広島大学こけボランティア自習帳

コケの上にも三年目

野外観察 Bryum1・2 微環境

2006-05-13 | 野外観察

                                     [ハリガネゴケ属]

観察した場所: 舗装道路・路肩の、北西向き斜面(低地)。
           斜面は開けた場所にあり、日当たり・風通しともに良い。
           斜面のすぐ前に、ため池がある。
           ため池の周囲は、すり鉢状の地形になっている。

観察した時期: 2006年3月ー5月

Bryum1・Byum2 微環境

   ■ 生育基物: 土/どちらも地面に生えている。

   ■ 塊状個体群: 斜面におけるBryum1・Bryum2の

              塊(塊状個体群)の分布の特徴をまとめると、

              次のようになる。

        斜面最上部  Bryum2だけが、大きな塊状個体群と、
塊状個体群の連なりを 形成している。


        (最上部を除く)斜面上部~中部  Bryum1だけが
大きな塊状個体群 と、塊状個体群の連なりを形成している。


         斜面下部   Bryum1・Bryum2ともに、大きな塊をつくらず、
塊状個体群の連なり も形成していない。



        *斜面最上部/道路舗装面のすぐ外側では、
         Bryum2が大きな塊(塊状個体群・径15cm以上)を形成するとともに、道路の縁に沿って、
はっきりと帯状に、様々な大きさの塊状個体群を連ねて群生している。

         Bryum2の大きな塊状個体群と、塊状個体群の連なりの分布は、斜面の最上部に集中している。

   ■ 北西向き: 観察した斜面は全体としては北西向きであるが、
          斜面最上部の地面は、北西を向いているというよりは、
          むしろ天の方を向いている?(体が小さく、維管束をもたない
          コケ植物/蘚苔類にとっては、この程度の地面の傾斜の変化も、些細なことであるとは言えない)。

         Bryum1は、最上部を除くこの斜面の上部から、

         約6メートル下った斜面中部にかけて

         の場所で、大きな塊を形成するとともに、さまざまな大きさの
         塊状個体群を連ねて群生している。Bryum1は、地面が
しっかり北西向きになる

         斜面中央域で、塊状個体群の連なりを形成している。 

          


  
 ■ 草叢: 気温の上昇とともに草が茂り、初夏から秋にかけて、

         この斜面は一面の草叢になる。初夏5月中旬における、
         この草叢とBryum1・Bryum2の塊状個体群との

         関係は次のようである。

         Bryum1の塊状個体群の連なりは、この草叢の中にある。
         Bryum2の塊状個体群の連なりは、この草叢の縁にある。

  つづく                   

                             


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