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モーニングサテライト・ウォッチ

2017.2.8 Newsモーニングサテライト

2017年02月08日 15時29分24秒 | MS
■マーケット

NYダウ反発 37ドル高 ナスダック最高値
7日のNY株式市場の主要指数はそろって小幅反発でした。ただ引き続き材料不足は否めず、方向感のなさがつきまとっています。トランプ政権の言動や政策の行方に関して、様々な情報や見方が飛び交い消化が難しい反面、終盤に差し掛かった決算発表は全体的に不安をかき立てる内容でもなく、相場の方向感を決めるには手がかり不足のようです。午後株価が伸び悩んだのは、原油価格の下落も一因でした。8日の在庫統計への警戒、またエネルギー情報局が短期見通しの中で、今年の原油生産量の見通しを引き上げたことも気にされたかもしれません。終値です。ダウは37ドル高の2万90ドル。ナスダックは10ポイント上昇の5,674。最高値を更新しました。S&P500は0.5ポイントのプラスで2,293でした。

【NY証券取引所中継】米貿易統計を読み解く
解説は大和証券CMアメリカの森本裕貴氏

--今日も揉み合いですね。

寄り付き直後にはダウ、ナスダックともに最高値を更新するなど、強い動きを見せたましが、ドル高が逆風となるエネルギーや素材株が売られ、上げ幅を縮小しました。

--ニュースでもお伝えしました、貿易統計をどう見ましたか。

(フリップ1:米貿易赤字額(億ドル))
金額としては前年からの小幅な増加にとどまっていますが、対メキシコの貿易赤字は4.1%増加しており、上位4ヵ国の中で最大の増加率となりました。トランプ氏はかねてから貿易不均衡の是正を訴えていますが、今回の結果はその材料にされてしまうかもしれません。

--今一番神経質な問題ですね。そのほかに注目点はありましたか。

(フリップ2:米国12月の輸出額、1年8ヵ月ぶりの高水準)
実は12月単月で見ると、アメリカの輸出は前月比で2%以上伸び、1年8ヵ月ぶりの高水準となりました。ドル高が進行する中で、これだけ輸出が伸びたということは、世界での需要が回復傾向にあることを示唆しています。一方、製造業が使用する部品需要などに支えられ、輸入額も大きく伸びています。過去の例を見ると、輸入と輸出が共に大きく増額する局面では、その後アメリカ全体の成長が加速しています。今回も悪い部分のみを見る必要はないと思います。
 
【NY証券取引所中継】米株価が底堅い訳とは
解説は大和証券CMアメリカの森本裕貴氏

--結局、今日も方向感はなかったですね。

寄り付き直後にはダウ、ナスダックともに最高値を更新するなど、強い動きを見せましたが、ドル高が逆風となるエネルギーや素材株が売られ、上げ幅を縮小して取引を終えました。

--さて最近の株価は上値も確かに重いのですが、大崩れもしませんよね。

はい、それは決算発表を通じて、2つの警戒感が払拭されたためだと見ています。1つ目はトランプ氏の政策に対する警戒感です。

(フリップ1:資本財セクター現役から抜け出せず)
それを確認するうえで、資本財セクターの動きに注目です。このセクターは生活と密接に関連する企業が多く入っていますが、足下の業績は厳しい状況が続いており、今回の決算もいまだに減益から抜け出せていません。

--でも、だとしたら、これは払しょくできていないですよね。

はい、但しこのセクターの株価は、決算発表後に大きな値崩れもなく、総じて安定して推移しています。これはトランプ氏の矢継ぎ早やの大統領令署名によって、今後の政策期待が大きく高まったことを好感したからです。政策期待で先行して上昇したセクターの株価が、決算を機に下落するのでは、という懸念が強かっただけに、市場全体にとって非常にポジティブでした。

--もう1つは何なんでしょうか。

2つ目はドル高への警戒感です。
(フリップ2:情報技術セクタードル高懸念を払しょく)
そのうえで注目すべきなのが情報技術セクターです。IT企業は海外での売上比率が高く、ドル高が懸念されていました。しかしアップルが決算後の大幅高でこの懸念を吹き飛ばし、さらには情報技術セクター全体としても増益率予想が大幅に上方修正されており、ドル高を相殺するだけの成長率を見せてくれました。この2つの警戒感が和らいだことは、今後の株価にも追い風になりそうです。
 
