わたしは人間関係を作るのが苦手です。
あいまいであったり、うわべだけであったり、
そんな付き合いが嫌でした。
とことん本音で向き合いたいわたしは、
大人の付き合いができません。
そのため自分にとって不都合なこともそのままにしたり、
相手の大人対応を不誠実だと感じて、
相手の人を敬遠したり、嫌ったりしました。
そんなわたしの人付き合いは、
両親の人付き合いの仕方や、妹やわたしへの教育が、
少なからず影響を与えたと思います。
自分の評価を高くしたいためか見栄を張り、
小さな嘘をつくことが多かった父。
それをそばで見ているのは子供心にも苦しかった・・・。
そのたびに、
わたしは嘘はつくことはしない!
と、思いました。
母は物事を受け止め我慢する人でした。
とにかくワンマンな父と毎日対峙しているので、
そうすることが家庭内を安定させる、
そう母は思っていたのでしょうか。
そして、そんな母を見ていたわたしは、
我慢するのは止めよう!
と、決心しました。
わたしのような付き合い下手な人間でも、
若いうちは何とか世間を渡っていけます。
体も頭も自分で使い行動できます。
でも、老化するにしたがって、
自分以外の人に助けてもう必要が出てくるようになります。
役所で住民票の申請の仕方を係の人に聞いたり、
電車で人から席を譲られたり、
迷路のような地下街の道を近くの人に尋ねたり、
いろいろな人に助けられていくようになります。
父は自分から相手に話すことが不得意でした。
父のことをよく知っている人が、
父の事を聞いてくれれば、
得々と、延々と、自分の事ばかりしゃべり続けました。
それは認知症になってからも変わりませんでした。
入浴のデイサービスを受けていた父の様子を、
見に行ったことがあります。
10人ほどの利用者さんが椅子に座って、
みなさんそれぞれにおしゃべりをしながら、
自分の番を待っていました。
そのとき父は憮然とした表情で、ひとりポツンと座っていました。
若い時からの人付き合いの下手なまま歳をとった父。
そんな父を見て哀れに思いながらも、
その姿を自分自身に重ねてしまいました。
わたしはかわいいおばあちゃんになれるのだろうか。
わたしを助けてくれる人に、素直にありがとうを言えるだろうか。
いやいや、やらねばならない。
ひとりで生きていくために、やらねばならないのです。
いいんじゃないでしょうか?
無理はしたくありませんが、わたしのあるがままはひどいので、ちょっと努力してみます。