そういうわけで今日はまた松竹座夜の部を観てきました。
突然だったので確保できたのは二階席の一番後ろでしたが、
海老蔵の代役で演じた仁左衛門の与兵衛は絶品でした。
初役の海老蔵には可哀想ですが、似て非なるものだったと思いました。
与兵衛の性根が全く違いました。
親不孝物の与兵衛が、親の思いに改心し、
そして、その親の思いに答えようとお吉に借金を頼み、そして殺してしまうまでの心の動きが
手に取るようにわかりました。
気のせいか、他の役者を巻き込み、芝居自体が緊張に満ちた舞台となったようです。
孝太郎は澤村田之助を髣髴とさせる情の深いお吉となり、
竹三郎も慈悲深い母親でした。
さて、今日は舞台はよかったものの、観客のマナーの悪さが目に付きました。
二等席ってのもあるのかもしれませんが。
左隣の夫婦の夫が最初から眠って鼾をかいているのはご愛嬌。
右隣の女性は芝居の途中に携帯電話が「ピロリロリ~」と鳴り出す始末。
しかも、その後何度もメールチェック。眩しいったらありゃしない。
その隣の女性は途中で入ってきて、
ジーッ(バッグのファスナーを開ける音)、
バリバリ(オペラグラスをポーチから出す時のベルクロをはがす音)、
カサカサ(レジ袋から何やら出す音)、
煩いったらありゃしない。
前の老女二人は帯を締めてきたせいか浅く腰掛けて前のめり、
舞台が見えません。
さすが、これは我慢ならないので、劇場の人に言って注意してもらいました。
上演中のおしゃべりも多いのはどうよ。
時代もよし、世話物もよし、仁左衛門はええですね~。
愛之助も期待大です。
甘いマスクにメロメロ。
見てみたいけど…さすがに大阪に行く暇がありません(;´∀`)
せっかくのいい芝居なのに観客のマナーにがっかり,では
残念でしたね.
僕も演舞場の二階席でイヤな想いをしたことがあります.
だから,高くても桟敷席にこだわっちゃうんですよ.
僕も,親父も.
去年だったか、歌舞伎座で義経千本桜の椎の木、鮨屋を仁左衛門、秀太郎でやった舞台がありましたね。
その少し前に、同じ演目を団十郎、秀太郎でやりました。
秀太郎はいずれも上方風で演じましたが、
団十郎の江戸前の権太、
仁左衛門の上方風の権太、
いずれも素晴らしかったのを覚えています。
海老蔵もひょっとしたら将来化けるかもしれませんね。
仁左衛門さんの油地獄は良かったでしょうね。
羨ましくてなりません。
海老蔵のいろいろな役も、将来化けるのを期待して観てます。
それは、それは素晴らしい舞台でした。
仁左衛門の与兵衛は平成元年の歌舞伎座(お吉:雀右衛門)、数年後の新橋演舞場(お吉:玉三郎)、平成10年の歌舞伎座(お吉:雀右衛門)と3回観ました。
段々と練られてきて今回が今までで一番素晴らしい舞台だったと思います。
なんと言っても筋書の仁左衛門のインタビューには
「ドラマ自体がナマに近いものだから、演じる役者の実年齢とあまり離れてしまってはね…」
とあったのでもう彼の与兵衛は観れないとおもっていましたので。
そんなわけで先日も一幕観で観てまいりました。
これが最後かも、って思いで。