【為替見通し】注目ポイントは「欧州政治リスク」
解説は野村証券の池田雄之輔氏

--まずNY市場を振り返っていかがでしょうか。

ヨーロッパの政治の問題に対する懸念も少し和らいできまして、落ち着いています。一方、アメリカに関しましては、雇用統計を消化しまして材料不足で一進一退といった動きになっています。

--今日の予想レンジは、111.50~113.00円です。

週末に日米首脳会談を控えていますし、春先からはヨーロッパの政治イベントが目白押しという中で、本日は若干行き過ぎた円高が修正される展開になるかと予想しています。

--注目ポイントは「欧州政治リスク」です。

重要なのは、ユーロ圏の中から、ユーロに対して反対する勢力が、政権を樹立してしまうかどうかということなんですね。その場合にはユーロが分裂する危険が出てきます。

(フリップ:反ユーロ政権誕生するか)
3月 オランダ総選挙 → 極右の獲得議席は2~3割
4~5月 フランス大統領選 → 統一戦線・ルペン氏の「決算投票」支持率は約35%
8~10月 ドイツ連邦議会選挙
順番に見ていきますと、まず3月のオランダなんですけれども、確かに極右が躍進をしていまして、第1党という予想も出ているんですが、獲得できる議席がおそらく2~3割程度なんですね。従いまして連立政権樹立には程遠いというような状況です。
あとは、4月から5月にかけてはフランス大統領選挙ですね。こちらは統一戦線、極右のルペン氏が結構強いんじゃないかと言われていますけれども、決選投票まで行った時の支持というのを見てみると実は35%ということで、まだ半分には達していないんですね。

--ただ、その「まさか、まさか」が起こってきたのが、最近の政治情勢かなとも思うのですがいかがですか。

はい、では万が一、ルペン氏が大統領選挙に勝った場合に、どうなるかということなんですけれども、実はフランスの共和国憲法にはなかなか厳しい決まりがありまして、ユーロから離脱するためには憲法改正が必要なのですが、そのためには上下両院で過半数をそれぞれ獲得し、さらには国民投票でも半分の支持を得ないと憲法改正ができないので、ハードルは極めて高いです。そう考えますと、今年は春先にユーロ関係のイベントがあるんですけれども、1ユーロ115円を下回るほどのユーロ安にはならないかと見ています。

【日本株見通し】注目ポイントは「2月SQ値」
解説はみずほ証券の三浦豊氏
 
--今日の予想レンジは、18750~19050円です。

米国株とドル円は安定していたんですけれども、上値が重く方向感に乏しい動きというところでしたので、本日の日経平均も一旦反発してもなかなか上値が重いというところで、昨日の水準を挟んだ揉みあい状態になるんじゃないのかなというふうに思いますね。

--日経平均は円高圧力がかかる中でも、比較的底堅い推移ですよね。

そうですね。これはニューヨークダウが2万ドルを維持しているというところで、海外投資家の売りが限定的であるということが要因として考えられるんじゃないかなというふうに思われます。ただ円高圧力がかかる中で、下値支えとなっているニューヨークダウが2万ドルを下回りますと、日経平均も18500円程度まで下落する可能性があるので、その辺でニューヨークの動きにちょっと注目だと思いますね。

--注目ポイントは「2月SQ値(特別清算指数)」です。

(フリップ:2月のSQを上回れるか)
そうですね、今週末は2月のオプションのSQ算出日なんですけれども、SQは短期的には相場の転機になりやすいところと言えます。また日経平均はSQ値を上回って推移していると上昇しやすいんですけれども、下回っていると軟調に推移していることが多くて、最近は1月のSQ値を下回ってまして軟調に推移しています。ですから週末の2月のSQ値を来週辺りも上回っているということになれば、 日経平均は今後反発する可能性が高くなるんじゃないのかなというふうに思うんですけども、特に今週末は日米首脳会談もありまして、政治的、SQというテクニカルな重要日程を通過するというところですので、来週はドル円・日経平均ともに一旦テクニカル・リバウンドとなる可能性があるんじゃないかと思いますね。

