「自分に正直にいこう!」

今日はどんな日?!

手術までの流れ

2006年06月10日 21時09分18秒 | 健康
仕事柄、学生が手術見学をする時には一緒に入り説明をする。勿論見学もする
つい最近も入ったので、ついつい書いてみたくなった

私は十数年一般外科病棟で勤務していた
一般の方は看護師というと、手術も必ず立ち会うと考えるが大きな病院は各セクションに看護師が居るので病棟は病棟、手術室は手術室の看護師が居るわけ

自分の手術はあまり覚えていないということが多いと思う。
そこで手術までの流れを書いてみる
個人差はあるだろうが、ここからは大体の大病院の流れ
そしてお腹の手術を対象に
自分の体験も入れたりして

手術経験者は、手術に出床するまでは大体覚えているだろう。前日及び当日に下剤、もしくは浣腸をして消化管を空っぽにする。これは麻酔によりそれぞれの臓器の機能が一旦停止するわけで、内容物があると困るわけだ。
あと剃毛。これも剛毛だけで、産毛くらいだとやらない。
出床約1時間前に鎮静及び各反射を抑えるために前投薬を行う。最近ではしないことも多いが・・・ ほとんど筋肉注射。私は経口にしてもらった。

この前投薬の有無でストレッチャーか車椅子か歩行かで手術室に向かう。

さて、ここから
まず手術台(手術室のストレッチャーがそのまま手術台になる)に乗せられる まだまだこの時点では不安がいっぱい。
あるいは開き直り 衣類は脱がされキャップをかぶせられる。
病棟看護師が手術室看護師に患者に関するさまざまに事柄を申し送り

申し送りが終了すると、いざ、手術室へ搬送。
手術室は一般に手術室というが、何例もの手術が出来るようにお部屋がたくさんある。
ちなみに家の病院は16番台くらいあったかな

手術を受けるお部屋に入ったら心電図を付けられ、術前にしていない場合は点滴がなされる
大きな手術だと全身麻酔+硬膜外麻酔が多いので、それについて
全身麻酔に併用する硬膜外麻酔はほぼ術後の除痛目的
つまり硬膜外にほそ~いチューブが挿入され2~3日留置されてそこから麻酔薬がちょびちょびと入っていく仕組み。

まず横向きにされ硬膜外チューブを挿入。挿入前の皮膚への局所麻酔がチクッとするね
硬膜外チューブが入ったら仰臥位(仰向け)にされる。
そしてマスクをされたと思うとあっという間に夢の中。

ここからは知らないよね~~
全身麻酔の代表的なものは「吸入麻酔」その中でも「気管内麻酔」がほとんど。
マスクをされて意識がなくなったら気管内にチューブが挿入され、人工呼吸器に接続。ここから麻酔薬も吸入できるようになっているんだよ
もし術後に喉が痛かったり声が出しにくかったらこれのせい。でも次第になくなる。

そして尿留置カテーテルが挿入され、電気メスを使用の場合は感電しないように対極版が大腿後面に貼られる。
両手はしっかり台に乗せられ体から離れたカタチになる。点滴の反対側に血圧計が巻かれ、指には酸素飽和度を調べるものが取り付けられる。
狭い手術台になので転落防止のために抑制帯が装着される。
体の下には長時間の同一体位に備えて、スポンヂやムートンが敷かれる。
低体温防止にはウォーマーマットというものが掛けられたりする。

つぎに体位。婦人科は診察の時みたいな体位をとる。最初からの場合もあれば最初だけと言うこともある。手術前あるいは後に膣洗浄するからね

手術に必要な機械類が出てきて、医師たちと直接看護師は手洗いをして滅菌したガウンを着る。(直接看護師とはメスなどを渡す人)
「それでは始めます」
の医師の一声で室内の時計が秒数を刻み始める
消毒をして皮膚にメスが入る。

手術が進み、途中で怪しいことがあると細胞やリンパを切除して直ぐに病理に出し、その結果で術式が変更あるいは拡大することもある

手術が終了すると麻酔を切り、気管内に入っているチューブを抜管する。
そして声をかけられると意識がだんだんもどってくるというわけ

私の場合、まだチューブが入っている時に声をかけられ声を出そうとしたが出せるわけない。苦しかった 
咳をしたかったけど出来なかった。くるじい

手術が終わると状況によりICU(集中治療部)に直行するか、病棟に戻る 病棟に戻るときは手術室にあるリカバリールーム(回復室)で呼吸や血圧、脈拍等の状況、麻酔の覚醒状況を確認してから病棟に連絡して看護師が迎えに来るのを待ちます

以上、長くなりましたが手術の流れ
大まかにね 私の知ってる限りのことですから