久々の更新になりますね。^-^
しばらく仕事が忙しく、研究に時間を割く余裕がありませんでした。
その間、名人戦も3局を消化し、羽生善治名人が3連勝で防衛を濃厚にしていますね。
第4局は羽生名人の先手なので、ゴキゲン中飛車は出現しなさそうですが、
ここで三浦弘行八段が持ち堪えて第5局まで行けば見られるのではないかと期待しています。^-^
さて、振り飛車党の話題としては、室田伊緒女流初段が絶好調のようですね。
今年度の勝敗を表にまとめてみました。
岡崎将棋まつり女流棋士トーナメントでは、矢内前女王を四間飛車で倒して優勝したそうです。^-^
この時の活躍は、週間将棋5/12号に載っているので興味がある方はこちらを参照して下さい。
最近は角道を止める振り飛車は居飛穴に劣勢なだけに、この活躍は大きいですね。
永瀬拓矢四段も三間飛車で頑張っていますし、この調子で行ってもらいたいです。^-^
ついでに、ここ最近活躍の著しい純粋振り飛車党の愛用戦法をまとめてみました。
やはり、先手では▲7六歩△3四歩▲7五歩の石田流と、▲7六歩△8四歩▲5六歩の
先手中飛車(向かい飛車)、後手ではゴキゲン中飛車を採用する棋士が多いですね。
特に、女流は5つのタイトルのうち3つを振り飛車党が占めています。
後手番はやはり、ゴキゲン中飛車の恩恵が大きいですね。^^
始祖・近藤正和六段は神様です。^-^
**********************************************************************
さて、前回に引き続きゴキゲン中飛車vs▲3七銀急戦・超速攻の攻防を見ていきます。
今回も、テーマ図22の浮き飛車から銀を足止めする「山木定跡」の研究を載せたいと思います。
テーマ図22から△5三銀の第1図に、▲3七桂は新手筋で後手が良くなる事は解説しましたね。
(ゴキゲン中飛車vs▲3七銀急戦【超速攻対策2】参照)
そこで、▲5八金右から上部を厚くして対抗する構想できた場合の対処法を紹介します。
ここでもやはり、右銀をいじめるのが急所になります。
第1図からの指し手
▲5八金右△5四銀▲6六歩△4四歩(第2図)
◇玉頭目指して進撃
▲5八金右には△5四銀とドリブルして、▲6六歩を強要するのが良いでしょう。
ここで、▲3五歩と攻めて来るのは△同歩▲同銀△6五銀(A図)が、飛車の横利きを通しながら
玉頭攻めを見て味が良過ぎるので無理でしょう。
▲6六歩と止められては、玉頭攻めは無理なので、銀頭へと目標を切り替えます。
第2図では
①▲3五歩の仕掛け
②玉頭を守る▲6七金
の2通りの指し手が考えられます。
まずは、①▲3五歩の仕掛けの成否を探りましょう。
第2図からの指し手①
▲3五歩△4五歩▲3四歩△4二角▲3五銀△4三銀(第3図)
▲3八飛△8二玉▲6七金△7二銀▲6五歩△5三角▲6六銀
△3五角▲同飛△3四飛▲同飛△同銀(第4図)
◇先手の攻めが軽い
▲3五歩は取らずに△4五歩と突き返すのが良い。
▲3四歩と取り込まれて苦しい様ですがそうではありません。
△4二角と引いて▲3五銀に△4三銀(第3図)が柔らかい手で飛車が働いてきます。
△6四角も良さそうですが、▲2六飛と浮かれてあまり成果は上がりません。
△5六歩に▲4六歩の受けが用意されているのが大きいのです。
また、▲3五銀では▲3七銀が最善かもしれません。
以下、△4三銀▲3六銀△3四飛▲3五歩△4四飛(B図)は、互角に思います。
第3図からは▲3八飛以下、上手く行き過ぎかもしれませんが他に良い手がある様に思えません。
次は②▲6七金を掘り下げます。
第2図からの指し手②
▲6七金△4五歩▲3七銀△8二玉▲7九角△7二銀▲8八玉△6四歩(途中図)
▲7八金△6五歩▲同歩△同銀▲6六歩△5四銀▲9八香(第5図)
◇角筋を活かす
▲6七金の持久戦には、△4五歩と右銀を追い払うのが良いでしょう。
これで2手損させる事ができたので、浮き飛車に構える為に2手掛けたのが相殺されます。
そうしてから後手は玉を美濃囲いに収めます。
