ことば咀嚼日記

日々読んだ活字を自分の頭でムシャクシャ、時にはゴックン、時には、サクサク咀嚼する日記

ダミオを待つ

2010-04-12 | 日記
夕方帰ってきたら、うちの勝手口で、クロとダミオが睨み合いをしている。
クロはダミオに向かって、「もうこれ以上寄ってきたら、何するか分からないわよ!」と言わんばかりにウーと睨み付け、ダミオもダミオで変な声を出してクロを見つめている。
私が一歩足を進めたら、クロが逃げ出し、それを追いかけてダミオも走り出し、二人の姿が見えなくなった。
心配していたらまもなく、クロが表のベランダから帰ってきて、尻尾を逆立てて興奮している。ああ、ダミオをまいてきたかと安心するが家に入れても、まだ誰かを警戒している様子で、窓の外を気にしている。

ダミオは界隈きってのプレイボーイ。肉付きのいい体に、白と黒と茶の三毛で、口の周りだけ真っ白で、目がまん丸の甘い顔をしているせいか、近所中を思うが如く歩き回り、図々しいたらありゃしない。いつだったか、階段をトントン降りて来る音がしたので「クロ」と声をかけたら、ダミオが降りてきて、その後クロも降りてきてびっくり。布団を取り込む隙に入ったらしい。

そのままソファで寝ついたクロが、夕方また外に出て行ったまま、暗くなっても帰らない。心配して探しに行くと、電信柱の影でクロが佇んでいる。その様子は誰かを待っているような感じ。家に入るよ、ご飯を食べるよ、と言っても全然動こうとしない。あんなに嫌がっていたのにひょっとしたらヤツを?・・・・・・

クロをおいたまま、散歩に出かけ、多分今年最後になるだろう夜桜を観に行った。公園のサクラの木の下にはひっそりと花見をしている4人家族が一組と、しょぼしょぼ体操している若者が2人、3人。
赤いちょうちんの下のサクラの木の下で、私もじっと佇んでみた。だれも来ないけど、サクラの木の下はなにやら妖しい雰囲気になるものだ。あやしい人と思われたかもしれない。