乗っていたバスが、もうすぐ駅というときでした。
ブーブーブーと大きなクラクションが鳴りました。
それも2回です。バスの前方を見ると、
杖をついた高齢の女性が道路を横切っていました。
その前にもう一人走っています。
こちらは反対側に渡り切っていました。
前の人につられて一緒に渡ってしまったのでしょうか。
バスがスピードを落とさなければ、
完全にその高齢者はバスとぶつかっていました。
信号まで30メートルぐらい、
65歳のわたしならなんて事のない距離ですが、
杖をついた高齢者には少し大変な距離なのでしょうね。
でも、そのために命を失ったり、ケガをしたりしたら、
時間の短縮や、足の痛みと不便さもの解消も、
全てが無駄になってしまいます。
「このごろ、ホントに高齢者が増えましたよね」
「ホント、オレも最近そう思ってました」
「地元を見渡しても、昼間は高齢者ばっかり」
「この間、免許の更新へ行ったときそう感じました。
それでね、問題なのは係員の人の質問に答えられない人の多いこと。
もう一回言ってくれなんて言ってんですよ。
運転中にとっさの判断はできるのか?それで!」
きょうのバスのクラクション事件で、
先日美容室でのおしゃべりを思い出しました。
バスの前を横切って走って行った人は、
70代後半ぐらいだと思います。
わたしもあと10年から15年すると、その年代になります。
そのときのわたしは、
今のような気持ちを持ち続けられているのでしょうか。
それとも、痛い膝を引きずりながら、
自動車との距離感をつかめないまま、
信号のない大きな通りを渡っているのでしょうか。
体も、心も、頭も、自分が老化していくことは実感しています。
でも、その実感が少しずつ、
薄れたり、ずれていくんだと思います。
最近わたしは、同じ話を何度もしてしまうことがしばしば。
それは、自分の話していることが、
相手に伝わっているかどうか判断できずに、
繰り返し話してしまうという老化現象だそうです。
そう言われてみれば、
わかってるのかなこの人・・・って思うことありました。
老化現象は実感できるものばかりではないようです。
自分は自動車にぶつからないんだ、
この道路は渡り切れるんだ、
という風に緩く鈍くなっていく判断力に、
効く薬はないものでしょうか。
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