先日、次の職場を探すために、めぼしい病院を当たってみた。以前にもお話したとおり、私の第一希望は三次救急(以下A病院と表現する)。しかし、そこからの返事はなく条件も私に合わない部分もあり、とありあえず二次救急(以下B病院と表現する)のある病院へ面接に行くことになった。どちらかといえば、A病院への気持ちは7割、面接に行ったB病院への気持ちは3割といった感じであった。
B病院の面接では、看護部長との面接。リラックスできる環境を与えてくださり、自分の主張も聞いてくださった。私の恩師にも似た寛大な看護部長との印象を受けた。そこで耳にしたのが、看護師の定着率。もちろん、結婚その他諸事情で退職する看護師はいるのだが、その離職率がここ数年減少しているという。数値的にはデータを取っていないのでわからないが、ここ数年で数十人の看護師の増加がみられているという話を聞いた。もちろん、看護部長自信から自らの努力の成果であるとは口にされなかったが、私はあの看護部長の采配の成果だと率直に感じた。
要は、看護師の定着率が病院の質を象徴しているということである。優れた教育システムがあり、優れた設備があったとしても、看護師の入れ替わりが激しい病院の質の向上は望めない。効率的な教育を実施していても、その教育を身につけた人間がすぐにやめ、また新人の教育をせねばならぬようならば、効率的というよりもまったく対照的に非効率な病院であるといえよう。もしそのような病院があるのならば、看護師の定着率を上げることを目指すべきである。さらに重視すべきは、新人看護師の定着率である。もう一歩踏み込んでいうとすれば、個人病院がその率の改善に取り組む必要性にも言及したい。公務員は、今の日本社会ではやや信頼性を失いかけているとはいえ、まだまだ安定職であるから、個人病院に比べると離職率も低いはずである。個人病院は、その有益性・特殊性に欠けるが故、離職率も目立つ。看護師という職業は、数の不足という理由から、病院を選ばなければすぐにでも働ける現状があるのもその原因のひとつだろう。病院経営を建て直す、もしくはさらに成長させたいと考えるのであれば、病院各システムの改善と平行して看護スタッフの定着率を上げることにも取り組むことだ。むしろそのウェイトを、定着率の向上に傾けてほしいくらいだ。
中には、離職率を肯定的とはいわないまでも、収益性から考えてプラス面と捉えていたり、それほど重い問題と捉えていない経営者もいるかもしれない。もしそのように考えているいる経営者がいるならばその経営にはかなりの問題があろう。
私が、病院を評価するとすれば、やはり看護師の定着率からみる。医療評価機構だの新システムの導入だのと謳っていようが、看護師が次から次へと入れ替わっているような病院の質は、分厚い金鍍金につつまれたもろい質の病院だ。
私は、直接病院経営には関わっているわけでもないのに、ここまで経営にこだわるには理由がある。それは、
※病院経営が患者への看護に直結するから
である。当たり前のことかもしれないが、手元の細かい業務問題だけではなく、一看護師もそのあたりにもっと眼を向けてほしい。
最後に、“看護師”の定着率に言及したのは病院でその多くを占めるのが看護師だからであることを付け加えておく。
正直、一昔前のB病院の印象は良いとはいえないものであった。だが、これらの情報を含め、看護部長と色々話をした(定着率だけで気持ちが変わったわけではない)結果、9割以上B病院に行く気もちが傾いた。むしろ、「行きたい」と思うようになった。看護部長が変われば、病院もここまで変わるものかと驚かされる面接でもあった。
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異動が定期的にあります。利用者とコミュニケーションが取れたのに、すぐ異動という話も聞きます。また業務が過密なのと、やはり主任クラスや同僚・部下に派閥が出来、それに巻き込まれて発病のケースもあります。心の病に冷淡なのは意外にも医療・福祉従事者
なのではと思う時がありますね。
いえいえとんでもない。ご感想を読ませていただき、正直嬉しかったですよ。以前、書き溜めていたブログも大量に削除したので、次回作の材料がざっくり消えてしまった形になりましたが、どうせなら次はもっと味のあるものを出版してみたいと思います。無理だと思いますが、気持ちだけでも持ち続けようかなと。ははは・・・涙
そうですね。おたがいがんばりましょう!