相穴熊を志向するのは少し危険で、△7二銀に替えて△9二香だと▲8六銀△4三銀▲7五銀
△5四飛▲6五歩△5六歩▲6六銀△5七歩成▲同角(C図)となり、不満です。
先手の▲8八玉を見届けたら、△6四歩(途中図)と突くのがタイミングです。
ここでは流石に▲8六銀とは上がれません。
つまり、角道が直射している為△6五歩~△5六歩が激痛です。
△4五歩と位を取ったのが活きています。
△6五歩は放置されても△6四飛と寄れば▲6五歩△同銀▲6六歩以下、
本譜の進行に合流するでしょう。
▲9八香で穴熊への組替えが見えてきました。
第5図らの指し手
△6四飛▲9九玉△7四歩▲8八角△7三桂▲2六銀△4四角▲3五歩△5二金左▲3七銀
△5六歩▲同歩△8五桂▲8六銀△6五歩▲8五銀△6六歩▲7七金寄△6五銀(第6図)
◇模様が良く振り飛車良し
後手は右四間の構えから仕掛けを伺いつつ、自陣を整備します。
これ以上先手は堅くならないのに対し、後手は銀冠への組替えや端歩を突く等やりたい事が多い。
そこで、先手は▲2六銀から棒銀を目指してきます。
ここで焦りは禁物。
△4四角と一度受けるのが良いでしょう。
▲1五銀は△3三角ともう一度引いて千日手にしてもいいですし、焦土戦術で△5二金左と
2筋放棄から△8五桂の総攻撃で後手が良いでしょう。
これは攻めている場所が違いすぎます。
▲3五歩に△同歩なら▲3八飛で攻めに勢いが付きますが、ここは手抜くのが振り飛車らしい。
△5二金左で将来の▲5三桂が無くなり、一安心。
▲3七銀は飛車先を軽くする手筋ですが、もう後手の攻撃陣は理想形。
あとは溜めに溜めた力を解放するだけです。
手始めに単騎の△8五桂。
以下は一例ですが、△5六歩から角筋を通すのを忘れずに。
あとは6六の地点を目標に攻め倒すだけです。
今回は以上です。
これにて山木定跡の▲7七銀型(テーマ図22)は一応の完結となります。
実戦や研究で面白い変化が出たらまた取り上げたいと思います。
次からは▲7七金型(テーマ図23)を研究していきます。
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次回の更新内容はまだ決めていませんが、丸山ワクチンはまだ一度も扱っていませんし、
二枚銀急戦も中途半端ですね。
最近は相穴熊が研究対象ですが、どれにするかは気分次第です。^^;
要望などありましたら、気軽にコメント下さい。^-^
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しばらく仕事が忙しく、研究に時間を割く余裕がありませんでした。
その間、名人戦も3局を消化し、羽生善治名人が3連勝で防衛を濃厚にしていますね。
第4局は羽生名人の先手なので、ゴキゲン中飛車は出現しなさそうですが、
ここで三浦弘行八段が持ち堪えて第5局まで行けば見られるのではないかと期待しています。^-^
さて、振り飛車党の話題としては、室田伊緒女流初段が絶好調のようですね。
今年度の勝敗を表にまとめてみました。
対局日 | 棋戦 | 後手 | 勝敗 |
4/23 | 女流名人戦B級 | △井道千尋 | 勝ち |
4/29 | 岡崎将棋まつり | ▲鈴木環那 | 勝ち |
△矢内理絵子 | 勝ち | ||
5/7 | 女流名人戦B級 | ▲貞升南 | 勝ち |
5/12 | 女流王将戦 | △野田澤彩乃 | 勝ち |
岡崎将棋まつり女流棋士トーナメントでは、矢内前女王を四間飛車で倒して優勝したそうです。^-^
この時の活躍は、週間将棋5/12号に載っているので興味がある方はこちらを参照して下さい。
最近は角道を止める振り飛車は居飛穴に劣勢なだけに、この活躍は大きいですね。
永瀬拓矢四段も三間飛車で頑張っていますし、この調子で行ってもらいたいです。^-^
ついでに、ここ最近活躍の著しい純粋振り飛車党の愛用戦法をまとめてみました。
棋士名 | 先手 | 後手 | 主な活躍 |
久保利明 | 石田流・先手中飛車 | ゴキゲン中飛車 | 王将奪取・棋王防衛 |
