星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

功名が辻 第12回おぼえがき

2006-03-27 | 復活「2006功名が辻~今週の一豊さん」

第12回「信玄の影」(3月26日放送) ●公式サイト
「2006限定~今週の一豊さん」は毎月曜日に更新予定。週末に予定が入った場合は遅れることもあります。

今週の殿。秀吉軍に参加して浅井攻めの待機中に、なぜか本戦と無関係な戦いを
繰り広げるハメに。小りんに迫られ、六兵太と対決するシーンで、妻への思いが
意外な形でクローズアップ♪
ドラマの背景としては、織田軍を影で脅かす信玄の存在が大きく浮上。これに意
を強くした足利義昭が織田軍討伐へ動くという大胆さ。が、それも信玄の死によっ
て形勢は逆転、将軍義昭は追放の身に。足利将軍家は終焉を迎えたのでした。

■無言の会話
今回ついに治兵衛が人質に。そのことを告げなければならない時の殿の顔・・・。
一豊がまず治兵衛に目をやり、千代のほうに顔を向ける。その沈鬱そうな表情で
すべてを察した千代が治兵衛のほうを向く。千代を見ていた治兵衛が歩み出る。
子供が戦の犠牲になるやりきれなさが無言の表情ににじみ出たシーンでしたね。

■斬れ斬れ斬れ斬れ
殿が「そのおなごは顔見知りの者じゃ」と言った時の新一郎の「え?」には笑い
ましたよ。 一豊にとって小りんは、なかなか手強い相手のようですねー。
でも、執拗に自分の追っかけをする小りんのことをハナから邪険にするでもなく、
やっぱり、一豊さんにとって忘れられない女であることには違いなさそう~。
「逃げなければ斬るぞ!」に「斬れ!斬れ斬れ・・・」と騒ぎ立てられ、「抱い
て」と言われれば「離れろ!」と突き飛ばす。「お前とはもう逢わんと決めたの
じゃ」は、ほとんど自分に言い聞かせているとしか思えませんっ!!(笑)
小りんが一豊をたぶらかす<魔>の存在とするなら、千代は一豊にとって<聖>
の存在。今回、千代の名前を口にする(唱える)と、まるで耳なし芳一の体に書
いた経文のような力が働いて、<魔>の小りんが退散した感じに見えました。
それはそうと、吉兵衛が小りんのことを取次いだ時に「逢わん!」と、すっくと
立った一豊さん。観音立像か十二神将のような美しい立ち姿でありました♪

■六平太との対決
老僧に扮した六平太との対決は、錫杖を使った珍しい立ち回りが新鮮。
押す、引く、突く、刺す、のような、呼吸一つで相手を追いつめてゆく緊迫感の
ある戦いについ、じっと見入ってしまいました。一豊の迫力。六平太の敏捷性。
しかも、絡みながら込み入った取引話もしてるという、難易度の高い戦い(笑)。
この撮影をとても楽しんだらしい、雑誌のお二人のコメントも思い出しました。

■千代が言うた
六平太との闘いの最中に、魂を売れ、取引せよ、と誘われ「断る!!」と間髪を
入れず返す一豊。(この時の眼がスゴイ!)
わしは日輪のもとで堂々と功名を立てる。そういう男でないと立身はできぬと
女房が、千代がそう言うた
」。
小りんに頼られ、自分はそんなに強くはない、と答えたあとに
「だが、わしには天運がついておるのじゃ。その天運がわしを守ってくれておる
・・・千代がそう言うた
」。
普通の男なら、ましてや戦国の武将なら<千代が言うた>の部分はグッと飲み込
むものと思うんだけど、なぜ言ってしまったのか? 殿もきっとそんな時に千代
の名前が出てしまったことに自分自身がびっくりしたのでは?
「千代が言うた」という言葉は、その時はただ事実を言っただけかもしれないけ
れど、その文言はいつのまにか一豊の体に深く染み込み、ある時は行動の指針と
なり、ある時は自分を励ましてくれるほど、心に寄り添ってお守りのような存在
になっていたんだなあ、と。そう思うとじーんとするものが。
のちに千代の手柄は千代のもの、自分の功名は妻の支えのおかげと周りに公言し
てしまう殿の原型が、無意識の<千代が言うた>に芽生えていたのかも。

