新型コロナワクチンで血栓症になるのはアストラゼネカ社のワクチンだと思っている人がいました。確かに、アストラゼネカ社のワクチンやJ&J社のワクチンのようにアデノウイルスベクターワクチンの報告例が多かったです。ヘパリン起因性血小板減少症(Heparin-Induced Thrombocytopenia: HIT)と類似した病態と捉えられ、vaccine-induced immune thrombotic thrombocytopenia(VITT)や vaccine-induced prothrombotic immune thrombo-cytopenia(VIPIT)という名称を用いられた論文が多いです。
でも、BNT162b2(ファイザー/ビオンテック)、mRNA-1273(モデルナ)でも調べればかなりの血栓に関する論文も出てきます。m-RNAのCOVIDワクチンの接種後に原因不明の血栓症を発症する人が多数いることも確かです。
新型コロナウイルスワクチンは筋肉注射しますが、接種すると筋肉から毛細血管に入って全身に回り、ワクチンが血管内皮細胞に取り込まれると、抗体を既に持っている人に接種した場合、抗体が血管内皮細胞を攻撃して血栓を作るのです。
既に抗体を持っている人に接種すると血栓の副反応が出る可能性が高いのであれば、先ずは抗体検査をして抗体の有無を確認し、抗体が無い人に対してワクチン接種するかどうか考える必要があるのに、全員にワクチン接種させるという方針は明らかに間違っています。
血栓が原因と言っても脳梗塞、心筋梗塞、肺血栓塞栓と脳出血など様々な病気がありますが、心臓や脳の病気にとどまりません。網膜静脈閉塞症などの目の病気もあります。
梗塞、血栓塞栓は大きな血栓を作って直接、血管を閉塞させますが、敗血症などで血管内で微小血栓が作られ血小板や凝固因子などが消費されて出血しやすくなる播種性血管内凝固症候群(DIC)という病態になることがあり、脳出血や消化管出血の原因になります。
抗凝固薬、抗血小板薬を飲んでいる人は普通の人よりも出血傾向にあるためリスクが上がる可能性が考えられます。
Risk of thrombocytopenia and thromboembolism after covid-19 vaccination and SARS-CoV-2 positive testing: self-controlled case series study
Hippisley-Cox J,
BMJ 2021; 374 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.n1931 (Published 27 August 2021)
【本試験では、ChAdOx1 nCoV-19ワクチン接種後(発生率比1.33、95%信頼区間1.19~1.47@8~14日)およびSARS-CoV-2検査陽性後の血小板減少症リスク上昇(5.27、同4.34~同6.40)、ChAdOx1 nCoV-19ワクチン接種後の静脈血栓塞栓症リスク上昇(1. 10、8-14日で1.02~1.18)、SARS-CoV-2感染後(13.86、8-14日で12.76~15.05)、BNT162b2 mRNA接種後(15-21日で1.06~1.01)、SARS-CoV-2感染後(15-21日で2.02、1.82~2.24)動脈側血栓塞栓のリスク上昇。二次解析では、ChAdOx1 nCoV-19ワクチン接種後(8-14日で4.01、2.08~7.71)、BNT162b2 mRNAワクチン接種後(15-21日で3.58、1.39~9.27)、およびSARS-CoV-2の検査陽性後にCVSTリスクが増加、BNT162b2 mRNAワクチン接種後の虚血性脳卒中リスク増加(1. 12、15-21日で1.04~1.20)、SARS-CoV-2検査陽性後;およびChAdOx1 nCoV-19ワクチン接種後(1.21、8-14日で1.02~1.43)、SARS-CoV-2検査陽性後のその他のまれな動脈血栓性事象のリスク上昇を示した。】
また、
によれば、「ワクチン接種者の94%が血栓形成前および異物粒子を有することが判明している」とのことです。