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モーニングサテライト・ウォッチ

2016.8.22 Newsモーニングサテライト

2016年08月22日 07時00分00秒 | MS
■マーケット

26日のイエレン氏発言に注目
19日のNY株式相場の主要指数はそろって下落しました。原油価格が7日続伸と安心材料があった一方で、利上げの先行きが気になって買いもなかなか伸びず、引けにかけては膠着(こうちゃく)感が強まりました。サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が「利上げは遅いより早い方がいい」と発言し市場に影響を与えました。アメリカの金利が上昇し、またドルも強含みました。先週は多くの連銀高官から、利上げに前向きな発言が飛び出し5月の雇用統計前をほうふつとさせていただけに、26日のイエレン議長の発言にますます注目が集まりそうです。では19日の株価の終値はそろって反落しました。ダウは45ドル安の1万8,552ドル。ナスダックが1ポイント下落の5,238。S&P500が3ポイントマイナスの2,183でした。
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月曜恒例、アメリカの専門家インタビューです。今週最大の注目はカンザスシティー連銀が毎年開催する「ジャクソンホール経済シンポジウムでのFRBのイエレン議長の講演です。エコノミストは利上げの時期について言及しないだろうと見ています。

《ジェフリーズ/ワード・マッカーシー氏》
「イエレン議長は次の利上げの時期について、言及しないと見ている。講演ではサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が15日に公表した論文の内容に似たコメントをするだろう。『 低成長・低金利・低インフレが続く環境で、金融政策の枠組の見直しを検討すべき 』とし、『 成長拡大のため、政府が財政出動を強化する必要がある 』という内容になるだろう。」


マッカーシー氏が予想する利上げの時期は「今年あるとしたら12月に1回」としています。

「今年利上げはあるとしたら12月でそれより前はないと見ている。FRBは雇用市場の改善を再確認したいほか、イギリスのEU離脱決定の影響も見届けたい。EU離脱の影響が実際に世界やアメリカの経済にどのような影響を及ぼすのか、見極めるには時間がかかる。FRBはそれを待っているのだろう。」





【為替見通し】注目ポイントは「イベント前のポジション動向」
解説は三菱UFJ信託銀行NYの小林浩一氏

--まずは週末の相場を振り返っていかがだったでしょうか。
週末の海外時間では特段の材料はなく、ドル円は100円台前半での揉み合いとなりましたが、今朝がたは100円台後半とやや円安で推移しています。

--今日の予想レンジは、100.20円 - 101.40円です。
足下では主要通貨に対するドル安が続いています。大きな流れで見た場合のドル円の上値は引き続き重そうですが、短期的には戻りを試す可能性はあると見ています。

--注目ポイントは「イベント前のポジション動向」です。kw1.JPG
今週26日に予定されているジャクソンホールでのイエレンFRB議長の講演では早期利上げに関するヒントは得られないとの見方がメインシナリオだと考えております。

--つまりドル安継続という流れですね。
そうなりますね。しかし先週のダドリーNY連銀総裁のタカ派な発言について、7月FOMC以降に発表された数字を把握した上で利上げを肯定したという点を重視する向きもあり、リスクシナリオに備える動きもある程度予想しています。

(フリップ1:ドル安進む)
米ドルの名目実効為替レートでは、足下1ヶ月で3.5%近いドル安が進んでいますが、直近1年の動きを見ても一旦の戻りが入りやすkw2.JPGい水準にあると見ています。

(フリップ2:円買い積み上がる)
まだ円のポジション面では8月19日付のIMMポジションを見ますと、先週もまた円買いが積み上がっており、2013年の量的緩和開始以降の局面の中では、高い水準に到達しています。ドル・円ともやや偏った状態が修正される形で、ドル円相場も短期的な反発につながりやすいと見ています。0 為替.jpg





















【日本株見通し】注目ポイントは「要人発言」
解説はニッセイ基礎研究所の井出真吾氏

--今日の予想レンジは、日経平均16350~16600円です。
アメリカの下落を受けて今日は小幅な反落で始まりそうですね。日中は日銀のETF買いによる下支えも期待されますけれども、為替次第ではやや荒っぽい値動きも想定されます。ここのところ株価の高止まりが続いていて、困っていた売り方の仕掛け的な売りも出やすくなってきそうですね。nk1.JPG