看護師の定着率は、この文面だけではやや説明足らずな部分がありますので、補足説明は必要ですが、確かに重要な評価ポイントだと思っています。この評価には、色々付け加える前提というものがあるのですが、例えば、昔ながらの看護職員が高価な給料をもらっている為看護師の病院定着率が高いというようなものは除外して考えなければならないでしょう。他にも色々あるでしょうが、そういう例外というか事例を省いたうえで考えなければなりません。難しいですねぇ。ほんと・・・
コメントありがとうございます。次のブログにもありますが、残念な結果になりました。それは、自分の行動にも原因があるとしてと。
サービスの質の向上という概念も相当大きなものがありますよね。もちろん、全体を向上させる必要があるのでしょうが、まずどこからどのように取り組めばよいのか、諸条件が絡み合うので方程式のようにもいきませんしね。本当に難しい問題です。私は、まず看護師の質に着目したいと思っています。切り口をどこから入れるかはさまざまだと思いますが、そこからの改革も必要だと思っています。また時間があるときにでもブログに書くつもりですが、看護師の「数と質」これですよこれ。これが、キーポイントなんです。
ありがとうございました
精神科では働いたことはないのですが
現在は2次救急病院の一般病棟で勤務
しています
ブログの内容をすこしずつ拝見しています
もっさんさんがいう
看護師の定着率が病院の質を象徴しているということである
ということですが、自分もそう思うところが
あります
現在の病院では、お礼奉公のシステムがあり
終わるとみんなやめていってしまうため
中堅クラスの看護師がいません
上の人と新人だけでは病棟での業務の周りも
うまくいかず、患者さんに提供できる
看護の質も悪いと感じています
いろいろ考えることがあるのですが
1つ解決すると2つ問題がでてくるといった
ような状態でたいへんです
また、ブログをのぞきにくるので
お互いがんばりましょう~!
コメントありがとうございました。
実は私も元ナースで、同じような
ことを感じたことがあったので
おっしゃる気持ちがとてもよく分かります。
経営の仕方で看護の質への影響があるのは
悲しいけれど、仕方のないことですよね。
私も今商学部でマーケティングについて
勉強しているので、
サービスの質の向上と経営が
医療とか福祉市場で成り立つ方法が
あったらいいなあと
いろいろ考えたりしてます。
上司の考え方がいいとこで働きたいですよね~。
いい病院見つかるといいですね。
ベテランさんのママチさんが現場で奮闘してらっしゃる姿が目に浮かびます。相手を納得させ、自然に周りを変えさせることができるのも、ママチさんならでわのものかもしれません。
20年昔の男子看護学生とそのようなことがあったことは、当時はショッキングだったと思いますが、それは男子だけではなく、その精神科に勤めている女性もいかばかりか同じような感覚で看護されていたのだと思います。大変な時代だったのですよね。わかります。
私の空いている時間はかなり不規則です。家にいてるときは、とりあえずパソコンはつながっていますが、チャットとなるとMSNですかね???どんなもんでしょう。でも、私とチャットをしても疲れるだけだと思いますよ・・・・。私は、色々ご指導いただきたい部分が山ほどありますので、もちろん喜んで。って感じですが。
《しってますか?一昔前は、詰め所で棒切れを持って夜勤していた(患者にやられないように)とか、言うことを聞かないという理由で保護室に入れられたり、殴られたり、病気がそうさせているのに抵抗しているだけで、抑えるだけではなく殴られたり、必要のない暴行(必要のある暴行があるという意味ではありません)までされている時代があったのです》
20年近く前の看学時代。私は勤労学生で国試を目指す定時制の高看で4年間学んでいました。医師会での学校でしたので、学年160名からの学生が、名古屋市内の個人病院と言う個人病院に散らばり、働きながら学んでいました。でね、その当時から看護師を目指す男の子が4,5人居たのですが、どう言う訳か当時は皆精神科勤務だったんですよね。たまたま、学校行事の委員会で一緒になったことがきっかけでほんの少し親しくなったのですが、あることがきっかけで軽蔑・嫌悪することになり、一切の交流も立ちました。そのきっかけが、もっさんの言う所のそれ、そのものだったんです。しかも、「殴ってやった!」「泣いて誤るまで蹴りを入れてやった」と、平然?いや、確か愉快そうに話していた記憶があります。kaisaさんも言っていましたが、その頃の状態は看護ではなくて監護だったんでしょうかね。
《経験のある看護師が、初めて精神科に入りそのような環境に驚くことも多々ありますが、それは、一概にその精神科に長年勤めていた看護師たちが悪いというのではなく歴史がそうさせた、といってもよいかもしれません。人間というものは、その環境に入ればほとんどがそうなってしまうものです。それをどう変えていくか、その環境の中で自分の看護をどう遂行するか、しかも、周囲との調和とをる。これが非常に難しいところなんですよね。》
まさに今取り組んでいる所かな?朱に交わりすぎず、でも、ほんのり染まる。難しいけれど、年の功で頑張ってみるわ(・・。)ゞ テヘ
忙しいもっさん、どんな時間帯が空いているのでしょう? どうも我流でパソに触っているせいか、ブログにチャットを付けられなくて・・・。プロバイダ内のチャットに部屋を一時的に作って集合!と思っているのですが・・。
本当にありがたいことです。これで、自分のしたいことが実現すればよいのですが・・・・。デスさんは、ブログを始めたころからの一番最初の先輩ですから、本当にお世話になりっぱなしですよ!!!これからもお世話になりっぱなしになると思いますが(^-^)
自分のことのように嬉しく思います。
こうやって本が広がっていくと良いですね。
なんて言ってる場合ではなく、次なる宣伝方法を考えねばなりません。
さてどうしたものか・・・?
