《 … ❖概説❖
シマノフスキ中期を締めくくる作品であり、初演ではセンセーションさえ巻き起こした。1990年代に入って再評価されて、世界各地で上演されるようになった。
1911年、シチリア島を訪れたシマノフスキと従兄弟の詩人イヴァスキェヴィチが見たイスラムの遺構、ロマネスク時代の教会堂などの印象をもとに、二人の共作で台本が完成した。また、ギリシャ悲劇のエウリピデスの「バッコスの信女」がヒントになっている。
多様な文化が混在する十二世紀のこの島を統治したシチリア王ルッジェロ二世の物語で、デュオニソスの化身である羊飼いが美貌の王妃ロクサーナに恋することから起こるシチリア王室内の騒動を描いている。また、そこにはキリスト教と異教徒との確執が絡んでいる。難解な作品の多いシマノフスキにしては、適度な官能性にも欠けていない。「ロゲル王」とも訳される。… 》
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