--注目ポイントは「要人発言」です。

(フリップ1:今週の重要スケジュール)
そうですね。黒田さんの発言もあるんですけど、イエレン議長の講演も控えて、イベントを控えて久しぶりに神経質になりそうだと思っています。なかでも注目はイエレンさんなんですけれども、利上げに慎重な見方を示した場合は、市場が年内利上げはないかも、と受け止めて円高株安が進むと見ています。

(フリップ2:100円割れ定着16000円割れも)nk2.JPG
その場合は1ドル100円割れが定着して、日経平均も節目の16000円を割る可能性があると見ています。

--井出さんはイエレンさんのスタンスをどう見ていますか。
私は慎重な見方をするんじゃないかと思います。ですから円高株安にもう少し進むんじゃないかと見ています。

--今週は後半に日本も物価指標があって、本当は週後半から神経質になりそうですね。
そうですね。特にイエレンさんの講演は日本の取引が終了した後ですので、来週月曜日の寄り付きで大きく動く可能性もあるんですね。ですから時既に遅しとならないように、為替の影響を受けやすい外需株を中心に、今週中に持ち高をよく確認しておきたいと思います。




■【エマトピ】フィットネス市場に注目(上海)ema1.JPG
中国・上海から生電話。9月上旬に開催されるG20首脳会合を前に開催地となる杭州の雰囲気、そしてG20の注目店を解説します。また中国が取り組む内需拡大で期待されるフィットネス市場の広がりについても分析。日本企業にもビジネスチャンスがありそうです。解説は岡三証券上海駐在員事務所の濱崎義徳氏。


--先月、上海近郊のの杭州に出張されたそうですが、来月のG20首脳会合を控えて、現地の様子はいかがでしょうか。

治安やテロ対策強化のため、警官などが市内に多く見られました。先月も出張先のホテルの部屋で突然、公安から氏名確認やパスポートの提示を求められました。5年弱中国に駐在して初めての経験です。また大気汚染の改善に向けて市内の交通量を減らしたり、早くも多くの工場が稼働停止になっています。その恩恵は上海まで届いていて、最近の空は東京並みに澄んでいます。

--さて今回のG20はどういったことがテーマのメインになりそうですか。
構造改革・世界経済能勢町維持といった経済の話が中心になりそうです。ホスト国の中国は過剰設備削減や内需の拡大など、改革の成果をアピールする見通しです。

--その内需の掘り起こしについては、期待できる市場があるみたいですね。
はい、それは若者の需要を呼び込むフィットネス市場です。大学生およそ2000人を対象にしたある調査によりますと、恋人を選ぶときに何を重視するかを聞いたところ、確かに外見は大事ですが、その中でも特にプロポーションが重視されることが分かりました。自己管理や鍛錬といった内面を表す肉体の美しさが評価の対象になっているようで、若者が感じる魅力の変化がフィットネス人気を高めています。また今日閉幕するオリンピックも人気を後押ししているようです。

--それでそのフィットネス市場は具体的のどの程度の拡大が見込まれているんですか。

フィットネス市場は年平均27%成長となっていて、2025年には7500億元(約11兆円)規模まで拡大すると見込まれています。最近では高額なフィットネスジムの代わりに、食べたものや運動を記録するアプリを使っての自主トレも若者の間で人気です。15ヶ月でユーザー数3000万人を突破したアプリ「KEEP」は、トレーニング結果を友人とシェアできるSNSの機能を付けて若者の人気を集めています。5月には投資会社から3200万ドルの出資金を調達しました。

--日本企業にもそうした中国の若者のフィットネス熱を取り込むチャンスというのはあるんでしょうか。
いま中国全土でランニングが大流行していますが、先月7月中旬には上海でスポーツブランドが並ぶ通りにアシックスの旗艦店がオープンし、ランニングシューズの衝撃吸収性が高く評価されています。フィットネスでは欠かせないウェア関連でも透湿性が高く高機能衣類の素材メーカーとして知られる東レや旭化成などにも注目が集まると考えています。





