■マーケット
FOMCに向け警戒感
週末の株価は揃って下落しました。いよいよ今週から来週にかけて待ち受ける、年前半最大のイべントに向け警戒感も高まっています。その証拠に金曜日はアメリカの10年債利回りが終値で3年ぶりの水準まで低下するなど主要国の金利が軒並み低下。7月利上げのヒントが見いだせるのか?イギリスのEU離脱の行方など懸念材料がくすぶる中、小売売上高や物価など重要指標も多い1週間です。一方でS&P500が史上最高値に近づいていてその水準を超えてくる動きになれば心理的なサポートになりそうです。金曜日の株価終値は揃って続落です。ダウは119ドル安、1万7,865ドル。ナスダックが64ポイント下落で4,894。S&P500が19ポイントマイナスの2,096でした。
【月曜恒例 専門家インタビュー】
今週最大の注目、FOMC=連邦公開市場委員会では利上げはないとの見方が大勢です。そうした中、S&Pのチーフエコノミストは今回利上げが見送られたとしても年2回の利上げがあると予想します。
《S&Pチーフエコノミスト/ベス・アン・ボビーノ氏》
「アメリカの景気回復は楽観できるものだ。FRBはいまだに年2回の利上げはできると自信を持っている。次の利上げを2月に行い、その後で少し様子を見るだろう。大統領選が終わるのを待って、12月に再び利上げをすると予想する。」
ボビーノ氏はFRBの次の一手を見極めるうえでFOMC声明文の中にある2つの文言を注視すべきだと指摘します。
「『リスクはバランスが取れている』との表現があれば、利上げに前向きと見る。また雇用について不安視する文言を入れるのかにも注目だ。ここ数回分の声明文ではFRBは雇用について楽観的だった。雇用の正常化という目標に近づいたとの見方を後退させるのか?FRBが見方を変えるとは思わないが、注視する必要がある。」
【為替見通し】注目ポイントは「中国の指標」
解説はJPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏
金曜日はアジアから欧米に至るまで主要国の株価が軒並み下落したこともあって、全体的にリスク回避志向が強まり、為替市場では円・ドル・スイスフランが同程度強くなるというリスクオフの典型的な動きとなっています。日本時間の午前 3時前頃にイギリスの世論調査で EU 離脱派が残留派より 10ポイントもリードというニュースが流れたときには円が最も強い通貨となり、その局面で一時ユーロ円が 2013年 4月以来の 120円割れとなってます。
--今日の予想レンジが、106.20円 - 107.40円、注目ポイントは「中国の指標」 です。
今週は水曜日に FOMC、木曜日に日銀の金融政策発表が予定されているため、それまで大きな動きになりにくいと思いますが、本日は中国の重要指標がいくつか発表されますので、仮にこれらが予想を下回りようだとリスク回避の市場心理が強くなり円が買われやすいと展開になる可能性もあります。ドル円の 1か月のインプライド・ボラティリティ(予想変動率)はドル円が急落した昨年 8月後半と、今年 4月上旬のレベルを上回り始めています。リスクに対する市場心理があまりに悪化するようだと、日米金融政策の発表を待たずにドル円相場が先月の安値である 105円台半ばを試す展開もあると考えています。
【日本株見通し】注目ポイントは「物色意欲の強さ」
解説は岡三証券の小川佳紀氏
--今日の予想レンジは、16200~16500です。
イギリスのEU離脱懸念が意識される中で、売り優勢の展開となりそうです。ただ先週も日経平均が16500円水準を割り込む場面では下げ渋るなど、売り一巡後は底堅い展開を想定しています。
--注目ポイントは「物色意欲の強さ」です。
今週も重要イベントが相次ぐ中で、全体相場は方向感が出づらいと見られます。一方で先週は東証一部の新高値銘柄数が高水準となっており、個別株の物色意欲は旺盛と言えます。特に足下では業績面の裏付けがあり、成長期待も高い中身の伴った中小型株に物色の矛先が向かっています。全体相場よりも個別株、森を見るより木を見る必要が今週もありそうです。
--となるとマザーズなど新興株はずいぶん売られましたけれども、資金は戻ってくるでしょうか。
特に注目したいのが海外投資家の動向です。6月第一週の投資主体者別売買動向によると、海外投資家がマザーズ市場で6週間ぶりに買い越しに転じました。この週は世界的に代表的な株価指数のリバランスがあったことを差し引く必要がありますが、マザーズ市場にも海外投資家の資金が向かっているようです。ただ新興株の中でも海外勢の資金が向かうのはあくまで中身の伴った銘柄だけですから、しっかりと物色対象を見極める必要がありそうです。
■【コメンテーター】SMBC日興證券/肖敏捷氏
・注目の日銀決定会合、追加緩和は?