■【プロの眼】1ドル=100円への円高はあり得るか?
利上げ期待との相関に注目した場合、ドル円が100円という水準まで落ち込み、定着してしまう世界と言うのは、FRBの累計の利上げが1回、つまりすでに2回引き上げたうち、1回元に戻す「利下げ」をやる必要があるというほど、悲観的なシナリオだと言います。日米首脳会談という公式の場では、おそらく円安批判は封印される。ただし、FOMCの次の利上げは6月、その前に欧州の政治イベントがあるので、向こう3ヵ月は1ドル=115円程度までしか反発できない可能性がある。120円が視野に入るのは6月以降と予想しているということです。解説は野村証券の池田雄之輔氏。

--このところのちょっと円高の動きになってますよね。だいたい111~113円台ぐらいですかね。これは要因は何だと思われますか。

(フリップ1:米利上げ期待ゆっくりと後退)
「そうですね。3つあると思うんですけども、まずアメリカの利上げ期待が少し後退してきているというのがありまして、こちら(左側の目盛り)は累計の回数を示しています。既に2回やってますので、2を引いていただくと今年の利上げ回数になるんですが、今年に関しては一時期は2.5回ぐらいできるんじゃないかと・・・。つまり2回と言う人と3回と言う人が半分ずつぐらいいたんですけれども、今は下がってきているんですね。その理由としては、トランプ政権が財政刺激的なことを後回しにするのではないか、というのが1つあるのと、先週末に出てきた雇用統計で賃金の伸びが弱かったので、利上げを急がなくてもいいのではないか、というのが出てきていますね。ただ、あとまだ2つあります。ここ(直近のところの赤色と緑色のグラフ)がかい離してきているんですね。金利だけでは説明ができない円高になっています。1つには、トランプ政権が円安けん制をしてくるのではないか、ということですね。もう1つは、ヨーロッパの政治問題ですね、やはり気になるところで、消去法的に、あるいはヘッジ目的で円を買っておこうという動きも入って来ている可能性があると思います。」

--それからヨーロッパ、地政学とか政治とか、ありますよね。

「はい、そうですね。その辺りのヘッジというのも入ってきているということですね。」

--ここ(16年下旬、大統領選後)からのググッときたドル高の動きというのは、一回トランプ氏の期待が剥落すれば、またストンと戻ってしまう可能性がありませんか。

「そうですね。確かに1ドル/100円もあり得るという声がありまして、いわゆるトランプラリーが全てトランプ氏への期待だとすると、期待通りやらなかったら元へ戻ってしまう。105~100という話もあるんですけど、ただ、金利との関係を見ていただきますと、これは今年2回利上げができれば115円が適正ということなんですね。そして今年1回累計で3回やれば110円。じゃあ105円とはどういうレベルかということなんですけれども、今年は1回も利上げできないという世界なんですね。ましてや100円になりますと、今まで2回利上げしているうちの1回を利下げしなければいけないということになりますので、相当に悲観的なシナリオということになるかと思いますね。」

--そういう状態では全くないということですね。コチラを見ればそれが分かると・・・。

(フリップ2:トランプ相場で“現実に回帰”)
「やはりアメリカの金利が急激に上がってきているのは、果たしてトランプ氏への期待なのかというと、それだけではどうも無さそうなんですね。コチラにはグローバルPMI(世界の主要国の製造業・サービス業の業況)が、(米10年債利回りと)全く同じ形でV字型を示しているんですね。ですのでアメリカの金利は上がってきましたし、ドルも強いんですけど、これは現在進行形の世界景気の良さと、ある意味で地に足の着いた相場であるという見方でいいと思いますね。」