迅速にコメントくださり、ありがとうございます。外部にいえない悲惨さ、それは今後もっと外部に知ってもらう必要があるでしょうね。それを知るのは、入院した家族さんや患者さん本人でしかありません。家族さんの目の前では態度を変えたりしますので、なかなか目にとまることもないと思いますが・・・。しかし、その悲惨さを状況そのままつたえるよりまず、精神科の看護師(だけにかぎったはなしではありませんが)が積極的に学ぶ姿勢を身につけなくてはなりません。少なくとも、そういう環境を整える必要はあると思います。そのためにも、ブログでの活動は続けるつもりです。現在、私も大きな壁にぶつかっております。以前に失敗から軽々とブログにかけないこともありますが、周辺に迷惑をかけないよう、じっくりと看護に対する問題提起をしていきたいともいます。これからもよろしくお願いいたします。
精神科では、不満も募り、若かったせいもあり、私の精神が参ってしまい、心療内科へ通っていました。
やはり色々あります。
外部者には言えない悲惨な状況も多かったです。
こういうお話ができる方と、出逢えまして光栄です。では、また伺います。
私は、20代で精神科病棟(大阪府立中宮HP、思春期女子)4年勤務し、どうしても許せないことが多く、他の病院へ。内科、小児科や救急などを経験しましたが、やはり病院の体制や色々不満が募り、30歳を過ぎて、訪問看護へ。かなりハードですが、私には、在宅が合うようです。
今は、組織を離れ、個人で訪問看護や悩み相談や講習会をしています。
これからも拝読しに参りますね。勉強をさせていただきますね。よろしくお願いします。
お声をお掛けくださって嬉しかったです。ありがとうございました。
今後もよろしくお願いします。
まさにそのとおりですね・・・・。試練だらけです。世の中にはもっと苦しい人がいるのに、何をへこんでるんだと自分を責める今日この頃です。最近、枕がよく濡れてるなー??とおもたら・・・・、あ!なるほど、泣きすぎて・・・・納得。
遅ればせながら、HP開設おめでとうございます。
これから、色々な試練があると思いますが、
負けずに、頑張って下さいね。^^
本文と、関係ない書き込みでごめんなさい。m(_ _=)m
また落ち着いたらご連絡くださいね。お待ちしています
コメント:>どさんこママチさん
おっしゃるような気持ちはすごくわかります。私の看護師という職業のありかたは、“その環境の中でいかに看護師らしく看護職を遂行できるか”というところにあります。ですから、経営状態がわるかろうとオーナーがワンマンだろうと、目の前にいる患者に対する看護はかわらない。そう思っています。よく、「この病院では、私の看護ができない。」とか「この病院の方針は、私の看護観にあわない」等おっしゃる方もいます。ですが、それは自分の看護を目指すために、目の前の患者から離れるというやや矛盾した感覚を覚えます。
自ら経験を積みたいのであれば、方法は沢山あると思いますが、看護師にもそして患者にも一見ふさわしくないと思われる環境で、“いかに看護らしい看護を患者に提供することができるか”を考えることが自分を磨く方法でもあります。“自分の病院・病棟の看護師とは考えが合わない”とおっしゃり辞めていく方もいますが、そこは自分を鍛える絶好の環境です。人間関係を保つことができるようにすることは、患者とのコミュニケーション技術の向上にもつながりますよね。ママチさんの場合は、人間関係は良好のようですので、上記にあるようなことは必要ないかと思いますが、ひとつだけ聞いていただきたいことがあります。簡単に言うと、
現状の精神科レベルがそれ
であるということです。私が勤めていた病院は、まだ患者に対する対応もましなほうだったと聞きます。日本機能評価機受診にあたり、10年ほどでガラッと質もあがりました。周囲の病院の話を聞きますと、まだ、5年、いや10年ほど昔の精神科看護をしている感想を持ちます。