戸辺誠 | 石田流・先手中飛車 | ゴキゲン中飛車 | 王位戦挑決リーグ入り、現在3勝1敗(羽生撃破!!)&B級2組昇級 |
高崎一生 | 石田流・向かい飛車 | ゴキゲン中飛車 | 王位戦挑決リーグ入り&C級1組昇級 |
阪口悟 | 石田流・先手中飛車 | ゴキゲン中飛車 | 王座戦挑決トーナメント入出場&森内撃破!! |
遠山雄亮 | 石田流・先手中飛車 | ゴキゲン中飛車 | 棋聖戦本線出場 |
里見香奈 | 石田流・先手中飛車 | ゴキゲン中飛車 | 女流名人・倉敷藤花 |
甲斐智美 | 先手中飛車 | ゴキゲン中飛車 | 女王奪取・女流王位戦挑戦&先勝 |
室田伊緒 | 四間飛車 | 四間飛車 | 岡崎将棋まつり女流棋士トーナメント優勝 |
やはり、先手では▲7六歩△3四歩▲7五歩の石田流と、▲7六歩△8四歩▲5六歩の
先手中飛車(向かい飛車)、後手ではゴキゲン中飛車を採用する棋士が多いですね。
特に、女流は5つのタイトルのうち3つを振り飛車党が占めています。
後手番はやはり、ゴキゲン中飛車の恩恵が大きいですね。^^
始祖・近藤正和六段は神様です。^-^
**********************************************************************
さて、前回に引き続きゴキゲン中飛車vs▲3七銀急戦・超速攻の攻防を見ていきます。
今回も、テーマ図22の浮き飛車から銀を足止めする「山木定跡」の研究を載せたいと思います。
テーマ図22から△5三銀の第1図に、▲3七桂は新手筋で後手が良くなる事は解説しましたね。
(ゴキゲン中飛車vs▲3七銀急戦【超速攻対策2】参照)
そこで、▲5八金右から上部を厚くして対抗する構想できた場合の対処法を紹介します。
ここでもやはり、右銀をいじめるのが急所になります。
第1図からの指し手
▲5八金右△5四銀▲6六歩△4四歩(第2図)
◇玉頭目指して進撃
▲5八金右には△5四銀とドリブルして、▲6六歩を強要するのが良いでしょう。
ここで、▲3五歩と攻めて来るのは△同歩▲同銀△6五銀(A図)が、飛車の横利きを通しながら
玉頭攻めを見て味が良過ぎるので無理でしょう。
▲6六歩と止められては、玉頭攻めは無理なので、銀頭へと目標を切り替えます。
第2図では
①▲3五歩の仕掛け
②玉頭を守る▲6七金
の2通りの指し手が考えられます。
まずは、①▲3五歩の仕掛けの成否を探りましょう。
第2図からの指し手①
▲3五歩△4五歩▲3四歩△4二角▲3五銀△4三銀(第3図)
▲3八飛△8二玉▲6七金△7二銀▲6五歩△5三角▲6六銀
△3五角▲同飛△3四飛▲同飛△同銀(第4図)
◇先手の攻めが軽い
▲3五歩は取らずに△4五歩と突き返すのが良い。
▲3四歩と取り込まれて苦しい様ですがそうではありません。
△4二角と引いて▲3五銀に△4三銀(第3図)が柔らかい手で飛車が働いてきます。
△6四角も良さそうですが、▲2六飛と浮かれてあまり成果は上がりません。
△5六歩に▲4六歩の受けが用意されているのが大きいのです。
また、▲3五銀では▲3七銀が最善かもしれません。
以下、△4三銀▲3六銀△3四飛▲3五歩△4四飛(B図)は、互角に思います。
第3図からは▲3八飛以下、上手く行き過ぎかもしれませんが他に良い手がある様に思えません。
次は②▲6七金を掘り下げます。
第2図からの指し手②
▲6七金△4五歩▲3七銀△8二玉▲7九角△7二銀▲8八玉△6四歩(途中図)
▲7八金△6五歩▲同歩△同銀▲6六歩△5四銀▲9八香(第5図)
◇角筋を活かす
▲6七金の持久戦には、△4五歩と右銀を追い払うのが良いでしょう。
これで2手損させる事ができたので、浮き飛車に構える為に2手掛けたのが相殺されます。
そうしてから後手は玉を美濃囲いに収めます。
相穴熊を志向するのは少し危険で、△7二銀に替えて△9二香だと▲8六銀△4三銀▲7五銀
△5四飛▲6五歩△5六歩▲6六銀△5七歩成▲同角(C図)となり、不満です。
先手の▲8八玉を見届けたら、△6四歩(途中図)と突くのがタイミングです。
