[ハリガネゴケ属]
観察した場所: 舗装道路・路肩の、北西向き斜面(低地)。
斜面は開けた場所にあり、日当たり・風通しともに良い。
斜面のすぐ前に、ため池がある。
ため池の周囲は、すり鉢状の地形になっている。
観察した時期: 2006年3月ー5月
Bryum1・Byum2 微環境
■ 生育基物: 土/どちらも地面に生えている。
■ 塊状個体群: 斜面におけるBryum1・Bryum2の
塊(塊状個体群)の分布の特徴をまとめると、
次のようになる。
斜面最上部 Bryum2だけが、大きな塊状個体群と、塊状個体群の連なりを 形成している。
(最上部を除く)斜面上部~中部 Bryum1だけが、大きな塊状個体群 と、塊状個体群の連なりを形成している。
斜面下部 Bryum1・Bryum2ともに、大きな塊をつくらず、塊状個体群の連なり も形成していない。
*斜面最上部/道路舗装面のすぐ外側では、
Bryum2が大きな塊(塊状個体群・径15cm以上)を形成するとともに、道路の縁に沿って、はっきりと帯状に、様々な大きさの塊状個体群を連ねて群生している。
Bryum2の大きな塊状個体群と、塊状個体群の連なりの分布は、斜面の最上部に集中している。
■ 北西向き: 観察した斜面は全体としては北西向きであるが、
斜面最上部の地面は、北西を向いているというよりは、
むしろ天の方を向いている?(体が小さく、維管束をもたない
コケ植物/蘚苔類にとっては、この程度の地面の傾斜の変化も、些細なことであるとは言えない)。
Bryum1は、最上部を除くこの斜面の上部から、
約6メートル下った斜面中部にかけて
の場所で、大きな塊を形成するとともに、さまざまな大きさの
塊状個体群を連ねて群生している。Bryum1は、地面がしっかり北西向きになる
斜面中央域で、塊状個体群の連なりを形成している。
■ 草叢: 気温の上昇とともに草が茂り、初夏から秋にかけて、
この斜面は一面の草叢になる。初夏5月中旬における、
この草叢とBryum1・Bryum2の塊状個体群との
関係は次のようである。
Bryum1の塊状個体群の連なりは、この草叢の中にある。
Bryum2の塊状個体群の連なりは、この草叢の縁にある。
つづく