--FOMCは動かないだろうということですが、日銀に注目ですか。
動くべきだと思います。FOMCなどの外部要因で動かされているが、主導権を取り戻すべきだ。日本としては国内の状況を見ながら、積極的に何らかの判断を下すべきだと思います。
--外部に振られるというか、中国の景気、アメリカの利上げ、イギリスの国民投票など外部に視線がいってしまうのは仕方がない。ただいま国内に目を向けるべきだとすると、追加緩和のタイミングだと思われますか。
私はそう思います。やはり国内景気及びセンチメンタルをもっと改善するには日本国内に向けて緩和を続けていくべき。そこは自信を示すべきだと思います。
--手段が限られてきているという声もありますが・・・。
僕は金融政策には限界はないと思います。多分いろんな知恵があると思いますので。
・世界的な低金利
--世界的な金利低下、先ほど日経朝特急でも紹介しましたが、これだけ論争が分かれるということは、みんな迷っているんですね。
行き詰っていますね。金融市場が確かに機能していないところがある。従来通りの見方ではいけないが、基本的には黒田さんがいうように潜在成長力を高めることだと思う。これを高めるには時間がかかる。一方ではインフレ目標も2~3年かかるので、もう少し時間軸を長くするべきだ。
--長期金利の水準はリスクの尺度であるはずですが、それが見えてこなくなってしまった。
やはり実体経済を見るべきだ。
・今日の経済視点 「雇用確保」
--これは中国の話ですか。
そうです。今日はあえて改革派と景気派を取り上げたのですが、基本的に大きな争点は雇用です。つまりこれから改革をするならば、企業のリストラが雇用悪化という痛みが出てくる。これをどうするか。これから7月は中国の大学の卒業シーズンで、早速、就職難という話が出ています。もう一つは、10年前の2000年頃に同じようにリストラをやったのですが、但し当時は世界の工場になり外資がどんどん入ってきて余剰人員を吸収していった。改革の環境やタイミングは恵まれていたが、今回は雇用がもし悪化するならば、外資には期待できないのでこの痛みに政府がどう対応するかが、改革が成功するかどうかのカギです。
■特集 中国 論争激化 景気か構造改革か
中国では先月9日の人民日報の「権威人士」(権威ある人物)へのインタビュー記事がこれまでの政府の正式見解と違うことで波紋が広がって、この記事以降、経済政策論争が激しくなっています。改革か景気重視か、政策論争の背景と今後の行方を解説します。
解説はSMBC日興證券の肖敏捷氏。
--中国でいま景気か構造改革か論争が巻き起こっています。まず景気を見てみましょう。(フリップ1)
きょうは5月の数字が出揃いますので、おそらく底堅く推移する中身になると思います。昨年の混乱での景気の悪化を受けて、相当の景気刺激をやっていますので、中国の景気のけん引役である固定資産の先行指標である「新規プロジェクト計画投資額(前年比)」が急速に上がってきていることが確認できます。実際には10%ぐらいの伸びだと思うがここまで吹かしていくと、景気自体は去年の後半に比べるとかなり堅くなってくると考えられます。
--でもこれって政府が財政出動をしている。それは本来の構造改革とは一線を画してしまう動きなのではないか、ということで騒動が起きています。こちらは(フリップ2)非常に注目を集めました、先月の人民日報の記事です。『権威人士』のインタビュー記事が波紋を広げている。これはかなり衝撃的だったそうですね。
衝撃的ですよ。まず『権威人士』とはどなたなのか分かりませんし、かといって人民日報は共産党の機関紙ですし、ここまでの(大きな)取り扱いだと権威トップの人ではないかという見方が出てきてもおかしくない。
--これが現状、政府が出している景気認識に対して全く違うような話を提言しているので、非常に話題になっています。その内容というのがこちら(フリップ3)です。
①改革派(権威人士)
1-3月期の景気は、固定資産投資や融資の拡大など「古い手法」に則った結果に過ぎないと批判している。
②景気重視派(李克強氏)