■【モーサテ・サーベイ】今週のマーケットを出演者が予想
マーケットや世界経済の先行きを番組のレギュラー出演者へのアンケートから独自に予想します。
(期間:8月19日~21日、番組出演者23人にアンケート調査)
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・今週末の日経平均予想
予想中央値(16200円)先週終値(16545円)
岩井コスモ証券/林卓郎氏(16800円)
「円高圧力の軽減とともに、出遅れの割安修正が入るものの、イエレン氏の発言待ちで、上げは限定的」
マネックス証券/広木隆氏(16200円)
「ポジション調整の売りに買いは入らず、週のどこかで下値を探る展開もありえる」

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・今週末のドル円相場予想
予想中央値(100.00円)先週終値(100.20円)
三菱UFJモルガンスタンレー証券/植野大作氏(101円)
「アメリカの金融政策に対する市場の読みが錯綜し、当面は下値の堅さと上値の重さが共存、明確な方向感が出難い」
シティグループ証券/高島修氏(99.50)
「需給環境の悪さと為替介入の警戒感が拮抗する」


・米国利上げ時期予想
9月(21%)12月(71%)17年7月以降(8%)

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・3ヶ月先の景気を占うモーサテ景気先行指数 8.3(低下)










■特集 物価にも地域間格差
全国消費者物価指数が連続してマイナスとなるなか、スーパーなどの販売記録から割り出す日経CPINowが先週、1年4ヶ月ぶりにマイナスに転じた。再びデフレに戻ってしまうかどうかの瀬戸際で大事な局面だ。日経CPINowでは先月から「地域別」というものを公表しているが、物価でも地域間の格差が鮮明になってきた。その背景は何なのか、政府・日銀に打つ手はあるのか。
解説は東京大学大学院の渡辺努教授。
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--全国の消費者物価指数が6月まで3ヶ月連続マイナスだったんですよね。ちょっとこちらを見てください。
(フリップ1:身近な食品物価マイナスに)
日経CPIナウが8月16日にマイナスに落ち込みました。なぜですか。

「去年の春ぐらいからゼロを超えてきたわけでして、結構、夏~秋ぐらいにかけては調子が良かったんですけども、年末ぐらいからどんどん下がってきて、それが年明けさらに下がって、先週からマイナスに入っていったというわけです。」

--これは身近な食品なんですね。

「スーパーで売っているようなものですので、基本的には例えば下がっているのは何かというと、プリンとかカップ入りスープ、菓子パンなどそういうものが値下がりが目立つわけなんですけれども、そういう本当に身近なもので物価が下がってきているということですね。」

--ポイントはこのまま下がり続けるのかどうかですけれどもね。

「デフレに戻ってしまうのかどうかというのが非常に懸念されますが、どんどん下がるという感じではきっとないと思うんですが、しかし若干のマイナスという状況が続くのではないかと私たちは思っています。」

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--それで今日のテーマ「物価にも地域間格差」ということで、この数字を地域ごとに分解してみます。9地区+全国のグラフです。特徴的なのは北海道(オレンジ色)の落ち込みが目立ちます。
(フリップ2:地域別日経CPINow)

「私たちもこういうのを作る前までは、日本は狭いので、そんなに物価に差があるなんていうふうには実は思っていなかったんですね。しかし実際に計算してみると、大きな帯としては1%ぐらい各地域の差があるというわけですね。年末ぐらいからどこの地域でも物価上昇率が下がってきているんですけれども、とりわけ北海道はそれが顕著でして、もう既に5月ぐらいからはマイナスの圏内に入ってきてしまっている、デフレになってしまっている、ということを言っているわけですね。」

--これはご自身もびっくりしたそうですね。なんで北海道がマイナスに入ってしまっているんですか。

「基本的には全国全てでそうなんですが、消費が弱いということがあるわけです。その消費の弱さの背景を探っていくと、やっぱり賃金がどうも伸びていないというところが大きいわけですけれども、もしかしたら北海道はそういう賃金の伸びがほかの地域に比べても振るわなくて、それが消費を押さえていて、物価をマイナスに早めに落としているということがあるのかもしれません。」

--さっき全体がマイナス0.01、つまり北海道が大きく寄与してしまったということが言えると思うんですが、ただこれは例えば日銀や政府が頑張っている目標に近づけるために、何か使えそうなデータですよね。

