫』だ。中国の現代史と中国語の勉強のためにもこれ1本で得るものは多い。また、今は亡きレスリー・チャンとジャン・フォンイーとチャン・ツィイが演じるの三人の悲しい愛憎劇は、性を超えた人間と人間の情というものの、複雑さと単純さを考えさせられる。
ジャン・フォンイーが演ずるぶれない人間性を持った一人の人に、どうしても依存しないではいられない二人の人間が、絡みついたり、いがみ合ったり。
まるで1本の大きな樹に、種類の違う蔓草が、お互いに牽制しあって絡み付いているような印象をもっていたのだが、最近また見直してみたら、別の印象をもった。
一見一番弱そうに見えるレスリー・チャンの女形が、もっとも強かったのではないかと、思った。
彼が、文革の抗争の嵐の中で、京劇について人々に淡々と、しかし情熱をこめて語る場面を見て、その思いは深まった。ひょっとしたら一番ぶれていない人はこの人かもしれないとさえ見えてきた。
ジャン・フォンイーが演ずるぶれない人間性を持った一人の人に、どうしても依存しないではいられない二人の人間が、絡みついたり、いがみ合ったり。
まるで1本の大きな樹に、種類の違う蔓草が、お互いに牽制しあって絡み付いているような印象をもっていたのだが、最近また見直してみたら、別の印象をもった。
一見一番弱そうに見えるレスリー・チャンの女形が、もっとも強かったのではないかと、思った。
彼が、文革の抗争の嵐の中で、京劇について人々に淡々と、しかし情熱をこめて語る場面を見て、その思いは深まった。ひょっとしたら一番ぶれていない人はこの人かもしれないとさえ見えてきた。