ここ数年は大規模な景気刺激策はなかった。規制緩和に取り組んだからだと反論をしている。
③改革派(権威人士)
過剰な生産能力の淘汰など供給側の改革を徹底的に実施するべきだという。
④景気重視派(李克強氏)
減税など消費を喚起する需要側の改革も重要だという反論が出ている。
今後の中国の景気回復の見方について
⑤改革派(権威人士)
今後数年、需要低迷と過剰生産能力の問題が共存する局面を根本的に変えられないので、V字でもU字でもなく回復の鈍いL字型になる、と言っている。
⑥これについては5月16日付の人民日報に、「郭同欣」という署名で記事が書かれていて、景気重視派(郭同欣)「中高速度の成長を維持できる」と反論している。
--これ、行っている内容から見て、それからはっきりものを言っているところからして、改革派(権威人士)というのは習近平氏本人ではないかという声もあるそうですね。
確固たる根拠はないですけれども、ここまでの取り扱いを見ても、そして猛烈に批判している内容から見ても、かなり格の高い人だと思います。
--改革派のいら立ちが見える形ですが、ただ異例かというと、それぞれに役割分担があるはず。
景気重視派と改革派がありますが、僕らにとって一番戸惑いを感じているのは、誰が中国経済の政策を決めているのか、ということですね。従来通りのやり方で行くと、共産党総書記(の習近平氏)が一番偉い人で政治・経済・軍事の全てを見ているんですが、とりあえず習慣的に言うと総書記は政治と軍事、経済についてのメッセージを出したり政策を語るのは国務院の(李克強氏の)仕事です。今回の権威人士というのは、明らかに共産党総書記あるいはその周辺のブレーンの発言だとしますと、政治も経済も共産党のトップが牛耳っていますので、一方の国務院(李克強氏)がどういったメッセージを出すのか。僕らが見ていると、命令系統が混乱しているようだ。あるいは今回のようなやり取りを見ていくと、もしかしたら政府と共産党で、日本でいう閣内不一致ですね。世界経済からすると、はっきりして欲しいというのが僕らの見方です。
--閣内不一致とか政権闘争に発展しそうな不透明感というのは嫌ですね。中国は特に今の世界経済の行方の一つのカギを握っていますから、ではこの混乱が去年のような中国を発端とする金融不安を引き起こさないか、それをみんな心配しますよね。
とりあえず議論することはいいことです。問題点をテーブルに乗せてやるべき。かといってやっぱり一本化しないと、つまり景気か改革か、どっちかにしろと、これをはっきりしていくべきだ。最近の流れを見ていると、構造改革路線が米中戦略対話でも明らかに支持されている。「過
剰能力の淘汰」などの改革をすべきだという習近平のほうに軍配が上がっている。かといってL字の景気判断などで国内が受け入れるかど
うか。そろそろ一本化する可能性が出てい来ると思います。
--一本化する上でカギを握るのが、4-6月期のGDPです。ここで良くなっていれば、もしくは底堅くなっていれば、景気重視より改革に行こうとなるわけですね。そして夏ぐらいまでに一本化・・・
歩み寄って一本化すれば、少なくとも中国の経済政策の方向性が少し見えてくると思います。
--夏までにこの混乱が一本化できるかどうか、その機を逸すると来年秋の共産党大会まで権力闘争、混乱が続いてしまうかもしれない。
■NY便り イアン・ブレマー インタビュー
イギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱について問う国民投票が、いよいよ来週に迫りました。最新の世論調査では「離脱」と「残留」が、ほぼ拮抗していて、世論は二分されています。世界的に著名な国際政治学者であるユーラシア・グループ代表のイアン・ブレマー氏に、イギリスの国民投票にはらむ国際的なリスクについて聞きました。
《ユーラシア・グループ/イアン・ブレマー氏》
政治リスク専門のコンサルティング会社ユーラシア・グループの代表、イアン・ブレマー氏はイギリスがEUを離脱した場合、ヨーロッパやアメリカにも影響が及ぶ可能性があると見ています。
--イギリスの国民投票の行方は?