「そうですね。いろんなタイプのデータをきめ細かく見ることによって、何が起こっているのかということを把握することは非常に大事でしょうから、そういうものの一助になるんだろうと思いますね。」

--アベノミクスに批判があるとすると、各種の格差というのはやっぱり批判の対象になっているわけですよね。

「そうですね。よく言われるのは正規・非正規の格差がいわれますけど、もう一つは地域間格差も非常に大きい。東京を中心としたところは結構潤っているけれども、それ以外のところはそうでもないと言われているわけです。物価でも地域間の格差が出ているということだと思うんですね。」

--いま日本では各自治体が独自にこういうことを解決するために、策を取っているんですか。

「現状はこういう地域間の格差がどれぐらい大きいかというようなことを、モニターするような仕組みを整えているという段階です。地方創生というものが大きな政策の柱ですので、その一環としてデータベースを整理して、地方でも何が起きているかをリアルタイムで把握するというようなことが政府レベルでも行われているわけですけれども、しかしそれをベースにして政策をきめ細かく地域ごとに行えるというところまではまだ行っていないと思いますね。」

--まずは国が音頭を取るべきということなんでしょうか。

「そうですね。例えば今後どうなるかよく分かりませんけれども、物価上昇率がどんどん下がっていく、あるいはその差がどんどん拡大していくというようなことになった場合には、賃金の上昇率をもう少し上げていく必要があると思っているんですけれども、その場合でも地域間で差をつけながら、そういうことを行っていく。例えば最低賃金というのは都道府県単位で決めることができますので、そうすると振るわない地域の最低賃金は少し余分に上げるとか、そういうメリハリを利かせるような政策というのも今後あり得ると思います。」

--先ほども申しあげました、目標を達成するために、分析のツールというのをもっと精度を高めていくというのは、いま始まっているんですか、どういうタイミングなんですか。

「ちょっと残念なんですけど、あまり日本の政策というのはそういうエビデンスやデータをベースにした政策になっていなかったわけです。それを直そうとしているわけでして、経産省などを中心にデータベースを整備するということが今年ぐらいから始まっているわけです。」

--今これは物価の話ですけど、日本の金融政策にも易経してきますよね。総括が出ますね。こういうことは利用されてくるべきなんですか。

「私は結構今回の結果でびっくりしたというのは、さっき言ったように(地域間の)差が大きいということですので、仮に今後物価がちょっと上がってきて2%に近づいて行った時にも、もしかしたら地域間の格差がかなり大きくて、大阪のほうは非常に高いんだけれども、北海道はマイナスということはあり得ると思うんですよね。その時にじゃあ全国平均で2%で金融緩和はいいやとできるのかどうか、というのは非常に大きな論点だと思います。」

--日本全体はいいけれども、細かく見たときにダメなところがあったら、緩和をやめないという選択肢もあるということですか。

「そういうことですね。」

--なるほど、となるといま行き詰まり感がありますが、まだまだ今後もやり余地はありそうですね。

「まあやらなきゃいけないことはたくさんあると言ったほうが正確かもしれません。」





■新たな金融サービス「フィンテック」
アメリカの金融関係者や投資家の注目を集める「フィンテック」。「ファイナンス」と「テクノロジー」を組み合わせた造語で、金融とITを結び付けた、新たな金融サービスのことだ。スマートフォン1台でクレジットカードの決済や送金手続き、さらには融資を受けることも可能。最近では人工知能を使って投資のアドバイスまで受けられ、その便利さと低コストが人気となり、急速に普及している。既存の金融機関は、フィンテックに市場を奪われかねないと、提携先のベンチャー企業を求める動きが活発だ。その便利さとはどういうものなのか?ニューヨークから最新情報をリポートする。



急拡大するフィンテックブーム
ニューヨークでは熾烈なフィンテック競争。しかし日本企業はなかなか参加できていない。7月に行われたフィンテックベンチャー企業への投資イベント「スタートアップブートキャンプ」には400人以上が参加している。

フィンテックとはファイナンスとテクノロジーを組み合わせた造語で、金融とITを結び付けた新たな金融サービスのことだ。フィンテックを使えば、例えばスマホ1台でクレジットカード決済、送金の手続き、さらに融資を受けることも可能だ。最近では人工知能を使って投資のアドバイスまで受けられ、その便利さと低コストが人気となり、急速に普及している。さらに資産管理やセキュリティーにも有効である。