ここでは流石に▲8六銀とは上がれません。
つまり、角道が直射している為△6五歩~△5六歩が激痛です。
△4五歩と位を取ったのが活きています。
△6五歩は放置されても△6四飛と寄れば▲6五歩△同銀▲6六歩以下、
本譜の進行に合流するでしょう。
▲9八香で穴熊への組替えが見えてきました。
第5図らの指し手
△6四飛▲9九玉△7四歩▲8八角△7三桂▲2六銀△4四角▲3五歩△5二金左▲3七銀
△5六歩▲同歩△8五桂▲8六銀△6五歩▲8五銀△6六歩▲7七金寄△6五銀(第6図)
◇模様が良く振り飛車良し
後手は右四間の構えから仕掛けを伺いつつ、自陣を整備します。
これ以上先手は堅くならないのに対し、後手は銀冠への組替えや端歩を突く等やりたい事が多い。
そこで、先手は▲2六銀から棒銀を目指してきます。
ここで焦りは禁物。
△4四角と一度受けるのが良いでしょう。
▲1五銀は△3三角ともう一度引いて千日手にしてもいいですし、焦土戦術で△5二金左と
2筋放棄から△8五桂の総攻撃で後手が良いでしょう。
これは攻めている場所が違いすぎます。
▲3五歩に△同歩なら▲3八飛で攻めに勢いが付きますが、ここは手抜くのが振り飛車らしい。
△5二金左で将来の▲5三桂が無くなり、一安心。
▲3七銀は飛車先を軽くする手筋ですが、もう後手の攻撃陣は理想形。
あとは溜めに溜めた力を解放するだけです。
手始めに単騎の△8五桂。
以下は一例ですが、△5六歩から角筋を通すのを忘れずに。
あとは6六の地点を目標に攻め倒すだけです。
今回は以上です。
これにて山木定跡の▲7七銀型(テーマ図22)は一応の完結となります。
実戦や研究で面白い変化が出たらまた取り上げたいと思います。
次からは▲7七金型(テーマ図23)を研究していきます。
**********************************************************************
次回の更新内容はまだ決めていませんが、丸山ワクチンはまだ一度も扱っていませんし、
二枚銀急戦も中途半端ですね。
最近は相穴熊が研究対象ですが、どれにするかは気分次第です。^^;
要望などありましたら、気軽にコメント下さい。^-^
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参考にされている方がいる事は、私としても励みになります。^-^
最近は毎日残業で、今日も出勤でした。^^;
一度の更新で載せる量も多いのもあり、更新の間隔は空くと思いますが
どうぞこれからも応援よろしくお願い致します。^-^
さて、初手▲5六歩からの先手中飛車vs三間ですが、
結局は三間や向かい飛車に振り直す事が多い為、
一手損してしまうので先手の利を活かせていないのと、
駒組みが▲5七銀型に限定されており、守りにバランスはいいものの、攻め味に乏しいと思います。
先手である以上積極的に行きたいところなので、先手勝率としては48%のイメージですね。
コメントありがとうございます。^-^
ゴキゲン中飛車を指す仲間が増えてうれしい限りです。^^
また、当ブログでは本に載っている変化はパクリになってしまいますので、
独自の研究や最新形を中心に構成しています。
丸山ワクチンはつい最近、将棋世界5月号で取り上げられたのでパクリになってしまいますね。^^;
しかし、ご要望があるのであればお応え致します。^^
とりあえず、現段階では2部構成で載せようと思います。
お楽しみに。^-^
お忙しいとは思いますがこれからも頑張ってください!
私はゴキvs3間の相振りは3間有利と思っているのですがどうでしょうか?
最近、ゴキ中に手を出した者です。
ゴキ中を始めたはいいものの超急戦などは本なども特になく、こちらのブログはありがたい限りです。
また、次の研究が決まってないならぜひ丸山ワクチンをやってください!
解説などでは聞いていましたが、自分がゴキ中をやるようになって丸山ワクチンの手ごわさを痛感しました。
これからも更新を楽しみにしてます。