--そこにトランプ氏も乗っかっているというところがあるわけですね。となると年末に向けては、どのぐらいの水準と見ていますか。

「今年2回の利上げができて、さらに来年の利上げを1回織り込むようになりますと、年末には120円という相場が予想できると思います。」

■【特集】 日米 自動車貿易摩擦再燃か
今月10日に予定されている日米首脳会談。トランプ大統領が「不公平だ」と主張する自動車貿易について日本はどのように対応するべきか。通商問題の専門家みずほ総合研究所の菅原淳一氏に聞く
 
--今月10日に予定されている日米首脳会談を前に、その焦点は何なのか聞いていきます。まずは貿易統計は、首脳会談を前のタイミングに、この内容はどうでしょうか。

「そうですね。対日赤字が増えたわけではないんですけども、2位に浮上してしまったということです。あとはもう1つ、全体の8割弱が自動車関連ということですので、これが日米首脳会談で取り挙げられてしまうということがちょっと懸念されるということですね。」

--今日のまさにテーマにぴったりだったんですけれども、「日米 自動車貿易摩擦再燃か」ということで、そもそも初めての首脳会談でこういった個別のところって、本来するべきなんですか。

「本来であれば日米関係の重要性を再確認して、包括的な経済協議の枠組みで合意をするといったような形になると思うんですけども、今回は統計になるように、自動車なんかの個別問題についても言ってくる可能性というのも否定できないのかなということですね。」

--本来の通商交渉というのは事前にしっかりと内容をお互いに構築していくわけですよね。

「そうですね。首脳会談にしても通商交渉にしても、事務レベル・閣僚レベル、そこから首脳レベルとやっていくわけですけれども、今回はまだ閣僚の承認も終わっていないということですし、事務レベルも高官はまだ承認されていないということですので、どこまで打ち合わせができているのかというところもちょっと懸念されるところです。」

--そういうところが異例の展開ということですね。それで自動車貿易摩擦再燃か 、ということですが、こういった問題は過去もあったわけですよね。振り返ってみましょう。こういうことがありました。
(フリップ1:日米 自動車貿易摩擦の歴史)
まず摩擦の歴史ですけれども、81年には輸出自主規制というものがあったんですね。背景には・・・。

「そうですね。日米摩擦・貿易摩擦の歴史を振り返ってみますと、大きく分けると、日本に対して輸出の抑制を求めるというものと、輸入の拡大を求めるというものと、両方あったわけですけれども、この1981年からの自動車の輸出自主規制というのが始まったわけですけれども、これはオイルショックの後、日本から小型車の輸出が急増して、ただアメリカのビッグ3は大型車生産が中心だったので、経営が急速に悪化した。その結果、業界とか労働組合や議会からの対日圧力が非常に強まった結果、輸出自主規制に至ったということなんですね。もう1つの、輸入のほうですけれども、これは例えばクリントン政権で、日本に対して数値目標を設けて、自動車とか部品の輸入を拡大しろと言ってきたということで、実際に輸入するのは企業ですので、日本政府としてはそこについては企業に輸入を強制できないということで、アメリカの要求を突っぱねるという形になりましたので、かなり交渉が激化したんですね。」

--当時は橋本通産大臣ということで・・・。

「そうですね。相手がミッキー・カンターというUSTR(米国通商代表部)代表であったわけですけれども、こうした対立の激化のあおりを受ける形になって、一時1ドル79円75銭という当時最高値にまで行ったということなんですね。」

--そういうのに対して日本がどれぐらい対応した、応じたんですか。
 
(フリップ2:自動車摩擦 日本企業の対応(95年))
「結局81年から始まった自主規制というのは、終わったのは94年の3月ということですから、かなり長く続いてということですし、95年の際は結局、政府が最後まで、政府としては数値目標には関与できないというふうに突っぱねたんですけども、代わりに日本の自動車メーカーがあくまでも自主的にという形で、部品の購入とか、現地生産の拡大をするということを自主計画として公表するといった形で決着したということですね。」

--それから日本車の北米生産や部品の現地調達といったものも、この時ぐらいから加速したと・・・。

(フリップ3:日本車、アメリカでの生産拡大)
「そうですね。コチラに用意していただいたのは、日本の自動車の対米輸出と現地生産(のグラフ)ですけれども、93年には逆転して、現在は対米輸出が173万台、米国での現地生産が384万台という形になっているわけですね。」