■忍びの二人・パート2
お堂前といえば忍びの二人。小りんがすわればスッと出てくる竹の皮に包んだお
弁当 from 六平太。前回は小りんちゃんの指が御飯粒だらけになって気の毒だっ
たけれど、今回はお餅のような食べやすいものに変わってましたね。
それにしても六平太と小りんの、若いのにまるで倦怠期の夫婦のような冷めた口
調の会話(笑)。この空気、たまりません~。二人は原作ではたしかいとこ同士
なんだけどなあ。この先またお堂前で二人の会話が聞けるのか、気になります。

■光秀と義昭
ドラマの終盤、義昭の擁立に半生をかけたという光秀の無念の涙が胸に迫りまし
た。三津五郎さんの表情がイイですねー。信長の命に従い、自ら義昭討伐の大将
になってしまった光秀という男。乱世を生き抜く術とはいえ、いつも心と行動が
バラバラで見ていてつらくなります。こんなところから少しずつ破綻をきたして
いくのでしょうか。
義昭といえば、三谷さんってご自身の演技も三谷ワールドなんですね~~~。
ペーソスのたっぷり入った笑いで、足利家の最後の幕引きとなりました。

 

今週もございませぬ~~


今後のメディア情報 次回の記事アップまで随時追記中。
TV
★気になる共演者・関係者出演番組

3月27日現在、情報なし。 
※「土曜スタジオパーク」は毎週要チェックですが、4月1日は高校野球中継のため
放送休止。「スタジオパークからこんにちは」も生放送は4月4日から。
※4月1日の土佐二十四万石博のイベントは当日や翌日のニュース番組、地元ローカ
ル番組を要チェック。

雑誌・新聞 
●「月刊TVnavi」5月号(3月24日発売)
連載<上川隆也の 一豊 辻の向こうから。>(隣のページに<今月の功名が辻>)

「NHKステラ」には毎週、功名が辻の記事が掲載されています。その中の
ステラ「先物」情報
もチェック。
※「TVガイド」「歴史読本(月刊)」でも毎号、功名が辻の記事を掲載。
 

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2 コメント

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またお邪魔しちゃいます (しろう)
2006-03-28 01:29:17
ムンパリさんのお話がとても面白いので、また出てきてしまいました。

千代の言葉が「耳なし芳一」の経文とは・・ナイス!です。最高!黄門さまの印籠(しろう愚案)より効いてます。(笑)

「会わん!」の立ち姿、表情。わたしも注目しました。・・なのに~。やっぱり行ってしまったわ。



一豊の台詞は、ひとつひとつにすごく彼の人柄が滲み出るような言葉を選んで作られているなあ、とよく思います。それを上川さんが上手く汲み取って表現されるので、ますます一豊像が鮮明になりますね。ひいき目といわれかねませんが、千代よりずっと一豊の方が、人物として生きていると思います。



光秀について「心と体がバラバラ・・」

そう!そういう言い方ぴったりですね。わたしも

なんと表現したらいいか悩みましたが、すっきりしました♪

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どうぞどうぞ! (ムンパリ)
2006-03-28 12:21:34
しろうさん、おいでやす(笑)。私もあの素敵な立ち姿のあとで、小りんを探しに行く殿にツッコミ入れときました。

上川さんはほんとに何を演じてもその人物になってしまうので、台詞が台詞に思えないくらいですね(笑)。イキイキしてます。

光秀はいま辛うじて持ちこたえている状態なんでしょうね。

来週はウウ~ッですね。じっと見守りましょう、殿の経文となって(笑)。
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