しってますか?一昔前は、詰め所で棒切れを持って夜勤していた(患者にやられないように)とか、言うことを聞かないという理由で保護室に入れられたり、殴られたり、病気がそうさせているのに抵抗しているだけで、抑えるだけではなく殴られたり、必要のない暴行(必要のある暴行があるという意味ではありません)までされている時代があったのです。それから考えると、今の精神科は様変わりしたと思いますが、患者を呼び捨てにしたり、あきらかに馬鹿にしたような対応などは、まだまだレベルの低さは残っています。看護レベルという以前に、モラルの低さも目に付きます。
経験のある看護師が、初めて精神科に入りそのような環境に驚くことも多々ありますが、それは、一概にその精神科に長年勤めていた看護師たちが悪いというのではなく歴史がそうさせた、といってもよいかもしれません。人間というものは、その環境に入ればほとんどがそうなってしまうものです。それをどう変えていくか、その環境の中で自分の看護をどう遂行するか、しかも、周囲との調和とをる。これが非常に難しいところなんですよね。
話が長くなりましたが、言い出すときりがありません。チャットなど、場所を用意してくだされば伺いますよ。
ここまで看護を真剣に考えてくださる方がいらっしゃるというのは、本当にうれしいです。
自分のブログで感想をほんの少しだけ書きましたが、貴方手の本を読ませて頂いて一つ一つのセンテンスごとに『そうそう、ホントにそうなのよ』と語りたくなるほどでした。ただ、自分に思いに当てはまるからこそ反省しなくちゃいけないなって言う部分もあったりして。また、何度も読み返そうと思っています。早速「貸して!!」と言う声も上がっていました。どんどん貸し出そうと思っています。そして、その中から私と同じように是非欲しい!と思ってくれる人が出てくれれば私も嬉しいなって思っています。
で、本日のスレへの感想です。
私も昨年の秋 転職を経験しました。それまでは結婚だったり、子どもの出産だったり、主人の転勤だったりと人生の転機で職場を変っていましたが、今回初めて自分の意思で変りました。幾つか面接を受けた中で地域的なニーズの高さと、それまでに自分が目指す看護との違いを前職場に感じていたものがここなら出来るのではと言う期待で精神科に再就職を決めました。現状は目指したいものをしたくても、看護の質自体があまりにも低く、病院がどういう方向性を持っているのかが見えず、地域に精神科が少なく患者がおのずと寄ってくる事にあぐらをかいている様な印象さえ感じます。
で、今回の文章から私の思いと同じ部分を発見!
《医療評価機構だの新システムの導入だのと謳っていようが、看護師が次から次へと入れ替わっているような病院の質は、分厚い金鍍金につつまれたもろい質の病院だ。》まさにコレ! もう少し様子を見よう・・・で5ヶ月。この先何ヶ月頑張ろうかな・・・と呟く日々。でも、逃げるようには去りたくない。自分にもう少し精神科ナースとしての力を付けてから・・・なんて思っていますが、この職場で果たして力も付くものか・・・?とも思いつつ。
全然違う話ですが、折角お近づきに成れたことですし、可能なら直にお話したいです。・・・チャットなんかで時間が作れたら嬉しいなと思うママチでした。
また、もうひとつの見方として、離職率が高いからといってレベルがひくくないのでは?との印象を受ける施設もあるかと思いますが、それは、もっと質を上げる余地のある施設であると考えています。しかし、個人要因の大半は離職率にある程度比例するものであると考えています。ですが、離職率=(イコール)という考え方で表現するとなるとやや説明が苦しくなるので、イコールとは表現しないほうが適切かもしれませんね。
離職の原因はデスさんの仰るように複合的ですので、それら諸々の原因を補う努力も必要になってくると思います。
優れた教育制度があるせいで、その教育を受けたいが為に就職し、それを学んで外に出るというコトも有り得ますので。
しかも定着率が良いと言うことは、前回のブログの内容にあった、看護師の流動性と言う部分とは逆になることかも知れませんしね。
そういった部分で言うと、離職率=質の悪さとも言い切れないと思うのですが、如何でしょう?