--ですからここまで日本は企業努力でやってきたわけですけれども、さらに今回何を求めてくるのか。同様の要望というのをやはり覚悟しなければいけませんか。

「そうですね。通常ならなかなか無いと思うんですけど、トランプ大統領の場合は何を言ってくるか分からないので、覚悟だけはしておいたほうがいいと思います。ただ求めに応じて雇用を増やすと、米国内での自動車生産もさらに増えてしまうということになり、もうアメリカの自動車市場のパイが広がらない限りは、アメリカ社との競合が激しくなりますので、じゃあその分を日本で輸入しろというような方向にまで行ってしまうというのが最悪のケースとしては、ちょっとリスクとして考えておかないといけないと思いますね。」

--だからアメリカ車が日本で売れるかどうかというところ、根本的な話ではあるんですけれども、ただそういったむちゃくちゃな要望があった場合に阻止するために、WTO(世界貿易機関)のルールがあるわけですよね。

「そうですね。数値目標とか、制裁措置をちらつかせての交渉となると、これはWTO協定違反ということが疑われることになるわけですけれども、ただトランプ大統領の場合には、もう選挙戦でWTOからの脱退ということについても言及していますので、あまりそこら辺は気にせずに対日要求を詰めてくるというのも懸念されますね。」

--実際にWTOの脱退ということはありますかね。

「いえ、ただ実際に脱退してしまうと、例えばアメリカのWTO協定違反措置に対して、他国が対抗措置を打っても、WTOの制限措置がなくなるので、無制限に打てるようになってしまうということで、これはアメリカにとって不利になるんですよね。なのでアメリカとして違反を続けながらも、WTOに留まるほうが有利なので、実際にはWTOからの脱退という可能性は低いんじゃないかと思います。」

--だから言っているだけという可能性はあるかもしれないということですね。となると日本も言われっぱなしではなくて、何かを取りに行くということをしたほうがいいと思うんですけども、どういったことができますか。

「そうですね、アメリカの要請に応じる形で現地生産を進めたことが、日本の自動車メーカーの国際化を促して、経営基盤の強化につながったという指摘もありますので、今回もピンチと捉えるのではなくて、チャンスとして捉えていくという発想の転換が必要ということかと思いますね。」

--インフラ投資という話も出ていますよね。

「そうですね。いわゆるお土産的な形でインフラ投資とかエネルギー協力と言われていますけれども、例えばインフラ投資の分野で日本の新幹線技術がアメリカで採用されるということになれば、これは日本にとっても果実があるということになります。」
--メンテナンスなどを含めると結構長い期間の投資になりますね。

「そういう可能性もありますね。なのでアメリカに協力するという形をとりながらも、しっかり日本としても果実を採っていく。そういったしたたかさというのが重要になってくるということかと思います。」

--その際にトランプ氏に対してはメンツを気にされるのかなという印象があるので、そこも配慮しないといけないと・・・。

「そうですね。トランプ氏に手柄を立てて、それをツイートできるような材料を提供するということが重要になってくるということだと思います。」
 
・ 為替政策について

--池田さん、為替政策についてはどうでしょうか。懸念されているようですね。

《野村証券/池田雄之輔氏》
「確かに日本を名指して批判してくるような場面のあるんですけれども、今のところアメリカの自動車メーカーのトップの人とか、医薬品メーカートップの人の前での発言なので、リップサービス程度に軽く受け流していいのではないかと思います。公式の場では批判はして来ないんじゃないかと思いますね。」
 

■日経朝特急

格安スマホ、競争透明に
総務省は格安スマートフォンの普及を後押しする。格安スマホ10社の通信速度は、早いところと遅いところで10倍以上の開きがあり、この通信速度を来年度にも開示するよう求める。利用者が通信速度と料金を比べて事業者を選べるようにし、大手携帯会社から乗り換えるメリットとデメリットが一目で分かるようにする。透明な競争環境を整え、利用者が格安スマホを選びやすくする。
 
