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星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

七月大歌舞伎 昼の部 通し(1)

2010-07-29 | 観劇メモ(伝統芸能系)
観劇日    2010年7月25(日)
劇場     松竹座
座席     1階1列



一、妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)
三笠山御殿


1週間前に幕見で観てこれが2回目。最前列だとやはり見えるものが違う。
求女と橘姫の二人がと~ってもステキだった。
だけど求女は橘姫が自分を好いているのをいいことに、入鹿を滅ぼす
ために結婚するのがミエミエ、というかハッキリ言っちゃっている!
段治郎さん、ええ男オーラばっちり。でもキレイな顔してムゴイ(笑)。
春猿さん、愛する人の敵の妹という苦しみがちゃんと伝わった。
三笠山御殿の場は、全員が周囲の目と耳を気にしながらもエライ大胆
な事をやっちゃったり言ったりするのが面白い。

そして、やっぱり私は浄瑠璃が好き。
特にお三輪が嫉妬のために凄い形相に変わっていく場面。
愛太夫さんの「おみわ、きっとふりかえり~」のあたりから、役者さん、
浄瑠璃、三味線の絡みにゾクゾク。

花道に出たお三輪がだんだん変わってゆくのがコワイ。
「男は取られその上に、まだこの様に恥かかされ・・・」
髪をふり乱し太い声になり「おのれおめおめ添わそうか」と、本舞台の
ほうを振り返って睨みつけ、こんどは御殿めがけて突き進んでゆく。
そこへ現れた鱶七。大きなまなこ♪
(お三輪に気をとられ、なんと鱶七の出の瞬間を見逃してしまった。)
「コリャ待て女」と髪の毛をつかんで鱶七、お三輪の脇腹に刀をグイッ!!
んんもうっ、ナンチュウ乱暴なオッサンや~。
ここから後のお三輪は、鱶七実は金輪五郎の語りによって、恨み一辺倒
から急転。体に苦痛を負いながら逆に、好きな人のために死ねるという
幸せな想いに満たされてゆく。
孝太郎さんはこの感情の起伏を豊かに表現していて、凄くよかった。
「たとへこの世は縁薄くとも、未来は添ふて給はれ」の台詞は
「おのれおめおめ添わそうか」と対になっていたのか。
もう目が見えぬ・・・のあたりから、見ているこちらもじ~ん、涙涙の
お三輪ちゃんの最期でございました。

鱶七がお三輪に語って聞かせる台詞は乗り地になっていた。腰掛けた状
態での力足などで義太夫狂言らしさを表現。
入鹿の力を弱めるには、瓜黒の鹿の血潮と疑着の相の女の生き血を混ぜ、
笛に注ぐ。その笛の音色を入鹿が聞くと正体を失うという。
お三輪が息を引き取った後には右手で拝み礼を尽くす鱶七。
愛之助さん、今回は骨太な役できちんと存在感を示して立派だったな~。

立ち回りの場面。
鱶七がシマシマの衣装を脱ぐと、びかびかの錦の衣装の金輪五郎が!
目がギョロギョロして、ヘアスタイルもフワーッとして独特。
金輪五郎に三度ほど絡む力者は猿琉さん。
袴をはいたままクルッ、クルッとうまく決まっていた。
特に、階段途中から舞台上に回転しながら降り立った時は大拍手。

最後は花四天が出てきて金輪五郎を取り囲んだところで、幕!
入鹿が登場した浪花花形の舞台とはずいぶん演出が違っていた。


二、大原女(おはらめ)
国入奴(くにいりやっこ)


大原女/奴:翫雀

京都の町へ薪を売りに出て来た大原女の可憐な姿から一転、奴姿となっ
て軽快でリズム感溢れる踊りを見せる、長唄の舞踊。
おかめの面をつけ、鄙びた中にも色っぽい女心をのぞかせて愛嬌たっぷ
りに踊る大原女の前半と、毛槍を振ってお国入りの勇ましさを見せる後半。

(公式サイト「歌舞伎美人」より引用)

ふっくらした体つきにおかめの面をかぶった姿は大原女。
物売りをしたり、ときどき自分の顔をネタにしているらしいユーモラスな
動きもあったりして楽しい。
衣装のふくらみに比べ、翫雀さんの手は意外にほっそりしてきれい~。
途中から奴に変わる。
が、花道七三での踊りが多く、昼の部は前列のため振り返りっぱなしにな
るのが苦しく、だんだん意識が遠のいてゆく・・・こんなハズぢゃ・・・。
ゴメンナサ~イ。

次の演目につ・づ・く・・・


七月大歌舞伎 夜の部(1)(このブログ内の関連記事)
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