クラゲ男は市役所で働いている。かれこれ10年近くになる。
仕事柄、建設会社の担当者と関わりが多くなる。クラゲ男も最初のうちは公務員と業者の関係であったが、在籍年数が長くなると、彼ら業者たちとの関係は馴れ合いになってしまう。
もちろん、役人として業者との関わりは自重していたが、やはり気安い関係になってしまう。さすがに袖の下をもらったりするなど利益供与は無かったが、ある種の緊張感がなくなった。
先日、建設会社の宅地造成計画に対して住民の反対運動が起こった。
件の建設会社の代理人はクラゲ男と仕事上の付き合いが長い人物だった。
窓口で彼と話すと…というよりは、付き合いの長い業者とは、みんな気安くなる。
その代理人とは世間話をしただけだが、なぜか反対住民の間でクラゲ男が業者と馴れ合いの関係の上で建設会社に有利になるような計らいをしているという事実無根の噂が流れた。
上司に詰問された。もちろん「そんなことはありません。」と毅然と答えた。しかし、確信はなかった。
クラゲ男は人と話すことが好きだ。
もしかしたら例の代理人にポロッと住民の信頼を失うことを言ったかもしれない…?
市議会議員を巻き込んだ住民運動が起こっている状況で、建設会社の肩をもつような言動があったとなれば、クラゲ男に重大な責任問題が生じる。
結局、身の潔白が証明されそうだが、一歩間違えたら上司だけでなく、住民や市議会議員から糾弾されていたことだろう。
この時ほど、「懲戒処分」を意識したことはない。
この出来事を教訓に「業者とは節度もって接しよう」と思った。
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