「イギリスはかろうじてEUに残るでしょうが、それも確かではない。EU離脱支持者は移民問題のほかに、イギリスが他の国から干渉されず、自分たちだけでなんでも決定できることを願っています。ユーロに対して懐疑的に思っている人もたくさんいます。しかしもしイギリスがEUを離脱した場合、アメリカとイギリスの関係、そしてヨーロッパの未来に対し非常に大きな影響を及ぼします。きっとほかのEU諸国でも同じような動きが起こるでしょう。もちろんイギリス経済にも大きな打撃を与えると見ています。」
ブレマー氏は離脱するしないの議論よりも、今回の国民投票を通して浮き彫りにされたイギリスの本質的なもんだを詳しく見る必要があると主張します。
「イギリスがEUに残る場合、それはただ単に経済的なメリットがあると考えたからです。イギリスはヨーロッパに忠誠心などありません。EU諸国と価値観を共有し、民主主義と平和、安全を一緒に築き上げる考えはないのです。最も不可解なのはドイツ、イタリア、フランス、そしてヨーロッパ全体がイギリスの強いリーダーシップを必要としていて、イギリスもそれを分かっているのに全く気にしていないことです。イギリスは非常に狭い視野で自分たちの国のことだけを考えている様に見えます。」
一方イギリスがEUに残ったとしても、現在抱えている問題が解決されるわけではないと指摘します。
「イギリスでは貧富の差が広がっています。大量の移民が流れ込んでいることを国民はよく思っていません。経済成長や生産性はまずまずですが、政府が適切な社会保障を供給できるのか、ちゃんとした職を与えられるか、大きな疑問が残ります。こうした不安がイギリスを内向きにさせ、EU離脱問題にまで発展させてしまったのです。たとえ今回EU離脱を阻止することができても、こうした根本的な問題の解決は避けて通れません。」
ではどのような状況になれば、問題の収束が見えてくるのでしょうか。ブレマー氏はイギリスのEU残留が大差で決まることだと見ています。
「全ての国にとって最も良いシナリオは、国民投票が接戦ではなく55対45くらいの大差でEU残留が決まることです。これにより更なる国民投票が向こう3年間はないでしょう。そうすればキャメロン首相は野党を抑え権力を持続し、さらにまとまりある政権を築けると思います。これはイギリスが良い方向に向かい、EU内で再び重要な役割を果たすことにつながります。今後イギリスがヨーロッパ諸国やアメリカなど多国間の通商協定を強化していくことを期待しています。また中国とは戦略的な提携でない形で関係発展を期待しています。」
今回の国民投票の行方を考える上でブレマー氏は、現状への怒りや不満を利用して大衆を扇動するポピュリズムが世界的に拡がっていると警鐘を鳴らしています。12日にオーランドで起きた銃撃事件がアメリカ大統領選でも議論になっているアメリカの内向き志向にさらに拍車をかける可能性もあります。そして今先ほど共和党のトランプ氏が声明を発表し、「オバマ大統領は過激なイスラム教徒による犯行だと指摘せず、大統領の職務を果たしていない。」と述べました。大統領選に影響が出始めています。
■【エマトピ】インフラ工事のラッシュ続く
2022年にサッカー・ワールドカップが開催されるカタール。原油価格下落の影響で石油・ガスの新規プロジェクトは延期や凍結している案件は多いものの、カタール政府はインフラ整備の予算は削らない方針だといいます。そうした中、空港やスタジアムを結ぶカタール初の地下鉄システム「ドーハメトロ」の建設には日本企業も多く関わっています。
解説は三菱商事・横田安生氏。
--このコーナーで、カタールを紹介するのは初めてなんですが、いったいどんな国なんでしょうか。
