「トゥーランドット」第1幕
北京の紫禁城の城門前
真夜中。役人が伝令を伝える。
Popolo di Pekino!
「北京の人々よ」
❲ 役人 ❳
「北京の人々よ!これは決まりごとである。トゥーランドット姫と結婚するには、3つの謎を解かねばならない。挑戦に挑み、謎解きに失敗すれば、打ち首だ。今日は、ペルシャの王子が死ぬ。」
❲ 人々 ❳
「処刑だ!すぐにでも!処刑人を待っているぞ。処刑人が現れないならば、私たちが迎えに行こう。」
人々が、処刑を見ようと集まっている。人々の間を、カラフ父とリューがさまよっている。カラフ父は、盲目。…
…(中略)…
…ペルシャの王子を処刑する準備が始まる。…
…処刑を求める人々が熱狂的に盛り上がった後、一転して静かになる。…
…ペルシャ王子が引き連れられ出てくる。…
…遠いバルコニーにトゥーランドットが現れる。姫が現れると静まりかえる。死刑の合図を出して去って行く。
❲ カラフ ❳
「トゥーランドット、神々しく美しい女。これは奇跡か。夢なのか!」
カラフ父やリューが、カラフの異変に気がつく。…
…ペルシャ王子の処刑の声が響く。…
…カラフが銅鑼を鳴らそうと駆け寄ると、ピン、パン、ポンの3人の大臣が現れる。
ジャコモ・プッチーニ : Act I: Fermo! Che fai? T'arresta! (Ping, Pong, Pang) - 3088592 - NML ナクソス・ミュージック・ライブラリー
Fermo! Che fai?
「動くな、何をする気だ」
❲ ピン、パン、ポン ❳
「動くな、何をする気だ!いくらトゥーランドットが美しいと言っても、ひとりだけ。たくさんの女を娶ればいいじゃないか。だから、挑戦はやめろ。」
宮殿のバルコニーから、トゥーランドットの侍女が現れる。
Silenzio!
❲ 侍女ら ❳
「静かに、静かに。姫はお休みです。」
侍女らが去り、さらにカラフへの説得が続く。…
トゥーランドット 【 お聞き下さい王子様 】
トゥーランドット 【 泣くなリュー 】
カラフ父、リュー、3人の大臣が、カラフを引き留める。引き留めを無視して、カラフは「トゥーランドットの謎に挑戦するため」の銅鑼を3度鳴らす。
「トゥーランドット」第2幕
第1場
3人の大臣たちの控え室
ピン、パン、ポンの3人の大臣たちは、カラフが銅鑼を鳴らしたので、二つの準備をしている。謎が解ければ、婚礼の準備。謎が解けなければ、死刑の準備。
Olà, Pang! Olà, Pong!
❲ ピン、パン、ポン ❳
「おい、パン。おい、ポン。銅鑼が鳴ってしまった。婚礼の準備と、葬式の準備だ。やれやれ、大臣の仕事が、死刑の執行になってしまった。自分の故郷に帰りたい。姫様が愛に目覚めれば、この国は平和になるのに。」
第2場
宮殿前の広場
広場に人々が集まっている。皇帝がカラフに呼びかける。
Un giuramento atroce
「恐ろしい誓いが」
❲ 中国の皇帝 ❳
「恐ろしい誓いが私を苦しめる。若者に血を流してほしくない。」
❲ カラフ ❳
「私に挑戦させてください。」
群衆に役人が伝令を出す。…
…姫が現れる。(トゥーランドット)
カラフが引き下がらないので、トゥーランドットが謎を出す。
Straniero, ascolta
「異国の者よ、聞くがいい」
❲トゥーランドット ❳
「異国の者よ、聞くがいい。
第1の謎
闇の中で人々が求めるもの。夜ごとに生まれ、明け方に消えるものは?」
…(中略)…
「トゥーランドット」第3幕
第1場
夜・宮殿の庭
役人や群衆が騒いでいる。…
…(中略)…
第2場
宮殿前の広場
群衆と皇帝たち、3人の大臣たちなどが集まっている。広場に現れる、トゥーランドットとカラフ。…
私は、このフィナーレに全く感動できない…。
このトゥーランドットは、トスカと並んで、国家権力の恐ろしさ・おぞましさ・傲慢・横暴・醜悪・人ぴにん(変換されないようです…ひらがなの部分が、差別・禁止用語かも…!?…おそらく…)・極悪非道ぶりを、偽らないで、そのまま表現している。上辺だけの表面的な綺麗事の安易で軽薄なドラマとは違う。
古今東西、支配者層はほんの極一部で、圧倒的大多数は支配される側の人達だ。
支配者層のなかにも、きちんと人間の心を持って、一応、下々の者達の境遇を、それなりに想像できる・思いやれる人もいる。
一方で、そういった推しはかる能力(や意思)が欠落・不足している、人の痛みがわからない輩もいる…。
その二通りの人間が、このオペラにも出てくる…。
(もちろん、過去のトラウマを抱えているというのもあるが…それにしても酷い…)
人が死なないと、わからない・理解できない・改心できないのか…!?
追記
支配と服従、侵略と征服・蹂躙、その応酬…それを、人類は、延々と繰り返している…。
(それが、この悲劇をうんでいる…。❈「この宮殿のなかで」…このお姫様は、深刻なジレンマを抱えている…どうしても信じられない気持ちと…もしかしたら…という気持ち。そして、死なせたくない気持ち…。99%以上 挑戦して欲しくない…でも1%未満…もしかしたら…でも死のリスクがある…ジレンマ…。❇「誰も寝てはならぬ」…この王子も、やはり支配者層側で(北京の)みんなの命と引き換えに挑戦する…それとも、自分の愛の力で、お姫様の気持ちを変えられるという自信か…「アルファーノ補作版」と「ベリオ補作版」とで、そこら辺の解釈の違いがあるかも…!?…ルチアーノ・ベリオ(1925~2003)…ご存知の方も多いでしょうが、有名な現代音楽の作曲家…いつか取り上げるかも…。❄「氷のような姫君の心も」…リューが気の毒でならない…😢…私は、この娘が一番好き…って、フィクションやろっ!)
それでも、少しずつ良くなっているのでは…。
大切なことは、逆戻りさせないこと。
今、世界では、戦争中のところがあって、まさに、支配と服従、侵略と征服・蹂躙、その応酬…をやっている…。
つい最近のニュースでは、もしかしたら、いったんおさまるかも…!?…という淡い期待もあるが…予断を持たない方がいい…!?
誰も寝てはならぬ! 🙅
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