遺伝学のターミネーター(Terminator) のページを更新
- 転写(DNA から RNA を合成する段階)を終結させる目印となる塩基配列を含む DNA 領域です。
遺伝学における、ターミネーター(Terminator)とは、転写が行われている遺伝子またはオペロンの終端を示す核酸配列部分である。新しく転写されたRNA中の配列がシグナルとなり、転写されたRNAを転写複合体から放出するプロセスが開始される。このプロセスにはmRNAの二次構造と転写複合体との直接的な相互作用、または呼び寄せられた終結反応因子による間接的な効果が含まれる。mRNAの放出によってRNAポリメラーゼと関連する転写装置は自由となり、新たな mRNA の転写サイクルが開始される。
真核生物のRNAポリメラーゼIIIによる転写の場合、他の因子を必要とせずに、鋳型DNAにおけるTの連続配列で効率的に転写を終了できる。酵母では、ほとんどのRNAポリメラーゼIIIのターミネーターに6個または7個のTが含まれるが、哺乳類では4個または5個のTより長いターミネーターはあまりない。RNAポリメラーゼIIIはTの連続配列を転写すると一時停止し、その後RNA:DNAハイブリッド(U:A塩基対)の不安定性によりRNAポリメラーゼIIIによる転写が終結する。RNAポリメラーゼIIIは、RNA:DNAハイブリッド(U:A塩基対)に対する感受性がとくに高いようである。また、細菌の内因性ターミネーターのように、RNAポリメラーゼIIIがTの連続配列で効率的に一時停止し、上流でのヘアピン構造の形成に依存して終結する場合もあるようである。
<出典:Wikipedia>