全範囲セットプレーから槙野のゴールで先制した浦和に対し、動きが堅いG大阪は攻めきれない展開が続く上に、目の前で優勝を決められたくない最下位徳島の粘りに時折肝を冷やされる展開で後半も30分を経過。
鹿島はその時点で1点ビハインドだったため、そのままだと浦和の再逆転優勝でしたが、浦和が何と終盤に名古屋から2失点。
結局そのままタイムアップとなり、G大阪が逃げ切っての優勝となりました。
ワールドカップによる中断前は4勝3分7敗で16位だったG大阪。
元々陣容はJ1クラスでJ2をぶっちぎり優勝したとはいえ、一昨年とさほど変わらないのかなあと思っていましたが、加入したパトリックと戦列復帰した宇佐美が中断明けから出色の出来。
連勝を重ねて浦和に次ぐ2位に忍び寄ると、残り4節で勝ち点差3から浦和の勝利・G大阪の敗北で一時その差が5に開くも、直接対決で2-0と完勝すると、残り2節となる33節ではG大阪の勝利に対し、浦和が引き分けでついに勝ち点63で並び、得失点差でG大阪が首位に。
結局その順位で優勝が決まったわけですが、浦和にしてみると、2007年の歴史的な大逆転でのリーグV逸に次ぐ2度目の悲劇となってしまいました。
それにしても、誰がシーズン途中でこの順位を予想したでしょうか。
終わってみると、2年前の得点は多いけど失点はもっと多いイケイケサッカーで降格したG大阪が、きちんと失点の少ないサッカーに修正し、その攻撃力を落とさずに逆転したと見る向きが多いですが、やはり一番の要因は、Jリーグが世界でもまれに見る上位と下位の実力が僅差のリーグだからと言って過言ではないと思います。
3年前の柏のJ2・J1の連破然り、同年のJ2だったFC東京の天皇杯制覇然り。
そして今年はJ2山形が天皇杯に進出し、J2リーグの昇格プレーオフは3年連続でリーグの下位が上位に勝つ下剋上。
カップ戦で優勝したチームがJ2に降格するジンクスに加え、最近ではV川崎、G大阪、磐田などのリーグ覇者ががJ2落ちの苦杯をなめています。
そしてG大阪は、天皇杯でも決勝に進出しており、2000年の鹿島以来の年間三冠に王手をかけました。
もちろん、J2から昇格後の三冠ともなれば、今後も達成が困難だと思われる大記録になると思います。
J1昇格決定戦でミラクルを起こしたJ2山形との決勝は12月13日。
久しぶりに元日でもない国立競技場でもない決勝で少し違和感がありますが、どのような試合になるか今から胸が高鳴ります。
なお、J2昇格年度にJ1を制した最初のチームである柏は、リーグ優勝後、天皇杯、ナビスコカップと3年続けてタイトルを制覇しています。
今後は「名門のJ2落ちとJ1復活」がタイトルを占うキーワードになりそうです。
ちなみにその柏、雪で順延となったリーグ最終節は、鹿島スタジアムで8日に代替え開催されます。
柏が2点差以上で勝利し、G大阪が天皇杯で優勝すると、4位になる柏がACL繰り上げ出場となるので、その試合も要注目です。
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