【 イッツ・ショ～・タ～イム♪ 】

わたしは時々、お風呂から上がってからバスタオルがない事に気がつく事がある。
　
そんな時、リビングにダーリンがいれば、
　
イッツ・ショ～・タ～イム　　　　
　　

「Ｕさぁ～ん、ごめ～ん、バスタオル持ってきてくれるかな～？」

「わかった～。」


そして３０秒後。　


脱衣所の引き戸がそろりそろりと腕１本分だけのスペースきっかりに開き、

バスタオルを持ったダーリンの腕がニョキっと出てくる。


「ちっ。」　

大きく舌打ちをするわたし。


「ショーが台無しだぜっ。」


心の中でダーリンに毒づいてみせる。

いや、思いっきり声に出していたかもしれないな。



どうやら最近はダーリンも学習が出来ているようで、

先回りして先手を打ってくるようになってしまったのでわたしはツマラナイ。



だって、ダーリンが来るまでの３０秒で、

わたしはツヨポン顔負けの

『マッパ（素っ裸）仁王立ちスペシャル』で

脱衣所の引き戸の前に立ち、スタンバっているんだから。


自分で言うのもなんだけど、

『水木しげるの妖怪図鑑』に載っててもおかしくない姿かたちは

お湯もしたたる化け物女。　


これを目にしたダーリンが、

「おえ～っ。　　ぺっ、ぺっ。」てやるのを見るのが面白かったのにな～。
　

かくして学習したダーリンは、わたしの裸体が１ミリたりとも目に入らないよう、

それはそれはとても上手に、腕１本分だけのスペースから

バスタオルをよこしてくるようになったのだった。
　

　ちぇっ。（）





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