農水産物の輸出最高
農水産物の輸出が4年連続で過去最高を更新した。去年の農林水産物や食品の輸出額は前年より1%多い約7500億円だった。高品質でブランド力がある果物や牛肉の輸出が増えた。特にブドウは50%、イチゴは35%と大幅に伸びた。円高の影響で日本全体の輸出額は7%減ったが、日本産の農水産物の健闘が目立っている。
 
中国、米豪の緊張の間隙突く
中国とオーストラリアの外相会談が行われた。中国・王毅外相とオーストラリア・ビショップ外相が会談でアジア太平洋地域の貿易自由化推進を軸とした経済協力の強化を確認。難民受け入れ問題を巡って、米豪関係には不協和音が生じている。その間隙を突く形でトランプ大統領の揺さぶりに対抗する中国の思惑がのぞく。
 

■日刊モーサテジャーナル

トランプ大統領、大統領令で医師不足深刻に?
「トランプ大統領によるイスラム圏7カ国の一時入国禁止の大統領令が、米国国内での医師不足の深刻化を招くおそれがある」、とニューヨークタイムズが警鐘を鳴らしている。アメリカ全土で入国制限を受けた出身の医師は1万5千人以上いて、有名校出身の医師が行きたがらないような田舎町の小さな町でも働いてくれているとのこと。慢性的な医師不足に悩むアメリカにとって、海外からやってくる医師は大きな存在で、地方の外来診察の42%は海外出身の医師によって行われているという。さらに海外出身の医師は優秀な経歴の持ち主が多く、アメリカ人医師よりも医療に関する知識が豊富というデータも。こうした優秀な医師が大統領令によってビザの更新が出来なくなる可能性もあることから、記事は、医療事情に打撃を与える可能性を危惧している。
 
ニューヨーク、安全な街に(デイリーニュース)
以前は危険な町と言われていたニューヨーク、ここ25年ほどで現在は最も治安が改善している、と記事は伝えている。ニューヨーク市警が発表したデータによると、今年1月の1ヶ月間に、ニューヨーク市内で起きた殺人事件は20件、日本に比べると結構多いなあと感じるが、ニューヨークの歴史の中で最も治安が悪かった時期の一つとされる1993年1月は189件だったので激減している。また1月に発生した発砲事件は58件で、93年と比べ88%減少、全体の犯罪数は7992件、8千件を下回ったのは93年以降で2回目だ。デブラシオ市長はパトロール強化のために、警察の数を増やしたことなどが犯罪減少につながった、と胸を張っている。
 
米ウーバー、空飛ぶタクシーに進展?
配車アプリ大手のウーバが描く空飛ぶタクシーのイメージ図。記事は、実現にこじつけることが出来るかもしれない、と見ている。計画を進めるウーバーは元NASAのベテラン技術者を採用。NASAで30年間、最先端の飛行機の設計に携わっていたという。空飛ぶタクシーを実現したいと思いウーバで働くことを決めたと意欲を示しているという。

・ ニューヨーク安全な街に

--ニューヨークがずいぶん安全な街になったということですけど、どうでしょうか。

《野村証券/池田雄之輔氏》
「ちょっと特殊要因もありそうですよね。本来、ワシントンDCにいるはずの大統領の警備チームがいまニューヨークにいるという。」

--特に11月~1月の3ヵ月はそうかもしれませんね。
 

■今日の予定

16年12月国際収支
1月景気ウォッチャー調査
日銀金融政策決定会合の主な意見(1月分)
決算(ソフトバンク、富士重)
インド準備銀行 政策金利発表


■ニュース

米 16年貿易赤字↑0.4%
トランプ大統領がさらに厳しい態度を示してくるのでしょうか。アメリカ商務省が発表した去年1年間の貿易赤字は1年前に比べ0.4%増えました。モノとサービスの取引を合わせた国際収支ベースでみた去年の貿易赤字は0.4%増加の5,022億5,200万ドルでした。国別でみると対日赤字は689億ドルで、1年前に比べほぼ横ばいでしたが、赤字額は対ドイツを抜き、2位に浮上しました。赤字額トップは対中国で、3,470億ドルでした。10日に予定される日米首脳会談でトランプ大統領が貿易不均衡を持ち出すのではないかとの観測が浮上しています。
 
