第3幕 「荒涼たる岩山の麓―岩山の頂き」
舞台は岩山のふもとの荒野、下手険しい崖になっています。
序奏
第1場
~楽劇「ジークフリート」( ニーベルングの指輪︰ワーグナー作曲 )より~
登場人物
さすらい人(バス) 神々の長ヴォータンの地上における変装姿。
エルダ(アルト) 知恵の女神。ブリュンヒルデの母。
「私は永遠の時を生きてきた」(ブリュンヒルデ)
「ジークフリート牧歌」
〘 …◇愚か者だからできること…
…リングの主役である英雄 ジークフリート と同様、パルジファルは「純粋無垢(むく)な愚か者」として描かれ、歌詞の中にも愚か者を意味する「Tor」という単語が使われる。沼尻は「2人は同じような人なのではないかしら。ある種の愚か者でなければ、世の中を変えていくような突破力は生まれないのかもしれない」と感じている。… 〙
『 ジークフリート』 ー 真に自由な英雄の成長物語
新国立劇場オペラ前芸術監督 飯守泰次郎先生の “ できる限り要約 ” してくださった『ジークフリート』の解説です。
誤解があるかもしれませんので、私なりの補足を(大変恐縮ですが)付け加えさせていただきます。
〘 『ジークフリート』における大蛇ファフナーは、人間の所有欲を体現しています。財産を所有して眠っている姿は、まさに資本主義の最も否定的な一面です。〙
私も、全くおっしゃるとおりだと思います。
一方で、資本主義には、肯定的な面もたくさんあります。
〘 “ 従来型の ” 資本主義社会が行き詰まり、様々な問題を抱える時代に私たちは生きています。〙
…と、ほんの少し修正して付け加えさせていただきます( “ 従来型の ” の部分)。
日本の政府・与党も、中国共産党に似ているところがあると思いますし、それにくっついて濡れ手に粟で甘い汁(生き血)を吸っている(寄生虫のような)支持(献金)団体・業界団体・圧力団体・特権的利益集団・既得権益層…etc. もまた、中国のなかのそうゆうシロアリ・寄生虫的な組織・団体・集団にそっくりだと思います。
これらが、不合理で不当な参入障壁を作り、公平・公正・透明な市場競争を阻み、本来であればもっと発展・成長していた日本経済を行き詰まらせ、理不尽なかたちで不幸で困窮した方々をたくさん生み出しています。
真に自由で自らの才覚器量を活かして(自己実現し、創造的に〔 創造と破壊は表裏一体〕)世の中・社会に貢献し以て付加価値を産出しきちんと納税するのであれば、その “ 真に自由な英雄(女男問わず) ” が相応の対価・報酬を得るのは当然です(悪平等はかえって不公平ですし、世の中・社会が発展しません)。
しかしながら、今の日本は、そうゆう理想的かつ現実的に持続可能な社会から、かけ離れています。
〘 …市場はその存在自体がただちに善というわけではなく、あくまで良質な競争をもたらすという機能を果たしてこそ評価されるべきだ。
もしもその機能が果たされていないのであれば、市場のルールを作り替える必要がある。今までのルールを前提に市場を礼賛する(=市場原理主義)のではなく、損なわれた市場の機能 を回復するために、過激で根本的なルール改革を目指さなければならない(=市場急進主義)。本書の立場は、このように整理できるだろう。…
私有財産制度がもたらす問題
…私的所有を認められた所有者は、その財産を「使用する権利」だけでなく、他者による所有を「排除する権利」まで持つため、独占者 のように振る舞ってしまうからだ。
この「独占問題」によって、経済的な価値を高めるような所有権の移転が阻まれてしまう危険性がある という。
代案として著者たちが提案するのは、「共同所有自己申告税」(COST)という独創的な課税制度だ。…
「スタグネクオリティ」を解決する卓越したアイデア
最後に、COSTや本書全体に対する監訳者の評価を述べておきたい。現在の資本主義が抱える問題として特に深刻なのは、経済成長の鈍化 と 格差の拡大 が 同時並行 で起きていることだろう。著者たちが「スタグネクオリティ」と呼ぶ問題である。
こうした中で、一部の富裕層に 過剰なまでに富が集中する 経済格差の問題を見過ごせない、と考える経済学者も増えてきた。〙
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