秋田県よりやや狭い面積におよそ250万人が生活しています。中東は原油というイメージがあると思うんですが、カタールはOPEC内のシェアがおよそ2%ほどと低い一方で、LNG(液化天然ガス)の輸出量が世界一の国です。人口も少ないため一人当たりのGDPはおよそ10万ドルと世界トップクラスです。
--ということは原油価格の下落の影響というのは少ないんでしょうか。
財政は苦しい状況です。しかし中東のほかの国と比較するとまだ財政が健全と言えると思います。というのもLNGの価格は原油価格に連動するのですが、カタールのLNG生産コストは他の国に比べて安く、LNGの販売価格が下がっても利益を確保できる構造になっているからです。原油価格が下落して苦しくなった昨年でも、GDP成長率は3.7%で非資源部門も順調に伸びていることもあり、今年も4%以上の成長が予想されています。
--カタールと日本のつながりはやはりLNGの分野でしょうか。
そうですね。輸出量約7700万トンのうち、およそ20%を日本に輸出していて最大の貿易相手国です。またLNGのプラントは14基あるのですが、全て千代田化工建設をはじめとする日本企業が建設を請け負っています。
--主力産業を日本が支えているということなんですね。では今後のビジネスチャンスはどんなところにあると思われていますか。
2022年にカタールで開催されるサッカーのワールドカップです。政府は原油価格の下落の影響で、石油・ガス分野の新規プロジェクトは延期や凍結をしている案件が多いのですが、インフラ整備の予算は削らない方針です。そのためワールドカップに向けてインフラ工事ラッシュは続くと予想されます。
--その中で日本企業の動きはどうですか。
2019年に完成を予定しているカタールで初めての地下鉄システム『ドーハメトロ』を弊社を含め三菱重工や近畿車両など5社で現在建設中です。これは無人運転で空港や市街地、スタジアムなどを結び、3つの路線で全長86キロメートルに及ぶ無人運転の鉄道としては世界最長のプロジェクトになります。こうした鉄道や空港など技術力を必要とする分野では今後もン本企業にとってビジネスチャンスがあると思います。
■【モーサテ・サーベイ】今週のマーケットを出演者が予想
マーケットや世界経済の先行きを番組のレギュラー出演者へのアンケートから独自に予想します。
期間 6月10日~6月12日
対象 番組出演者 37人
・ 今週末の日経平均予想 予想中央値(16200)先週終値(16601)
楽天証券/香川氏 (16800)「日銀が追加緩和を決定する可能性が高い。」
みずほ証券/三浦氏(15800)「ミニリスクオフで手じまい売りが出る」
・ 今週末のドル円相場 予想中央値(106.25)先週終値(106.93)
野村証券/池田氏(105.50)「日銀は追加緩和を見送り、失望の円買いにつながる」
FPG証券/深谷氏(106.50)「日米の金融政策に変化は無し。イギリス不安の拡大は円高圧力だが、ドルも安全通貨として買われるため、大幅に下落はしない。」
・日銀追加緩和 時期予想
6月(19%)7月(57%)9月(8%)11月(3%)12月(3%)無し(11%)
・ 日銀追加緩和 手段予想
ETF買入れ増額(86%)REIT買入れ増額(64%)国債買入れ(50%)金融機関への貸し出しにマイナス金利(50%)買入れ対象資産拡大(36%)マイナス金利幅拡大(21%)
■今週の予定
13日(月)4-6月期法人企業景気予測調査、中国5月鉱工業生産・小売売上高、米アップル世界開発者会議(~17日)
14日(火)4月鉱工業生産(確定値)、米5月小売売上高
