まぼろしのナポレオン。

野田さんが芸術監督をつとめる劇場だからこそ実現した、夢のよ
うな舞台「おのれナポレオン」。
5月8日、お昼に野田地図から届いたメールを見て、じぇ！
一報は天海祐希さんが「急病」で、代役が宮沢りえさんになった
こと、および中止になった公演のチケットの払い戻しについて書
かれたものでした。
具体的な病名を私が知ったのはその後の他メディアの報道によっ
てです。心筋梗塞だなんて本当にビックリ。ひじょうに心配ではあ
りますが、いま安静にしていれば快方に向かうそうなので、早く
よくなりますようにと祈りるばかりです。

このたびの代役のことですぐに思い出したのが、あの人！
同じく三谷幸喜さんの作品で、病気降板された鹿賀丈史さんに代
わり舞台に立った浅野和之さんのことでした。
あの時は稽古に3日間かけたと思うのですが、今回の宮沢りえさん
の場合は２日間！ 最初はナント１日で舞台に立つのかとたまげま
した。しかも9日は別の舞台の製作発表会見もありましたし。

5月8日夜と5月9日昼は即中止。9日夜も初めからムリだと思ってい
ましたが、中止発表までにワンクッション置いたのは全国の会場
を巻き込んでのライブビューイングがあったからでしょうね。
観劇遠征ができなくてもこれなら参加できる、と私もチケットを
とって楽しみにしていたのですが、ついにまぼろしになってしま
いました。というワケで払い戻しする前に撮った写真。



浅野さんはその後、三谷さんの作品でよくお見かけするようにな
りましたが、今回の三谷さんのコメントの中にも「宮沢さんに、
今回のお礼に芝居を書くこと。」という一文がありました。
浅野さんの場合は俳優名鑑の「あ」から順に探したと聞いています
が、りえさんの場合はきっとこの人しかいない！と関係者が絶大な
信頼を寄せているのでしょう。
野田さんのコメントにも覚悟を感じます。
「宮沢さんのおかげで上演できることになった残り４ステージに
魂を込めて演じさせていただきます。」

役を降りた人も、代役を務める人も、その共演者も。
みなさんギリギリの状態で自分の体と向き合っているんだなあ。
芝居は生物。観劇するほうもゆめゆめおろそかに観たりしないよう
に、ってあらためて思います。
宮沢りえさん、ファイトですよ～。