約2か月後に控えたラグビーワールドカップ2023フランス大会。
5月24日に日本代表36名・日本代表候補10名が選ばれていますが、今日から5週にわたり国内テストマッチ5連戦となります。
気になる初戦は若手中心のニュージーランド代表候補で編成されたオールブラックスⅩⅤ。
今回、相手はニュージーランドフル代表ではないため、日本代表側もJAPANⅩⅤとして、キャップ対象外試合になるようですが、もちろん5月24日発表のメンバーから選ばれています。
オールブラックスⅩⅤもフル代表ではないものの、9月の代表メンバーに入る可能性のある実力者を揃え、根拠はよくわかりませんが「ワールドカップでベスト8にも入れる実力」だそうで、その言葉をそのまま信じれば、世界ランク10位で前回大会のベスト8を上回る成績を狙う日本にとって結構な強敵になります。
スタジアムに到着しました。
おおっと、これはかなり前の席ですね。
前から5列目のゴール横と、見ごたえのある席です。
目の前を松島やディラン・ライリーが通り過ぎていきます。
最初色が黒い人が多いのであれ?こっちってJAPAN側じゃなかったっけ?と思いました。
中央のSH流の日焼けなんか尋常じゃないですw。
アップが終わって一旦引き上げ、そしていよいよ選手の入場です。
2019年の主力メンバーとは大きく代わり、前回大会経験者はFLリーチマイケル、FB松島、SO松田ぐらいで、サブにPR具、HO堀江、No8姫野SH流、ぐらい。
23歳のFL福井が先発、同年代のシオネ・ハラシリ、長田らもサブに名を連ねました。
国歌斉唱後、オールブラックスⅩⅤの”ハカ”が披露されました。
フル代表じゃなくてもやるんですね。
2019年以来の生ハカです。
そして、私から見て左に陣を取ったオールブラックスⅩⅤのキックオフで試合開始。
前列だけあって選手の声も聞こえるほどの迫力ですが、ハーフライン付近から向こうはちと見づらい。特にライン際。
一方でこちら側のゴールライン際の攻防は見ごたえ充分。
5mライン付近でモールで押し込もうとするJAPANⅩⅤ。
5mライン突破したか?
この1mの攻防がラグビーの醍醐味です。
しかし、この後のオールブラックスⅩⅤのDFで、ジャッカルを仕掛けるもノットリリースザボールを取られ、JAPANⅩⅤがペナルティ獲得。
この距離を松田が外すわけはなく、5分にJAPANⅩⅤが先制して3-0。
ファーストスクラムはオールブラックスⅩⅤボールで、したがその後の展開でノットリリースの反則。
続いて12分にはJAPANⅩⅤ陣内でオフサイドを取られ、オールブラックスⅩⅤのペナルティとなりますが、ショットで同点を狙わずにスクラムを選択。
この作戦がはまり、スクラムから出したボールを右に展開。日本DFラインを斜めに走って突破したSOスティーヴン・ペロフェタがトライ。
コンバージョンは風が強く外れたものの、3-5と逆転を許します。
ハーフライン超えたあたりでJAPANⅩⅤボールのスクラム。
これを右に展開しますが、オールブラックスⅩⅤのDFも堅く、ボールを持った選手に素早く2人・3人と群がって潰され、突破口を開けません。
そして、17分にはJAPANⅩⅤ陣内でホーディングの反則を取られて、今度はペナルティを選択、これを決められて3-8と差を広げられます。
しかし、今度はJAPANⅩⅤの攻撃からオールブラックスⅩⅤにオフサイドがあり、ペナルティを獲得。
これも松田が決めて6-8と追いすがります。
その後は両チームにノックオンなどの細かいミスが相次いで決定機を作れない時間帯が続きましたが、終了直前にJAPANⅩⅤ陣内で日本のスローフォワードがあり、スクラム。
そのDFからターンオーバーで逆襲かと思われましたがJAPANⅩⅤに痛恨のノックオン。
直後にホーンが鳴り、さらにそのスクラムでコラプシングを取られて、オールブラックスⅩⅤがショットを選択、それを決められて6-11で前半終了。
ちょっと細かいミスが多かったものの、リードされながらもロースコアで後半に持ち込むことは想定の範囲内だったと思うのですが・・・。
後半は開始早々にオールブラックスⅩⅤがインターセプトから独走しかけるも、ジョネ・ナイカブラが追いついてタックル。
しかしその流れで反則があり、オールブラックスⅩⅤがペナルティ獲得。
44分にショットを決められて6-14。
ここでJAPANⅩⅤは堀江、姫野、具ら前回大会レギュラークラスのFW3枚替えを敢行。
しかし、54分にはオールブラックスⅩⅤがスピードに乗った攻撃から右サイドに展開、パス交換でギャップを作られてその間隙を縫ってトライ。
コンバージョンも決められて6-21。
さらに、右サイドでこぼれ球を拾われるとラインを突破されてあっさりとトライを献上。
コンバージョンは失敗するも6-26で20点差まで広げられてしまいました。
なおもJAPANⅩⅤの守備の時間が続きます。
自陣でのラインアウトからモールを作られ疲弊していくJAPANⅩⅤ。
66分にも右サイドパス交換からDFラインを破られトライ。
スタジアムは満員の22,383人の応援でしたが・・・。
さらにさらに終了間際、日本のノットリリースからラインアウトを選択、そのままホーンが鳴って蹴りだして終了かと思われましたが、するすると左サイドを突破。
ダメ押しトライ・・・。
このコンバージョンも決まって、6-38でノーサイド
日本のテストマッチ5連戦の初戦は、ミスが相次いでノートライの6-38での完敗での船出となりました。
相手は実力的にも日本代表と同等くらいかと思われましたが、試合内容だけ見たら相手の方が全然上でした・・・。
特に後半に入ってのボールを持ってからの仕掛けは細かいフェイントでの個々の揺さぶり、斜めに走ってDFラインにギャップを作ったりする攻撃の工夫が際立ちました。
守っても、タックルではボールを持った日本の選手に2人・3人と集中し、倒すとボールをすぐさま奪いに行き、ノットリリースを引き出す等抜け目なさが目立ちました。
逆に日本は新しい戦力を試す意向も強かったと思いますが、攻撃時のパスミスやDFに回った時、特に速攻を受けた時のDFラインのギャップが目立ち、後半はオールブラックスⅩⅤにそこをつかれまくった印象です。
次は一週間後に熊本でオールブラックスⅩⅤと再選後、サモア、トンガ、フィジーの本大会出場国と連戦になります。
特にサモアは日本と本線のプール戦で同居していますので、どういうメンバー編成で臨むのか興味深い一戦になりますね。
いずれにせよ、5連戦はあくまでもテストマッチですから、それ含めてあと2か月で強度と熟成度を高め、本番であっと言わせてくれることを期待しています