例えば米国ではフィンテック利用者がこの1年で16.5%(15年度)から倍増する見込みだ。既存の金融機関は市場を奪われかねないと、この日も提携先を求めて詰め掛けていた。
《スペイン最大の商業銀行/サンタンデール銀行》
「どんな大手銀行もこうしたベンチャー企業から学ばねばならない。この分野への投資こそがビジネスを加速させるカギだ。」
《オランダの農業系金融大手/ラボバンク北米CEO》
「我々のような金融機関の生き残るには技術革新が必要なんだ。」

フィンテック側も世界各地から参加している。沸騰しているフィンテックだが、実際街で聞いてみると、多くの人が使っていた。ベンモ(支払いに使うアプリ)やペイパル(支払い用)、TDアメリトレード(投資用アプリ)、ベターメント(投資用アプリ)など、使われているフィンテックは実に様々だ。

現在、フィンテック企業は分かっているだけでも世界で1700社以上あるという。その中の一つで若者の利用者が多いという「ペイブ」を訪ねた。個人向け融資をするペイブを創業したのは元ゴールドマンサックスのオーレン・バスCEO。金融大手のビジネスに見切りをつけ、4年前に起業した。ヘッジファンドや銀行からの資金が元手だ。融資額は1人30~250万円ほどだが、既に融資総額は12億円以上を扱うまでになっている。実際に試してみると、5000ドル(50万円)の融資があっという間に許可された。このスピードが売りだ。
《ベイブ/オーレン・バスCEO》
「多くの銀行が『ペイブのような融資の仕組みをつくりたい』とやってくる。ペイブが優れているのは銀行システムにそのまま組み込める点だ。」

15年の世界のフィンテック・ベンチャーへの投資額をみると、米国が7450億円と圧倒的だ。一方、日本はわずか60億円、完全に立ち遅れてしまっている。
アメリカ(7450億円)中国(1880億円)イギリス(901億円)ドイツ(825億円)インド(411億円)カナダ(117億円)オーストラリア(111億円)ブラジル(77億円)シンガポール(64億円)日本(60億円)

最近、JPモルガンチェースがフィンテックベンチャーを呼び込む新プロジェクトを発表した。技術開発に毎年9000億円以上をつぎ込んでいるJPモルガンだが、フィンテック企業に社内に常駐してもらい、開発を加速させるというのだ。
《JPモルガン・チェース/最高総務責任者サノク・ヴィスワナサン氏》
「我々の技術者やトレーダーと一緒に働いて開発してもらう。競争で優位に立つことが重要です。常に最先端を目指さねばならない。」

世界の金融機関がフィンテックへの投資を積極的に進める一方で、日本のフィンテックが出遅れている背景には、厳しい金融規制があるほかに、日本では銀行を使った送金や決済システムが発達していることや、現金を使う人が多いという独特の事情もあるようだ。ただ日本の金融機関にとってもより便利で安全なフィンテックのサービスを実現できるのかが、今後の成長のカギとなりそうだ。





■日経朝特急

① ルネサス、米国半導体買収へ
ルネサスエレクトロニクスが米国・インターシルを買収する方向で最終交渉に入った。買収額は最大で3000億円規模で、早ければ月内にも基本合意する。省電力半導体に強みを持つインターシルを傘下に収め、自動運転などで広がる車載用半導体市場で先行する狙いだ。



② 三菱UFJと日立、アジアで
三菱東京UFJ銀行と日立製作所は、近くシンガポールでフィンテックを活用した金融システムの共同開発に乗り出す。2018年にもブロックチェーンと呼ばれる仮想通貨技術で電子小切手を決済できるようにする計画で、きょうにも本格的な実証実験に入る。日本の銀行はフィンテックで米国やヨーロッパに出遅れ気味とされているが、地理的に強いアジアで金融インフラ輸出の攻勢をかける。




③ 日本の医療費、世界でも高額
OECDがまとめた2015年のGDP比の保健医療支出の推計値では、日本が順位を一気に上げて米国、スイスに次ぐ3位。GDP比では11.2%、約56兆円に上る。OECDが求める再診基準に合わせて認知症向けの生活介護など、介護関係の費用の一部が今回から新たに導入されたことなどが要因だ。