米 雇用動向調査 求人数横ばい
アメリカの労働省が発表した去年12月の雇用動向調査によりますと、求人数は550万人で、市場予想を下回ったものの、改定された前の月の数からほぼ横ばいでした。多いほど労働者の雇用市場に対する強い自信を表すとされる自発的離職者の数は前の月に比べ、9万8,000人減って297万9000人でした。

GM決算 増収も大幅減益
アメリカの自動車大手GM=ゼネラル・モーターズの去年10月から12月期の決算は増収減益でした。売上高がおよそ11%増えたものの為替変動などの影響から純利益が70%以上減りました。一株利益は市場予想を上回りました。
売上高 439億1800万ドル(↑11%)
純利益 18億3500万ドル(↓71%)
1株利益 1ドル28セント(予想上回る)
一方、GMのCFO=最高財務責任者は、決算発表後にテレビ出演し、トランプ大統領が主張する国境税について、「複雑すぎて検証できていない」としつつも、「有益な結果になるように協力したい」と述べました。
 
EU イギリスに7.2兆円支払い要求へ
イギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱、「ブレグジット」をめぐり、EUの政策執行機関、ヨーロッパ委員会はイギリスに対し、未払いの分担金など最大で600億ユーロ、およそ7兆2,000億円の支払いを求める方針であることが明らかになりました。イギリスではこの方針に反発する動きも見られ、離脱交渉に影を落としそうです。
 
EV=電気自動車の分野で ホンダと日立子会社が提携
大手自動車メーカーのホンダと日立製作所グループはEV=電気自動車などに搭載するモーターの分野で提携すると発表しました。ホンダと日立製作所グループはEVや家庭のコンセントで充電できるプラグインハイブリッド車などエコカーに搭載するモーターについて共同出資会社を7月に設立すると発表しました。世界的な環境規制の強化に連携して対応することが狙いです。新会社は日本国内のほかアメリカや中国にも生産、販売の拠点を設け、他社への供給も目指します。
 
日本人客の誘致で JTBとシンガポール政府観光局 提携
JTBとシンガポール政府観光局は、日本人客の誘致などを目的に提携すると発表しました。今回の提携では、シンガポールの魅力を日本国内に広めるため、4月1日からの1年間、商品開発や、プロモーションなどにおいて連携します。JTBを利用してシンガポールに旅行した日本人の数は、2016年度はおよそ7万人を見込んでいて、今回の提携を機に、2017年度は、およそ9万人を目指すということです。
 
生産体制効率化の一環 リコー 埼玉の生産・設計拠点閉鎖へ
事務機大手のリコーは生産体制効率化の一環として埼玉県・八潮市にある事務機器や周辺機器の生産・設計拠点を2018年3月に閉鎖すると発表しました。閉鎖後は神奈川県厚木市と海老名市、静岡県御殿場市に生産・設計機能を移すということです。
 
昭和シェルとの合併問題 出光と創業家 代理人が話し合い
出光興産は、延期している昭和シェル石油との合併交渉について、合併を反対する創業家側と交渉再開に向けた話し合いを始めたことを明らかにしました。年明けごろから、会社側と創業家側、双方の代理人が複数回、会談しているということです。創業家の出光昭介名誉会長などが反対の姿勢を崩なかったため、出光は去年10月に合併交渉を延期していました。
 
中国外貨準備 3兆ドル割れ
中国人民銀行はきのう、1月末の外貨準備高が2兆9,982億ドル、およそ336兆5,000億円だったと発表しました。去年の12月末と比べおよそ123億ドル減り、5年11ヵ月ぶりに3兆ドルの大台を割り込みました。減少は7ヵ月連続です。当局が人民元の急落を防ごうと、保有するドルを売って元を買う為替介入を繰り返したためとみられます。
 
 
ドイツ共同声明「自由貿易守るべき」
ドイツ政府と財界や労組は7日、共同声明を発表し、保護主義は世界が直面している問題の解決策にはならないと訴えました。ロイター通信によりますと、声明は、トランプ大統領に対する直接的な言及を避けながらも、「政治、経済面で保護主義を追求することは誤りだ」との立場を示しました。その上で、「ドイツはG20議長国として保護貿易を目的とする政治介入と戦う必要がある」としています。