15日(水)日銀金融政策決定会合(16日)、5月訪日外国人数、米FOMC声明文
16日(木)日銀黒田総裁会見、米5月消費者物価指数
17日(金) -
■今日の予定
4-6月期法人企業景気予測調査
中国5月鉱工業生産
中国5月小売売上高
インド5月消費者物価指数
■ニュース
米フロリダ銃乱射 死者50人
アメリカ南部フロリダ州オーランドで12日に起きた銃乱射事件は、死者が50人に達しました。アメリカの歴史上最悪の無差別殺人事件について、オバマ大統領は「事件はテロだ」との見方を示しました。「捜査に予断は持てないが、今回の事件はテロであり、憎しみによる犯行だ」多くの同性愛者が集まるナイトクラブで起きた事件について、声明を発表したオバマ大統領はこのように述べるとともにFBI=連邦捜査局が犯行の動機などを詳しく捜査していると強調しました。一方、アメリカのメディアによりますと警官との銃撃戦で死亡した容疑者の男はフロリダ州に住む29歳のアフガニスタン系のアメリカ人、オマル・マティーン容疑者と特定されました。マティーン容疑者は、殺傷力が高い武器や拳銃のほか爆発物と疑われる「装置」を所持していたもようです。また、ロイター通信によりますと、捜査当局はマティーン容疑者がイスラム過激派の思想に傾倒していた可能性もある、とみて捜査しています。
「イスラム国」事実上の犯行声明
今回の銃乱射事件をめぐり中東の過激派組織「イスラム国」が12日、事実上の犯行声明を出しました。「イスラム国」系のニュースサイトは「イスラム国の戦士が実行した」と伝えました。ただ、容疑者と「イスラム国」の関係は分かっておらず、犯行声明の信ぴょう性は不明です。
舛添氏の追及 ヤマ場に
東京都の舛添知事の政治資金流用などを巡る問題で都議会はきょう、総務委員会で集中審議を行います。各会派は一連の疑惑を厳しく問いただす方針で、議会の追及はヤマ場を迎えます。集中審議で取り上げるのは、政治資金の私的流用問題や公用車の使い方、高額な海外出張費の3項目です。都議が舛添氏側に事前に質問を通告しない一問一答形式で質疑を行い、持ち時間の中で何度でも再質問できます。きのう、都議会では各会派が質問の準備に追われました。舛添氏はこれまで家族と滞在した千葉県木更津市のホテルで面会した人物などについて詳細を明らかにしておらず、集中審議でどこまで疑惑が解明されるのか注目されます。
皇太子ご夫妻 みどりの愛護式典に
全国「みどりの愛護」のつどいの式典が千葉県柏市で開かれ、皇太子さまと雅子さまがそろって出席されました。雅子さまがつどいの式典に臨まれるのは7年ぶりです。全国「みどりの愛護」のつどいは、緑豊かな環境づくりを目指して毎年行われていて、今回で27回目を迎えます。おふたりは式典の後にも、地元の高校生の吹奏楽を鑑賞したり、千葉大学を視察するなど分刻みのスケジュールをこなされました。宮内庁によりますと、病気療養中の雅子さまは今後も体調と相談しながら公務をされていくということです。
上海の浦東空港で爆発
中国、上海の浦東国際空港できのう、男がビール瓶を使った手製の爆発物をチェックインカウンター付近に投げたところ爆発が起き、地元警察によりますと、1人が重傷、3人が軽傷を負いました。男はその後、刃物で自分の首を切りつけ病院に搬送されました。上海にある日本総領事館によりますと、爆発による負傷者の中に日本人は含まれていないということです。
■日経朝特急
①つまずいたFRB 市場の目は日銀に
