特定非営利活動法人精神医療サポートセンター

発達障害、統合失調症、アルコール依存症、ベンゾジアゼピン系薬剤の依存等々、精神科医療についての困りごとに対応いたします。

医師の立場 看護師の立場  -診療の補助とは-

2009年06月25日 | 看護論的経営論


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特に地方の精神科では、未だに


「主治医に上伸お願いします」


ほとんどの精神科で、こういうセリフは聞かれなくなっただろうが、未だにそういうセリフが生きている病院もあると思う。

言葉にこだわるのではない。しかし、言葉は現場の現状を表しているとも言えるので馬鹿にはできない。



また、医師に意見をする看護師に対して


「それは医者の領域」
「そこまでいうなら医者になればいい」

こんな言葉も聞かれることがあるが・・・





では、医師の役割とは何か、看護師の役割とは





医師は患者を診察し処方をする。
そして、看護師は、保健師助産師看護師法にあるように、
「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。」と規定されている。



これが、それぞれの役割だとはだれもが分かっている。しかし、この法律の解釈に個々人に大きなずれが生じている。




診療の補助とは何なのか。

・薬に関しては一切意見をしてはいけない
・意見をするなら医者になれ

診断や処方に対して
・看護師が意見することは越権



このような風潮があるとすれば、看護師が自らの位置づけを分かっていないか、医師のメンタルが成熟していなのかの、どちらか、あるいはその両方だろう。


薬剤の処方や診断に対して、看護師が医師に意見をすることは何ら問題がない。いや、むしろ、看護師の義務であろう。

患者の状態を常に見ているのは看護師であるし、それに対して、観察点だけを伝えるのではなく、薬剤の種類や量、また、診断名まで言及して意見する必要があるというのが私の考えである。

医師の能力を試すかのように、患者情報だけちらつかせて、答えを求め(あとは主治医次第と)るのはむしろ治療への遠道。看護師の観察から得た情報をもとに、その知識で医師に回答を求めるのは何ら問題がない以前にそうすべきだろう。


そこで問題となるのが、
※医師のプライド
※看護師の知識と謙虚さ
だと思う。



双方の立場をわきまえて、情報交換をすることが何よりもいいチーム医療を形成することになるし、これを否定する医療従事者は、患者優先ではなく己中心なのだろう。

それはそれで自由だが、最低限、患者優先の看護を否定せず、見守りに徹すべきである。



基本的に、医師・看護師双方の間違ったプライドと遠慮は捨てて、日夜堂々と議論できる空気が常であるような医療現場を作り上げてほしいものである。








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4 コメント

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(^-^)/ (三日月も)
2009-06-25 14:55:42
お久しぶりです。

私は診療所の外来を中心にしか言えませんが、医師に関しては時間とキャリアに比例して、同じ医療従事者に患者に見えない壁が出来るのでしょうか。また、共に働く医療従事者も"そう言うものなんだ"とお考えなのでしょうか。私、今回の記事を拝見した後に、ある方が頭に浮かびました。内緒です。昔は分かりませんが、今は映画に出て来るような大銀行の金庫の厚い扉を仕事中張り巡らしておられる方がいらっしゃいます。診察室はプライバシー保護の為、防音対策の壁が必要ですが、診察と診察の合間に診察室を出られてからも先生の周りに壁が。私は医療従事者ではありませんが、よく見えます。(-"-;)そう言う所を見ると、私の立場でどうしていいか分かりません。院内の空気や壁で医療スタッフが悩んでるの分かっても、私の立場からは何も出来ないのが現状ですね。
無料しないでね。あなたがこの病院にいるから私、病院来るの楽しいです。ってね。\(^_^)/
追伸:私の名前は"三日月も"です。私が誰かお分かりのようですね。名前間違えたら大変ですよ!そう言えばnursman様の最新のブログが...。
返信する
Unknown (マロン)
2009-06-26 21:21:18
様々な精神疾患って 今だに 原因も はっきりとせず 数値で見えるわけでもなく・・
ひたすら 患者の様子見を始め 話を聞く、
家族からの話にも よ~く 耳を傾ける・・
医師の洞察力・・とでも 申しましょうか・・
その必要性を 感じている精神科医は 一体
どの位、いらっしゃるでしょうか・・。
その為には 初回以外、5~10分の診察で
一体 何が わかるでしょうか・・

二回目からの診察は 「その後 如何ですか?」・・「変わりないです」・・「では
お薬は そのままで」・・
眠れないと言えば 眠剤を、不安があると
言えば 抗不安薬を、何かが 聞こえると
言えば 安易に 抗精神薬を増やし、
副作用が出れば 抗パ剤を、最初から セットの場合も・・等々・・
たとえ、精神障害者として認定されても
ダメージを受けていない機能で 各々の
人生が 歩める事を・・切に 願います。

入院の場合、特に 精神科においては 看護師
さんの観察から 医療に反映させる事は
とても 大切だと 思います・・勿論、看護師の方々も 精神疾患の色々を 学ばれた上で
ですが・・。
医師のプライドの尊重、越権行為・・もう
そんな事に 拘っている場合では 
ないような気がします。
精神科だからこそ それが必要、出来る事では
ないでしょうか・・。

抗精神薬は 感情を鈍らせる、麻痺させる、
頭の中を 真っ白にさせる・・医師の
マニュアルには ある一定量から使用・・と
あり、とにかく 症状をたたく、ダメなら
増量と・・こうやって さらに 病者が 
作られていく・・そんな事が 事実であろうかと 見え始めてきた昨今・・です。
返信する
おはようございます (どら)
2009-07-17 08:59:09
以前はお忙しい中、コメ返しをいただき、ありがとうございました。
掘り返すようで申し訳ありません。記事を読んで看護学校1年の戴帽式の時を思い出しました。

>われは心より医師をたすけ

これは違う!と、生意気にクラスで新しい誓詞を考えたのです。医師と同等にというような内容でした。1年の考えですし、看護の世界を知らないに等しいなりに討論しました。結局、教務や校長(院長)が認めてくれたので、独自の誓詞で戴帽式を終えました。
そんな仲間でしたが、皆 3年間欠員なく卒業しました。国試も全員合格できたので良かったです。なんか横道にそれてしまい、すみません!

暑くなりましたね。学校は京都でしたが今は縁あって滋賀県人です。京都よりは涼しいほうですが。夏バテにお気をつけて。御活躍をお祈り申し上げます。
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Unknown (通りすがりの人)
2009-07-31 01:34:54
学術において…通りすがりの人がお答えいたしましょう(^^)って
 以前、越智先生の家でも…話しましたね。ですから…これを読んだ方に対して裏付けを与える形で発言しちゃいます

 保助看法に書いてある通り…
看護師にも予測する義務がありますね。
それに基づけば…医師の薬の内容がおかしいと判断できる状況下であれば…指摘しなければなりません。
熊本大学の「宇佐美しおり」先生の文献にも記載しています。~医学書院の「困ったときの精神看護」の薬物療法の部分を参照です~

でわでわ~
 
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