④ 総労働供給2%増加
内閣府は、日本のすべての労働者が働く時間を足し合わせた「総労働供給」を2%増やせるとの試算をまとめた。高齢者や女性の労働参加を高めることが人手不足の解消策の一つになるとみていて、家で仕事ができるテレワークなどの導入や、定年制度など、日本の慣行の見直しが課題となりそうだ。




■日刊モーサテジャーナル

① トランプ王国は借金だらけ?
米国大統領選で支持率が低迷する共和党のトランプ候補にまた痛手となる事実が明らかとなった。ニューヨークタイムズが独自調査に基づき、「実はトランプ王国は借金だらけで、さらに企業との不透明なつながりもある」と大きく報道した。トランプ候補は誰にも借りはないとする主張が崩れることになると伝えている。「トランプ候補は不動産業で少なくとも約650億円の負債があり、これは公表されている額の2倍に上る」と指摘。さらに借入先には敵とみなす中国の銀行などが含まれているという。
一方、週刊投資新聞バロンズは「トランプ候補の勝利はブラックスワン、つまり大統領選でトランプ氏の勝利は一見なさそうだが、起きた場合は大きなリスクになると警鐘を鳴らしている。また記事は、8月後半以降に発表される世論調査のほうが歴史的に大統領選の予測の的中率が高い」という専門家の声も掲載している。




② ジャクソンホールで9月利上げのヒントも?(フィナンシャルタイムズ)
市場ではアメリカの利上げは12月まで無いという見方が多いが、記事は、ジャクソンホール経済シンポジウムでは、9月利上げのヒントが得られるかもしれないと伝えている。記事は、前回のFOMCでは利上げをめぐり意見が割れたが、この会合は雇用者数が大幅に増えた7月の雇用統計前に開催されたという投資家の声を掲載し、このままマイナス要因がなければ9月利上げもあるとみている。記事はイエレン議長がジャクソンホールで9月利上げのヒントを出すことで、市場に準備を促すこともあるのでは、と警戒している。




③ NYのタクシー運転手、英語ダメでもOKに(ニューヨークタイムズ)
先週からニューヨーク市では、道の名前など基本的な知識以外でタクシードライバーになるために必要だった英語力の試験をなくした、と伝えている。ニューヨーク市はタクシー免許の試験をスペイン語など複数言語で受検を可能にすることで、移民がドライバーの仕事を見つけやすくすることが狙いとしている。一方で、記事は今回の背景として、英語での会話が必要ない配車サービス大手ウーバーなどに雇用が流出しているから、という見方を掲載している。





■ニュース

FRB副議長「目標に近い」
FRB=連邦準備制度理事会のフィッシャー副議長は21日、コロラド州で講演し、雇用と物価の両面で「我々は目標に近い」として追加の利上げに前向きな姿勢を示しました。フィッシャー氏は、過去2年の世界的なリスクにも関わらずアメリカの雇用には「明らかに勢いがある」と指摘、物価についても一部の指標は「目標の2%に届く距離にある」と強調しました。



イラク 原油輸出5%増へ
OPEC=石油輸出国機構で第2位の生産量を誇るイラクが原油の輸出をおよそ5%増やすことが分かりました。イラク北部にある最大の油田地域キルクークの石油エネルギー委員会のメンバーによりますと、日量15万バレル程度、この地域からの輸出を増やすということです。イラクは輸出の拡大に積極的な姿勢を示していて原油価格の下押し圧力になるとみられます。



リオ五輪 きょう閉会式
リオデジャネイロオリンピックはきょう閉会式を迎えます。ブラジルを訪れている安倍総理大臣は、IOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長と会談しました。安倍総理とバッハ会長はおよそ30分会談し、4年後に控える東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けて、緊密に連携していくことを確認しました。これに先立って安倍総理は総勢30名ほどの日本選手団と交流し、一人一人と握手しながらねぎらいの言葉をかけました。オリンピックの閉会式は、日本時間の午前8時から始まり、東京都の小池知事がリオデジャネイロ市長から五輪旗を引き継ぎます。

金メダル 12
銀メダル  8
銅メダル 21  合計 41(史上最多)





