クラゲ男のフワフワ日記

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昭和時代 遥か遠くに なりにけり

2021-12-25 22:04:59 | 日記
 今日は用事があって飯田橋へ出かけた。しかし、折角出かけるのだから用事を済ませてすぐ帰るのはもったいない。

 そこで、飯田橋周辺を散策することにした。先ず訪れたのはここだ。

 九段下駅のすぐそばにある昭和館だ。この施設には昭和初年から東京オリンピック(もちろん1964年)の頃の東京をテーマにした常設展がある。

 常設展以外に昔の映像アーカイブスや昭和の歴史に限定した図書室もある。クラゲ男は何度か訪れたことがある。

 昭和館で昭和を満喫すると腹がすいたので、蕎麦屋に入った。富士そばではない。小諸そばに入った。

 クラゲ男は小諸そばが大好きだ。チェーン展開は都内がメインで埼玉に数件あるだけだ。小諸そばを初めて食べたのはクラゲ男が高校生の頃だ。冷やしたぬきそばを初めて食べたときの衝撃は忘れていない。当時は260円だった。「こんな値段でこんなに旨いのか」高校生のクラゲ男にとって衝撃の体験だった。

 ちなみに今日食べたのは冷やしたぬきそば(二枚)と上天丼だ。二枚とは大盛りのことをいう。


 この歳になると高校生の頃のような感動は無いが、無性に食べたくなるのだ。蕎麦をすすり、海老天を味わう。
至福のひとときだ。

 満腹感と満足感に浸りながら、店を出て、今日の目的地へ向かった。目的地はここだ。

東京区政会館だ。東京23区の区政について都民に広報している施設だ。

ここに訪れたのは理由がある。
実は今年失敗した特別区経験者採用試験を来年再挑戦するため、何か有益な情報があるかもしれないと思い訪れたのだ。

 この建物の4階に図書室がある。採用試験の過去問や23区の区政関係の資料が豊富にある。

 受付を済ませて中に入ると、資料を一心不乱にコピーしている女性がいた。年の頃アラサーか?何だか、資料をもってこい…といった雰囲気で職員をアゴで使っている感じがしていい気分はしなかった。

 気を取り直して受付で渡された番号札の席についた。図書室にはあまり人が居なかったが、受験を考えているような雰囲気の人が二、三人いた。

 書棚から採用試験の過去問を引っ張り出した。過去五年分の問題をざっと見て科目ごとの出題数をメモした。

 その後、前から気になっていた「特別区職員ハンドブック」と「主任昇任試験 特別区職員~」という本をチェックした。しかし、採用試験対策には役に立つような代物ではなかった。

 自席に戻ろうとすると、例の高飛車な女に「コピーを待ってる間は自席で待ってればいいんですか?」と唐突に尋ねられた。

 いや、見ず知らずの人にモノを訪ねる時は始めに一言「あの」とか「すいません」を言うもんだろ?

 自己主張が強いと言われるアメリカ人ですら「excuse me」と言うもんだ。少しカチンと来たので、「初めて利用するからわからない」と素っ気なく言うと高飛車女は何も言わず、素通りしていった。

 何だありゃ?常識無いな…と呆れた。少しイライラしながら資料を探したが役に立ちそうなものはなかった。

 自席に戻ると、なんと高飛車女がクラゲ男の真後ろの席に座っていた。気付かれないようにそっと机にある荷物をしまい、そそくさと出ていった。

 「今日はツイてないな」とボヤキながら、神保町のシンボル的スポット、三省堂書店へ向かった。

 三省堂書店は建て替えのため、来年の春先に営業停止となる。店舗ビルはクラゲ男が生まれた頃に竣工しているので複雑な気分になった。

 三省堂書店のビルは正面よりも裏から見た方が好きだ。ビルの裏手はブロック敷きの道路が走る商店会で、おしゃれな雰囲気だからだ。


昔は「神田カルチェ・ラタン」と呼ばれ、パリの学生街「カルチェ・ラタン」を意識していたみたいだ。

確かに学生街独特のアカデミックな雰囲気がある。

 神田神保町から昭和の風情が失くなりつつある。気がつくと「令和」も来年で4年目だ。「平成」の延長線上に過ぎないと思っていた「令和」がゆっくりだが確実に歴史のひとつとしてその年月を重ねている。

 ここで一句、「昭和時代 遥か遠くに なりにけり」






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