ことば咀嚼日記

日々読んだ活字を自分の頭でムシャクシャ、時にはゴックン、時には、サクサク咀嚼する日記

大阪風景

2013-01-04 | 日記
大阪に行って、名物の串カツを30分待って食べる。
吹きすさぶ風の中、なかなか進まない列の中、ホッカイロを握り締め、忍耐力が試される。
やっと入れて、座れたと思ったら、空いた席は出口の前で、お客さんが出るたび、スースー隙間風が吹きぬける。
店員さんが「スンませんね、寒くて」とあやまってくれる。一応そこにはヒーターも置いてある。
寒いより何よりとにかく早く食べたいので、8本セットを注文する。
チュウハイを飲みながら、セットだけでは足らず、追加でまた注文し、15本ぐらい食べたところでおなかがおさまった。
食べながら、カウンターの中の店員さんが忙しく立ち働く様子が見える。
背の大きい人から小さい人まで、そんなに年の人はいなかったが、アルバイトも正社員かと思われる人も皆強烈な個性。
一人として同じ雰囲気の人がいない。ドツキ漫才に出てきそうなおじさんやら、ヤンママ風の女の子やら、暗い感じのナルシスト風の男の人やら、いかにも体育会系らしい男の子やら、声のかけ方も、決まっているようでそれぞれ個別の味があって面白い。誰が店長やらよくわからない。忙しそうだけどぴりぴりしていない。適当に店員同士のおしゃべりも聞こえてくるけど、サボっているわけではなく、注文するとすぐ返事をしてくれる。
店を出るとき、イケ面の男の店員さんが「寒くってすんませんでしたね」とまた謝ってくれる。
帰りの電車のホームで、電車を待っていると、30才ぐらいの女の人が50過ぎの連れの男の人の背中やらお尻やらをバンバンたたきながらなにやら大声でしゃべくっている。別に怒っているわけでもなし、唯の仲良しなのか、何なのか。おじさんがホームに落ちるんじゃないかとひやひやしたが、おじさんは直立不動で、なんかぼそぼそ言うだけ。
電車が来て乗り込む。対面式のシートの前に座ったごく普通の若い女の子が、いきなり箱からケーキを取り出して、食べ始める。連れの女の子に「アンタもこれ食べへん?」とか言っている。普通の光景なのか、驚く人はいない。
電車が美章園の駅に着き、改札を出るとすぐ信号があって、赤信号で待っていた降りたばかりの10人ほどの客が、全員道の向こうのローソンにそのまま吸い込まれたのがおかしかった。もちろん自分のその一人だったけど。