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もしも、『仕置人』から『仕事人』への流れが江戸時代後期に3回あったら

◇中村主水の裏稼業のキャリアは「仕置人」で始まって、「仕事人」で終わった。
そして、「仕事人」以前の「仕留人」、「仕置屋」、「仕業人」、「商売人」はすべて「仕置人」の延長である。

【壱】『必殺仕置人』→『暗闇仕留人』
【弐】『必殺仕置人』→『必殺仕置屋稼業』→『必殺仕業人』
【参】『新必殺仕置人』→『江戸プロフェッショナル・必殺商売人』

ところが、時代設定を考えると、『暗闇仕留人』が黒船来航時、『必殺仕置屋稼業』は天保、『新必殺仕置人』では文化・文政で、その前の『仕業人』も『仕置屋』の続編だったはずが、文化・文政になってしまった。少なくとも、『仕置屋』は『仕留人』の続編とは考えられず、『仕置人』の続編を作り直した作品のように見える。

◇ここで、少々、強引だが、『仕置人』→『仕置屋稼業』→『仕業人』→『新仕置人』→『商売人』→『仕事人』の流れが文化・文政、天保、幕末のすべてに計3回あったと假定してみる。そして、『仕留人』は黒船の時代というのが動かせない事実なので、幕末のみ、『仕置人』と『仕置屋』の間に『仕留人』が入ると考える。文化・文政の『新仕置人』は年号(元号)が文化から文政になった1818年(文化15年=文政元年)の出来事と考える。天保の『仕置人』の場合、棺桶の錠がアヘン戦争の直後に出現しているので、その前とする。
◇そして、作中での年月に関する細かい設定は除外して、毎年、1年たつごとに新たな裏稼業が始まったという假定をする。すると、このようになる。

◆文化・文政◆
1815年『仕置人』の時期。北町奉行所同心・中村主水が鉄、錠、おきん、半次と裏稼業開始。
1816年『仕置屋稼業』の時期。主水が北から南町奉行所に異動。
1817年『仕業人』の時期。主水は小傳馬町牢屋見廻り同心。
1818年『新仕置人』の時期。主水は定町廻りに復帰。鉄と再会。虎の元締が江戸の裏世界を仕切る。
1819年『商売人』の時期。
  〃  『仕事人V旋風編』で主水がオランダ商館から表彰される。
      虎のむすめ・お玉が主水の仲間。
1820年『仕事人V激闘編』の劇場版『裏か表か』もこの時期か。
  〃  『仕事人2007』で主水が書庫番に異動になったのもこの時期。
1828~
1829年『勢ぞろい仕事人!春雨じゃ、悪人退治』の時期。シーボルト事件。

◇主水は『旋風編』で「8年前、虎の元締から銀平の話を聴いた」と語っていた。これは1811年のことか。そうなると時代が合わないが、作中で語られる年月は矛盾だらけなので、仕方がない。

(◆天保初期)
(1835年『仕事人V激闘編』、ハレー彗星接近)
◇非主水では『必殺からくり人』がこの前後の1832年(鼠小僧処刑)から1839年(蛮社の獄)までの時代を描いている。さらに『必殺まっしぐら!』第8話「相手は大阪の大塩平八郎」は1837年の大塩の乱を起こした大塩平八郎の時代を描いているものと想われる。
ネットで検索すると時代設定は乱があった年の4年前、1833年(天保4年)だったらしい。
Yahoo!Japan必殺まっしぐら! 天保4年 大塩平八郎で検索

◆天保(ただし、1840年以降)
◇『仕置人』から『仕事人』までの裏稼業の変化が1年ごとに起きたとしてみると、問
1840年『仕置人』。主水が鉄、錠たちと組む。
1841年『仕置屋稼業』(→『仕業人』?)。
  〃  『仕事人vsオール江戸警察』。
1842年『仕業人』。
  〃  『新仕置人』。江戸の元締が虎。
  〃  『商売人』。
  〃  初期『仕事人』。江戸の元締が鹿蔵に。
  〃  『仕事人大集合』(『仕事人III』)。大坂の裏世界を虎が仕切る。錠が勇次を助け、おりくと会う。主水とも再会か(作品では描かれず)。
  〃  『仕事人アヘン戦争へ行く』(『仕事人IV』)、おりくが勇次と再会。
1843~
1844年『仕事人意外伝』(『仕事人V』)。主水が花屋の政、組紐屋の竜と組む。
1844年『仕事人vsオール江戸警察』、主水が鳥居耀蔵を暗殺。

◆幕末直前
1849年『主水死す』。

◆幕末◆
1852年『仕置人』。主水が鉄、錠、おきん、半次と組む。牢名主が天神の小六。
1853~
1854年『仕留人』。主水がおきん、半次と再会。ここまで主水は北町同心。
1854年『仕置屋稼業』。ここから南町同心。
1855年『仕業人』。牢屋見廻り。
1856年『新仕置人』。定町廻り復帰。主水が鉄と再会。江戸の元締は虎。
1857年『商売人』。
1858~
1860年『必殺仕事人ワイド大老殺し』(『仕事人V風雲竜虎編』)。虎のむすめ・お玉は江戸を離れ、代わりに加代が主水、政、影太郎に協力。
1863年『大暴れ仕事人!横浜異人屋敷の決闘』。
1866年『ブラウン館の怪物たち』(『仕事人V』)。
1868年『大暴れ仕事人!横浜異人屋敷の決闘』(主水が鳥羽・伏見の戦いに出陣)。

◇非主水では『必殺からくり人・血風編』が1868年、年号が明治になる前の慶應4年の江戸を描いている。

◇1835年(天保6年)、ハレー彗星接近当時の主水は「天保の主水」に入り、1801年(寛政13年、享和元年)生まれで数え年35歳になる。「天保の主水」は1849年(嘉永2年)に没したようだ。しかし、主水の裏稼業のキャリアが『仕置人』で始まって『仕事人』で終わったことを考えると、1835年の主水は「文化・文政の主水」が天保の最初まで裏稼業を続けていた結果とも解釋できる。そうなると、1835年の主水は1828~29年(文政11~12年)のシーボルト事件のときの主水と同一人物で、1781年(安永10年、天明元年)生まれで、1835年当時は55歳になる。そうなると、1841年(天保12年)以降の「天保の主水」とは別人かも知れない。
◇ただ、中村主水年齢変遷では文化・文政、天保、幕末いずれの時代の主水も「裏稼業が30代に始まって40代の末(50歳直前)で終わった」と考え、1835年の主水を「天保の主水」と解釋した。
◇闇の会は『激闘編』のときに始まって『オール江戸警察』の仕事人狩りで壊滅状態になっている。もっとも、1828~29年のシーボルト事件のときにも存在し、少なくとも新撰組ができた1863年(文久3)までは存続していたようである。

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