「魔笛」第1幕
第1場
序曲
岩山
架空の古代エジプト。狩衣を着た王子・タミーノ。蛇に追われて逃げ惑う。…
…タミーノが気絶する。女性三人が現れて、蛇を倒す。…
…3人の侍女が立ち去り、タミーノは目を覚ます。そばで蛇が死んでいる。…
❲タミーノ❳
「私は無事なのか?誰かがやって来るぞ、隠れよう。」
The Magic Flute – 'Der Vogelfanger bin Ich ja' (Mozart; Roderick Williams)
Der Vogelfänger bin ich ja
「私は鳥刺し」
❲パパゲーノ❳
「鳥を捕まえるのが、俺の仕事!陽気で元気なんだ。可愛い女の子と結婚したいな。」
隠れていたタミーノは出てきて、パパゲーノに声をかける。お互いに自己紹介。タミーノは「遠い国の王子様」、パパゲーノは「夜の女王と侍女たちに、捕まえた鳥を渡して食べ物の交換をしてもらい、暮らしている」と言う。…
…3人の侍女がその場に現れる。…
…パパゲーノは、口に金の錠前をつけられて、しゃべることができない。…
…3人の侍女は去っていく。絵姿を見るタミーノ。…
Dies Bildnis ist bezaubernd schön
「なんと美しい絵姿」
❲タミーノ❳
「なんと美しい絵姿。心は火のように燃えている。これが恋なのか、そうだ、愛なのだ。」
ふたりの前に、戻ってきた3人の侍女。…
…山が左右に開き、玉座に座った夜の女王が現れる。
O zitt’re nicht, mein lieber Sohn!
「恐れずに、若者よ」
❲夜の女王❳
「恐れずに、若者よ。あなたは清く美しい心を持っています。あなたのような若者が、私の心を慰めてくれるのです。…」…
…(中略)…
…夜の女王と3人の侍女は、去って行く。
「五重唱」Hm! hm! hm!
❲タミーノ❳
「今の出来事は、夢か、幻か?」
❲パパゲーノ❳
「フムフム、フムフム(口の錠前を指さす)」
❲タミーノ❳
「助けてあげたいが、私にその力はないんだ。」
3人の侍女が戻ってきた。…
…タミーノに魔法の笛が手渡される。…
…❲3人の侍女❳
「王子様が守ってくれるわ。パパゲーノには『銀の鈴』をあげます。『魔法の笛』と『銀の鈴』が、あなたたちを守ります。」
3人の侍女に見送られて、タミーノとパパゲーノは出発する。
第2場
ザラストロの城の中
豪華なエジプト風やトルコ風の部屋。奴隷たちが噂話をしている。「パミーナが逃げたらしい」「モノスタトスが怒って探している」「モノスタトスに酷い扱いを受けているから、パミーナには無事に逃げて欲しい」…
…モノスタトスによって、鎖で縛られたパミーナが部屋の中に連れられてきた。
❲モノスタトス❳
可愛い娘さん。さあ部屋に入るんだ。
❲パミーナ❳
あなたには優しい心がない。私を殺して。…
…(中略)…
Bei Männern, welche Liebe fühlen
「二重唱・恋を知る殿方には」
❲パミーナ❳
「愛を感じる男性なら、優しい心を持っているわ。愛の喜びを知りましょう。」
❲パパゲーノ❳
「愛のときめきを分かち合うのが女のつとめ。男と女は手を取り合い、神の世界に行くのだ。」
パミーナとパパゲーノは、部屋を出て行く。
第3場
森の中の3つの神殿
3人の童子が、タミーノに道案内をしている。…
…(中略)…
…タミーノが門を通ろうとすると、どこからともなく「さがれ」と言う声が聞こえてくる。3つの門すべて通ることができなかった。弁者が現れる。…
…(中略)…
…弁者は去る。
Wie stark ist nicht dein Zauberton
「なんという不思議な笛の音」
❲タミーノ❳
「(魔法の笛を鳴らす)なんという不思議な笛の音だ。動物も喜ぶでしょう。ここには、パミーナがいない。彼女は大丈夫だろうか?…」…
…(中略)…
「二重唱」Schnelle Füsse, rascher Muth
❲パミーナとパパゲーノ❳
「急ぎましょう。タミーノに早く会わないと、私たちは捕まってしまう。」…
…(中略)…
「合唱・ザラストロ万歳」Es lebe Sarastro!
