コクーン歌舞伎をやっている館内のカフェで、パルコ歌舞伎のことが話題に
なっていた。今ちょうど渋谷では2つの歌舞伎を同時に楽しめる限定期間み
たいなもの。その機会を利用して、私も土日の間にハシゴしてみた。
まずは「決闘!高田馬場」から。
25日にTV放映を見る友人たちのためになるべくネタバレしないように・・・。
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勢いでイッキに2時間
あらすじをごくごくカンタンにいうと・・・。
ケンカ安兵衛の異名をとる中山安兵衛は、いまは浪人の身で長屋暮らし。あ
る時、叔父である菅野六郎左衛門が果たし合いをすると知って、その助太刀
をするために高田馬場まで駆けつける。舞台は果たし合いに向かうまでの、
安兵衛と長屋の住人たちとのやりとりを中心に描いた人情喜劇、という感じ。
席について、始まったらそのままダダダーッと行ってしまった。
歌舞伎のことはシロウトの私にはわからないが、私自身は三谷幸喜さんのお
芝居として笑って楽しめた舞台だった。全体としては喜劇だけれど、ほろ苦
さもしっかり効いている。
細かいところでは、瞬発力で勝負するギャグや小ネタがかなり多く、舞台装
置にも遊びがけっこうある。
そのあたり歌舞伎を知っている人が観れば、たとえば軽妙な洒落とか何かの
パロディになっていたのかもしれない。でも、そんなことがわからない私も
単純におかしくて笑った。どんな観客もすぐに楽しめる。きっとそれがパル
コ歌舞伎なんだろうなと勝手に納得。
<早変わり>の面白さなら私にもわかる。一人の役者さんが二つ以上の役を
演じる時などにいかに早く別の役になれるか。フツウならあまりの見事さに
思わず拍手喝采・・・となるところが三谷流はちょっと違っていた。
早変わりの演出でハズして遊んでしまうところがこの舞台ならでは。
三谷さんは今回、市川染五郎さんとその仲間たちのためにこの仕事を引き受
けた、と書いてあったが、実際に観ていて感じたのはその仲間の役者さんた
ち全員のチームワークのよさとサービス精神、茶目っ気。みんなが同じ方向
を向き楽しみながら舞台に立っている様子がわかる。
役者さんは濃いキャラばかりで全員印象に残ったが、特によかったのが中村
勘太郎さん。今回の作品の<ほろ苦さ>担当という感じで、安兵衛のことが
好きだからこその葛藤を全身で演じている。笑いとシリアスの間を器用に行
き来できる役者さんだなあと思う。
市川亀治郎さんは<歌舞伎の様式>担当みたいな役どころ。安兵衛の幼なじ
み小野寺右京が明らかに浮いた存在なのがおかしかった。女形も入れて三役
こなしてしまうのはさすがに感心した。
主演の市川染五郎さんはおいしい二役。飲んべえな安兵衛に加え、登場した
だけで笑いを誘う道場主、中津川という強烈キャラ。お笑い面、切なさの面
では十分楽しませてもらったが、染五郎さんについては新感線の舞台のよう
な殺陣や、見得というのか、これ見よがしのカッコよさの演出がもっとほし
かったなあ。
パルコ歌舞伎では意図的にそういう演出を避けていたのかな、とも思う。
この日は客席で、松たか子さんも観劇。花道を役者さんが通る時に松さんに
手を合わせたり、染五郎さんが通った時には立ち止まって「お兄さん、がん
ばってるよ!」と声をかけたりした。
そんなことが全く違和感のない舞台で、そのたびに観客は大喜びだった。
パルコ歌舞伎「決闘!高田馬場」の記事から(このブログ内の関連記事)
白夜の女騎士/決闘!高田馬場@めざましテレビ(このブログ内の関連記事)
さすがにリアルタイムで見ていられない時間なので、しっかり録画予約してあります。
地方者にはありがたい、今週はWOWOW三昧です。
感激だわ~~!
私も『高田馬場』そして『東海道・・』(南)でした。
両方良かったですね~~~!!
なんだか、観に行くもの似てますよね~~♪