5月の米雇用統計が市場予想を大幅に下回り、FRBのイエレン議長は月内の利上げ見送りを示唆した。利上げ再開が遅れれば円高・株安が進みやすくなるおそれがあり、市場は警戒を強めている。こうしたなか、市場が注目しているのは、日銀は追加緩和のカードをいつ切るのか。銀行にも家計にも評判の悪いマイナス金利政策をさらに深堀りするには、誰もが納得するような理由が不可欠だ。日銀が動くとすれば、世界経済のリスクが高まり、アメリカの利上げ延期が一時的なものでなくなったときであろうと記事は指摘している。世界経済のリスクをにらみ難しい対応を迫られている。
②マイナス金利でも、外国勢にはおいしい日本国債
日本国債の利回りが低下を続けている。10年債は一時、マイナス0.155%と過去最低を更新した。そんななか、ドルなど外貨を元手とする外国勢にとって日本国債は投資対象として美味しく、5月に日本の中長期債を1兆円買い越した。円建てではマイナスの利回りの日本国債も、ドルを円に換えて投資する際の利回りがアメリカ国債の利回りを上回っているからだ。日銀の追加緩和が見込まれるなかでは外国勢の日本国債投資は一段と拡大する見込みだ。
■日刊モーサテジャーナル
①「神経質な投資家、安全資産に走る」
フィナンシャルタイムズは、金曜日に日本はドイツの10年債利回りが過去最低水準に低下したことを受けて、「英国のEU離脱をめぐる国民投票など不透明要因から、神経質な市場参加者が安全資産を買いに走っている。ただ世界的な低金利の背景にあるのは、マイナス金利というより潜在成長率への期待の低さだ。金融緩和の目的は、経済に対する自信の回復を促し、長期金利を上昇させることであり、中央銀行は今後も景気を刺激するため、マイナス金利のさらなる拡大などあらゆる手段を用いるべき。」と主張している。一方ウォールストリートジャーナルは全く逆の論調だ。「マイナス金利だけでは成長を後押しするのは難しい。日本などの金利は名目ではマイナスでも実質はプラスのまま。物価下落のペースが早く、マイナス金利の効果が発揮されていない」と伝えている。
②アップル開発者会議、注目はSiriの進化(フィナンシャルタイムズ)
アップルは世界開発者会議を13日から開催。今回の狙いは「音声認識機能Siriを進化させることでiPhone販売につなげることでは。」と伝えている。Siriはサービス開始から5年が経つが、スマホと気軽に話ができるという当初の目的を達成しておらず、アマゾン・エコーやグーグルに後れを取っている、と指摘している。なかでもアマゾンのエコーは音楽を聴いたりニュースを読んだりする場合、Siriより使われる頻度が格段に高いという。アップルはこうした現状を打開するため、Siriとアプリを連動させるべく、今回初めてSiriの技術を開発者に開放する見込みだという。アナリストは、iPhoneの販売台数を増やすためにはハードだけではなくソフト面が重要だと話している。
③LINEの日米同時上場「今後のハイテクIPO占う」(ウォールストリートジャーナル)
無料対話アプリLINEが日米同時上場に注目。アメリカでは今年ハイテクのIPOが低迷していて、今後を占う試金石になるのでは、と伝えている。LINEは日米合わせて1000億円を調達すると見られていて、世界のハイテク企業のIPOの中で今年最大規模になる見込みだ。記事は、LINEの狙いについて、中核であるアジア市場の強化のほか、欧米市場で知名度を上げることではないか、と分析。ただフェイスブック傘下のワッツアップなど、ライバルとの激しい競争にさらされるだろうという声を掲載し、2年前に上場を見送ったが当時のほうが高い成長力を買われていたのに、と伝えている。
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