特定非営利活動法人精神医療サポートセンター

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一歩踏み出した病院の株式化

2006年08月01日 | 看護論的経営論
 先月29日、横浜市で日本初の株式会社経営としてのクリニックが開業された。私は、以前から病院の株式化については、本書「精神科看護師、謀反」でも大げさなほどに、看護改革の一環として触れてきた。株式化の長所は、ご覧の通り。資本調達により、高額医療機器の導入が可能となる。将来上場することが可能となれば、さらに病院経営の流動化は進み、優れた経営者の選出も可能となる。同時に、いままで無能とされていた経営者は堕落していくことになり、良質の医療が提供できることになるだろう。
 株式会社になれば、不祥事は致命傷。つまり、病院でいう医療過誤に相当する事象である。株式化するだけで、医療事故は激減し、医療の質は劇的に向上する。ただ、忘れてはならないのは株式化することで生じる短所だ。株式化されれば、投資家の資本を募るわけであるから、経営者側も血眼(ちまなこ)になる。そこで、粉飾決算や医療事故の隠蔽が増えるのではないかということだ。もちろん、新しいことを導入するとなるとマイナス面も浮き上がってくるのは承知の上。そこで、予め予想されることへの対応は怠ってはならない。必ず大きな問題となる。さらに、株式化することで地域の医療バランスは完全に崩れるはず。この点も考慮して考えていかなければならない。また逆に長所として、今問題となっている産科医や小児科医の不足の問題にも歯止めがかかるかもしれない。今流行のIT企業が参入すれば、医療技術の進歩はさらに劇的に進むだろう。病院の株式化は沢山の問題を抱えていると同時に、無限大の可能性を秘めている。

私は、この“病院の株式化”というものにはかなりの期待を持っている。だからこそ、問題点をさらにあぶり長所としての“可能性”も見出し医療の方向性を夢としてではなく、現実のものとして考えてゆきたいのである。








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最後までご閲覧いただきありがとうございます。拙著本「精神科看護師、謀反」も看護の参考にしていただければ幸いです。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ぷらっとこうち、設立の趣旨にもどれ (堀 俊明)
2006-08-03 06:12:14
 私の写真が載せてあります。
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はじめまして (ひーすけ)
2006-08-03 08:20:33
nursmanさんのところにたまにコメントさせていただいてます、ひーすけと申します。

越智さん(もっさんとは呼びにくいです・・・)のブログも3月くらいから読ませていただいてました。毎回興味深い内容、考えさせられることが多く、時には難しい・・・(笑)

ひーすけは高校を卒業して調剤薬局(6年)→准看護師→すぐ進学の夜学に入学し、現在3年生です。3月まで2年間、外科病棟に勤めていました。4月から実習のため退職し、今は夏休みです。



病院が株式化するなんて、驚きです。まったく知りませんでした。

越智さんがお話していたように長所もあれば短所もある、まったくその通りだと思いました。株式化された病院かぁ~、うーん複雑。でもその病院の今後に注目していきたいですね。

ひーすけが3月まで勤めていた病院は、今ではドクターばかり増えているようです・・・ボーナスや燃料手当てが減る中で。基本給もほかと比べて少ないほうでした。

こんな経営、どうかと思いました。理事長は医師でもあるのですが、理事長の仕事に専念して欲しいものです。ものすごい多忙ぶりがひーすけにもよく伝わってきていました。「だから黒字経営ができないんじゃない?」って、疑問でした。

はっ・・・

株式化について全く触れずにすみません。

ひーすけが前に務めていた病院の話になってしまいましたぁぁぁ。

あっ、冷蔵庫、見ましたよ。うまく表現できませんがひーすけはせつない気持ちでいっぱいになりました・・・

今後もコメントさせて下さい、よろしくお願いします。

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Unknown (もっさん)
2006-08-03 17:48:14
>堀 俊明さん



どれが堀さんですか?三人いてて誰が誰だか・・・。
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Unknown (もっさん)
2006-08-03 17:51:06
>ひーすけさん



ふむ。なるほど、前の職場ではいろいろな愚痴はあったんでしょうね。でもとりあえず、今は専門課程の3年生のもうほとんど後半じゃないですか。実習が終わったら、打ち上げなんてしたりするんですか?それを目指して後半年がんばるんだ~。ちなみに今京都です。
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Unknown (ナースマン)
2006-08-11 12:41:22
こんにちは。

株式の話、興味深くみさせていただきました!



これってたとえば上場して買収された場合、全くの素人が病院経営に携わることもありえますよね。

何をやるにしてもメリット・デメリットはあるでしょうが…



その場合、純粋な医療を提供するという点について、質の劣悪が起きそうな気がします。

もちろん良い経営者にあたればそんな心配もないでしょうが…



いずれにせよ資金調達ができるというのは、病院にとっていいことですよね。

医療の幅も広がり、メリットは大きいと思います。
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Unknown (もっさん)
2006-08-11 20:27:02
>ナースマンさん



そうですねぇ。筆頭株主がまったくのど素人でも私はかまわないと思っているんですよ。今、理事長は医者じゃないといけないという法律があるでしょ?医者が理事長であって、十分な医療が提供できているかということなんですよ。つまり、トップが医療従事者であって、医療従事者たる効果が現れているかということなんです。逆に、ど素人がトップに立っても、利益を得るために色々な方法で、努力をするはずです。下のものをうまく利用するのもそうでしょうし、自分自身が勉強するのもそうでしょう。適当なことをしていると経営は成り立たなくなります。逆に安く買い叩かれないように、必至に努力するでしょう。と、まぁ病院が株式化する自体容易なことではありませんし、上場するとなるとかなりの法整備が必要になりますし、先は長いですねぇ(株式化強硬派ですが、控えめに言ってみました^^)。
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