プールで女性8人切られ軽傷
きのう午後、東京・あきる野市の「東京サマーランド」で、波の出るプールで遊んでいた18歳から24歳の女性8人が尻などを刃物のようなもので切られ、軽傷を負う事件がありました。警視庁は傷害事件として防犯カメラの映像から不審な人物の割り出しを急いでいます。



両陛下「思い出のコート」訪問
長野県軽井沢町で静養中の天皇・皇后両陛下は、結婚前に出会いの場となった「思い出のテニスコート」を訪問されました。両陛下は、詰めかけた観光客に笑顔で手を振り、応えられ、コート脇で順番を待つテニスプレーヤーなどに「良いお天気ですが、暑いでしょう」と声を掛けて回られました。両陛下はテニスはせずに15分ほど滞在し、ベンチに座ってほほ笑みながらコートを見つめられていました。




■今週の予定

22日(月)7月全国スーパー売上高
23日(火)日銀黒田総裁あいさつ、ユーロ圏8月PMI、米7月新築住宅販売件数
24日(水)米7月中古住宅販売件数
25日(木)米ジャクソンホール経済シンポジウム(~27日)、米7月耐久財受注
26日(金)7月消費者物価指数、米4-6月期GDP(改定値)、米FRBイエレン議長講演(ジャクソンホール)




■今日の予定

7月粗鋼生産
7月全国スーパー売上高
7月主要コンビニ売上高




■【コメンテーター】東京大学大学院の渡辺努教授

・米上げめぐる発言、真意をどう読むか

--ちょっとアメリカでは利上げキャンペーンみたいなことがおこなわれていませんか。

「そうですね。短期的にはおそらく利上げを皆さんに臭わすようなことを意図的にやっているんでしょうけれど、私がちょっと関心を持っているのは、先ほどちょっと出ていましたけれども、ジョン・ウィリアムズというサンフランシスコ連銀の総裁が先週スピーチをしたわけですけれども、その中で言っていたことというのが、FEDも新しい基準、フレームワークをつくらないといけないという話をしている。どういうことかというと、自然利子率というか、均衡の利子率がどうも下がってきているんじゃないか、これが一時的ではなくて、しばらく下がったままが続くんじゃないか、そうなるとそれが金融政策の足かせになるというわけです。結果的に彼がどういうことを主張しようとしているかというと、インフレのターゲットの水準をもっと高くしたほうがいいんじゃないか、あるいは財政の役割みたいなものをもっと強調したほうがいいんじゃないか、こういうふうに話が持っていかれているわけです。」

--日本も総括がありますが、日米ともに新しい基準作りみたいなものを進めているということですか。

「そうですね。」






・日経朝特急/総労働供給2%増加、高齢者・女性の参加で

--労働者の構成ということですが、どういう風にとらえたらいいんですか。

「基本的にいい方向だと思うが、ただ最近、私が聞いたアメリカの研究者の研究なんですけれども、そういう企業がイノベーションを起こして発展していくのかというのを調べると、やっぱり若い企業、それからそこで働いている人たちも若い人たちで、人の構成というのが非常に大事なんだそうです。そういう意味ではあまり年配の人たちばかりの企業が日本で増えてしまうと、イノベーションという点ではもしかしたら少しマイナスの点があるのかもしれないですね。」






・今日の経済視点 「政府統計の刷新」

--先ほどの話だと始まりつつあるということでしたね。」

「そうですね。現状、総務省の高市大臣とそれから行政改革担当の山本幸三大臣というのが、二人おりまして、このお二方がまずいところがあるので、政府統計を直していこうということで、かなり強烈なイニシアチブを発揮されたんですね。

--まずいところがあるんですねー!

「理由としてはアベノミクスをこれだけやってきました。そこそこの数字は出てきていますけれども、やっぱり不十分だ、これは数字が間違っているんじゃないかという政治かなりの判断だと思う。もうちょっと深いところを言いますと、デフレなのかインフレなのかよく分からないという非常に微妙なところなので、精度が必要になってきているというのはあると思いますね。なのでおそらく今年中にはいろんな形で、政府の統計の変化というのは出てくると思いますので、何が起きているかということについてもう少し世の中が見やすくなるんじゃないかと思います。」








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