❲人々❳
「ザラストロ万歳。私たちが喜びをもって身をゆだねるのはこの方なのです。彼がいつまでも賢者として人生を楽しまれますように。」…
…(中略)…
…タミーノとパパゲーノは、頭巾を被らされる。ザラストロを称える従者たちの声が響く。
「魔笛」第2幕
第1場
行進曲「Marsch der Priester」
神官たちの行進
森とピラミッド
森の中に、大きなピラミッドがある。ザラストロと神官たちが集まっている。…
…(中略)…
モーツァルト:歌劇《魔笛》から
僧侶の合唱「イシスとオシリスの神に感謝を」
指揮者:ジュゼッペ・シノーポリ
演奏者:ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団(合唱指揮:ヴァルター・ハーゲン=グロル)
楽団:ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
第2場
神殿の庭
夜、落雷が遠くに聞こえる。崩れ落ちたピラミッドが見える。頭巾を被った、タミーノとパパゲーノが連れられてくる。頭巾を外して、神官たちは去って行く。
…(中略)…
「二重唱」Bewahret euch vor Weibertücken
❲弁者❳
「二人には、沈黙の試練に挑戦してもらう。
(弁者ふたりで)女のたくらみから身を守れ。賢い者でも騙されることがある。最後には見捨てられ、死と絶望が待っている。」
弁者と神官が去り、タミーノとパパゲーノは残される。どこからともなく、3人の侍女が現れる。
「五重唱」Wie? Wie? Wie?
❲3人の侍女❳
「どうしたの?タミーノ、パパゲーノ。こんな恐ろしい所にいて、危ないわ。早く逃げましょう。あの男たちの戯言を信じないで。」
❲パパゲーノ❳
「俺たち、危ないのか!!」
❲タミーノ❳
「しゃべるな!パパゲーノ。沈黙だ。」
タミーノとパパゲーノは沈黙を守る。大きな落雷が鳴り、3人の侍女は去って行く。入れ替わりに、弁者と神官が来る。…
…タミーノとパパゲーノに頭巾を被せて、別の場所に移動する。
第3場
夜の綺麗な庭
月が光る、綺麗な花が咲いている庭。東屋で、パミーナが眠っている。…
Alles fühlt der Liebe Freuden
「誰でも恋をすれば嬉しいものだ」
モノスタトスが足を忍ばせて、眠っているパミーナに近づく。落雷と共に、夜の女王が現れる。
❲夜の女王❳
「さがれ!!」
❲パミーナ❳
「(目を覚ます)お母様!」
モノスタトスは、物陰に隠れて立ち聞きする。…
…(中略)…
Der Hölle Rache kocht in meinem Herzen
「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」
❲夜の女王❳
『「短剣」を手に取りなさい。お前はザラストロを殺し「太陽の力」を奪い取るのだ。
地獄の復讐に燃える。死と絶望が我が身を焼き尽くす。お前がザラストロを殺さないなら、もう親子ではない。永遠に縁を切ってやる!!』
夜の女王は去り、夜の庭に残されたパミーナ。パミーナは、夜の女王が残した、短剣を手にして困っている。…
…(中略)…
In diesen heil’gen Hallen
「この聖なる殿堂では」
❲ザラストロ❳
「この神聖な神殿では、復讐心を持つ者などいない。たとえ道を踏み外した者がいても、愛で導くのだ。互いに愛し合い、敵を許そう。」
第4場
広間
弁者と神官によって、タミーノとパパゲーノが頭巾を被らずに、広間に連れられてくる。…
…(中略)…
Ach ich fühls, es ist verschwunden
「私にはわかる、消え去ったのね」
❲パミーナ❳
「私にはわかる。愛が消えてしまったのね。愛の喜びは戻ってこない。タミーノ、見て下さい。この涙はあなたのために流れています。」
パミーナは去って行き、食事中のパパゲーノと無言で悲しむタミーノ。…
…(中略)…
第5場
ピラミッドの広間
弁者と神官たちが集まって、儀式をしている。ザラストロが登場。タミーノが続いて入る。…
…(中略)…
Ein Mädchen oder Weibchen wünscht Papageno sich!
「娘か可愛い女房が一人」❲パパゲーノ❳
…(中略)…
第6場
小さな庭
…(中略)…
第7場
二つの大きな山
…(中略)…
第8場
小さな庭
パパゲーノはひとり、うなだれている
…(中略)…
第9場
夜の世界
…(中略)…
第10場
太陽の世界
…(中略)…
「合唱」Heil sey euch Geweihten!
❲人々(合唱)❳
「清められた者たちよ、万歳。オシリスの神よ、イシスの神よ、感謝します。美と叡智が永遠の冠として輝くだろう。」
〘 モーツァルトの3本の傑作オペラ『フィガロの結婚』、『ドン・ジョヴァンニ』、『コジ・ファン・トゥッテ』の台本を書いたイタリアの詩人で台本作家<ロレンツォ・ダ・ポンテ>の奇想天外な"逃げる"人生を、史実をもとにロック・アレンジされた疾走感あふれる音楽にのせて、鋭く描き出します。… 〙
〘 …【出演者・演出家より上演に向けてのメッセージ】…
…ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト役:佐藤流司
「…人生においてモーツァルトを演じる機会もそう無いと思いますので、本当に幸甚に存じます。
さて、モーツァルトと言えば「レクイエム」「魔笛」「アイネクライネナハトムジーク」などが有名ですね。… 〙
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