文科省“天下りあっせん” 国会で集中審議
文部科学省の天下り問題をめぐり、あっせんの中心人物だった人事課のOBらがきのう、国会に呼ばれ、集中審議が行われました。再就職のあっせんは、文部科学省が人事課のOBである嶋貫氏に人事情報を渡し、嶋貫氏が、企業などからの求人とマッチングさせる形で行われていたということです。前川前事務次官も自身の関与を認めたうえで、「違法性の認識、順法意識が欠如していた」と陳謝しました。政府は再発防止を徹底することにしていますが、野党は「氷山の一角だ」として、追及を続ける考えです。
 
豊洲問題で都議会特別委 石原元知事ら参考人招致へ
豊洲市場の移転問題を審議する都議会の特別委員会は用地取得の経緯などを調べるため当時の都知事の石原慎太郎氏と腹心で副知事だった浜渦武生氏を参考人として招致することを決めました。豊洲市場をめぐっては環境基準を大幅に超えるベンゼンなどの有害物質が検出されていて小池知事が石原氏らによる当時の都政のあり方を問題視しています。
 
 
■【コメンテーター】野村証券/池田雄之輔氏

・ 米貿易統計について

--アメリカにとっては良い内容というような中継でしたけれども、日本にとってはどうでしょうか、日米首脳会談を前に。
「確かにそうなんですけど、アメリカ全体の貿易赤字のうち、半分が中国なんですね。日本はそれに対して全体の10%に過ぎませんので、圧倒的に中国に対して貿易の関係の是正を訴えていくことになると思いますね。」

--一緒になれないといいですね。


・ 米利上げベースと中国からの資本流出

--中国の外貨準備高ですけども、節目を割り込んできましたね。

「確かに3兆ドルというのは注目されてきた水準なんですけれども、減り方はそれほど過激なものではありませんで、半年で2000億というペースなんですね。仮にこのまま減り続けても、7年間は外貨準備は枯渇しないという余裕はまだまだありますね。」

--これはアメリカの金利上昇ペースに関わってきますよね。

「そうですね。今回のデータでも1月の外貨準備の減少というのは比較的少なくて、やはりアメリカの金利が上がっているときは、流出がどうしても出てしまうんですけれども、1月は下がりましたのでその分は抑制されたという結果になっていますね。」

--中国自体もいま銀行間金利の短いところを少し上げて、金利差が拡大しないようにはしているんですよね。

「そうですね。幸いにして中国景気も不動産を中心に強いですので、アメリカが金利を上げるときに中国も上げられる、いい歩調が合った展開になっていますね。」
 

・ 日銀金融政策

--日銀に関しては、しばらくは政策変更はない、と見ていらっしゃいますか。

「そうですね。政策を変更しなくても、アメリカの金利が上がっていけば、自動的に日米金利差がひらいて、円安が後押しされて、それでデフレ克服にはつながりますので、あえて動く必要はないということでいいと思いますね。」

--イールドカーブコントロールで金利のコントロールがうまくいくかどうか、というのは材料視されますよね。

「そうですね、日銀のやり方としては、基本的には急激に金利が上がるのを抑えるというのが重要で、ゆっくり自然に上がっていく分には、ある程度、許容するんじゃないかと思いますね。」
 

・ 今日の経済視点 「トランプ(空)砲」

「やはり大統領の発言ですと、市場は右往左往してしまいますよね。ただ、それは今までの米国の大統領の発言が非常に重みがあったということであって、今回のトランプさんに関しては、ちょっと別の対応をしないといけないんじゃないかと思いますね。非常にその場その場に合わせた言葉を発しますので、1つ1つ重みもないですし、コケ脅しにすぎないこともあると思います。例えば、ドル高批判なんですけれども、本当に為替介入をやるぞ、とか、金利を下げるぞ、ということがなければ、口先だけなんですよね。なのでマーケットは過剰反応すべきではないと思いますね。」
 


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