星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

コクーン歌舞伎 東海道四谷怪談 南番  □観劇メモ

2006-03-25 | 観劇メモ(伝統芸能系)
 公演名 コクーン歌舞伎
四谷怪談 南番
 劇場 シアターコクーン
 観劇日 2006年3月19日(日) 11:30開演
 休憩 15分
(この日はカーテンコールまで
入れて全3時間15分)
 座席? 当日券・立ち見A
(中2階バルコニー席後ろ)


先週のプライベートツァー3公演目の観劇は「東海道四谷怪談」。
私には初めての四谷怪談で、アドレナリンがいっぱい出ました。もう怖いやら、
おかしいやら、仕掛けがすごいやらで。ハッキリ言ってかなり面白かった。
立ち見席から見ていると、場内のキャーキャー、ワァワァ、バクバク・・・な
騒ぎが手にとるように見えてホントに楽しい。特に、前方の平場席。

休憩をはさんで、1幕と2幕。
(↑ 芝居の構成<序幕、第二幕目、第三幕目、大詰め>と混同しないように。 )
ストーリーをしっかり見せてくれるのが1幕。登場人物のそれぞれの身分や立場、
お互いの関係、出来事がきちんとここで語られる。
休憩後の2幕では、スペクタクルな見せ場がいっぱい。その瞬間を見逃したらダメ!
的なシーンが次から次へと押し寄せる構成になっている。

この<南番>のほうは12年前の初演をベースにしながら、演出家の串田和美さん
が若干手を加えてバージョンアップしたものだそう。
演出上のネタバレは極力避けたいので、少しだけ・・・。
水をふんだんに使った舞台装置はやはり見もの。立ち見席なので上のほうから見
ると泡立つ水面が見えるため、つねに何かが起こりそうな期待感がかきたてられ
ドキドキした。
2幕の雪を降らせるシーンもきれいだった。勘三郎さん演じる佐藤与茂七と橋之助
さん
の伊右衛門のスローモーションな動きと相まって、殺陣の見せ方として私に
は新鮮なビジュアルだった。

途中で入る笹野高史さんの作品解説もよかった。
この時はWBCの準決勝進出がかかった韓国戦の真っ最中だったので、「ただいま
5対0で日本がリード」などという報告もあって盛り上がった。
扇雀さんのお袖も色っぽく登場。ここで笹野さんと扇雀さんのお話をしっかり聞
いておくと、さらに2幕の続きが楽しめるという流れ。

それにしても四谷怪談、ここまで理不尽な話だったとは。人もカンタンに死ぬし。
そのありえなさがいかにも芝居って感じなのだけど、逆に小道具の使い方や演技
の細やかさにリアリティがあるので、派手さのない場面もそれなりに楽しめた。
1幕では、お岩がだんだん悲惨な状態になっていくまでの時間のかけ方がすごい。
お歯黒を塗る、髪を梳く、という最大の見せ場での勘三郎さんの手つき、仕草、
声のもらし方などあまりにリアルなのでついつい引き寄せられてしまう。
本当の怖さはここにあったのか、という思いだった。
女が化粧をするという儀式を、こんなふうにショーアップすることを思いついた
鶴屋南北という作家も男なら、その場面をどう演じるかに心を砕いてきた歌舞伎
役者たちも男なのだというところにつくづく感心してしまったのだった。
一方、橋之助さん演じる伊右衛門。人生再浮上のチャンスに懸け、お岩に悪態の
限りをついて、結局はああいう運命に。ヒール役ではあるけれど、悪人というよ
りも心が弱かっただけなのかなとも思う。
そして、橋之助さんの見得はいかにも歌舞伎らしいカッコよさ。見得を切る回数
も半端じゃないんだよねー。ここまでされるとホントにカッコいいな。

○当日券メモ
朝8時前には劇場外のシャッターがしまっていて誰も並んでなかったので、お茶を
飲んで9時頃にいったらシャッターが開いてすでに数人が並んでいた(汗~)。
持参の折りたたみイスにすわって待つ。
11時半開演のチケットは10時半に販売開始。事前に説明があり、空席は1階後方の
補助席のみとのこと。それもすぐに売れ、中2階バルコニー席の立ち見となる。私が
選んだ右側からは、頻繁に下手花道から登場する役者さんの顔がよく見えた。その
代わり2幕の最初と途中、役者さんが上手から登場した際の動きが見切れてしまった。
(各座席の見え方については事前に説明あり。)
途中15分休憩はあるが3時間強の立ち見はけっこうツライ。女性はローヒールに限る。
私の場合、北番のチケットを都合で手放し、観劇をいったんはあきらめたけれど、
思いきって南番の当日券に並んでよかった。大満足♪

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4 コメント

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このお話に限らす・・・。 (かずりん)
2006-03-27 00:00:23
このお話に限らず、ストーリーが凄そう。

歌舞伎って・・・。私もまだまだ初心者なので

なんだか、頭がついていかない状態です。

・・・いいのか?それで~~~!!みたいな話の

てんこ盛り状態みたいだよ。

死ぬは、裏切るは、近親相姦あり、え~~!他人じゃ

なかったの・・なんてお決まりみたい。

このお話も、『仮名手本忠臣蔵』の話続きの、そして

近親相姦ありのお話らしいですよね。

パンフレットに書いてあったけど・・・。

読んでも複雑すぎてよく分からん(笑)



まあ、そんなこと知っても知らなくても

楽しめちゃったとこが、ますます歌舞伎凄い!!に

繋がるんですが・・・(笑)
返信する
ほぉ~ (ムンパリ)
2006-03-27 19:43:57
たしかにシェイクスピアも歌舞伎も「そんなアホなぁ~」っていうことが多くてビックリしますね(笑)。昔はそういうのになじめなかったんだけど、そういう極端なお芝居の楽しみ方が最近ようやくわかってきたような気がするなあ(笑)。今回もイヤホンガイドがないのにすっごく楽しめました。

勘三郎さんは「野田版 研辰~」以来2度目なんですけど、エネルギッシュな人だなあと感心してしまいます。
返信する
初めまして ()
2006-04-01 23:08:07
麗と言います。

私も先日観に行ってきました!

知ってるようで知らなかった「四谷怪談」のお話を素直に楽しんできました。

お岩の恨みつらみに共感し、色々な仕掛けに驚き、

最後には、もうお祭り騒ぎ状態で本当に楽しかったです。



ムンパリさんの過去の観劇レポも拝見しました。

私も同じ作品を幾つも観てるので、楽しませて頂きました。



後ほどTBさせて頂きます。

これからもよろしくお願いします!
返信する
はじめまして♪ (ムンパリ)
2006-04-06 01:27:16
麗さん、ようこそ。

四谷怪談は私も知ってるようで知らない事が多くて、すごく新鮮な気持ちで観劇しました。

お祭り騒ぎ!ほんとにそうでしたねえ。特に平場席がねっ(爆)。これが歌舞伎なら、またドンドン行きたくなりますよね~。

麗さんのブログも楽しく拝見いたしました。こちらこそ、これからもどうぞよろしくお願いします。

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