各通貨ペアの日足チャート 出所:セントラル短資FX|為替チャート一覧 ドル円は、
5月1日のISM製造業景況指数が予想を上回って追加利上げ観測が強まり、
5月2日に137.7円台を付けた。
5月4日の0.25%利上げは予想通りだったが利上げ停止の可能性が示唆され、
5月安値の133.4円台まで下げた。米地銀懸念もドル安圧力となった。
5月5日の雇用統計で雇用者数が予想を上回る伸びでドル高に転じた。
5月10日のCPIや
5月11日のPPIを受けて下押ししたが133.7円台どまりだった。
5月12日の消費者調査速報値では長期インフレ期待が高水準で、金利上昇、ドル高となった。
5月17日の小売売上高等の指標や複数のFRB高官のタカ派発言でドル高が進んだ。
5月18日のフィラデルフィア連銀製造業指数が持ち直して138.7円台を付け、
5月24日のFOMC議事要旨で一段高、さらに
5月26日のPCE価格指数、
5月28日の米債務上限に関する大統領と下院議長の合意で
5月29日に140.9円台まで上げた。
5月30日の日本の3者会合で警戒感が強まり、6月1日に138.3円台まで下げたが、6月2日に債務上限法案が上院でも可決され、雇用統計で米雇用者数が予想を上回る結果となってドル高、139.9円台で終えた。
結局、日銀の金融緩和姿勢は変わらず、米国の各種指数でドル円が変動しても絶対的な金利差は大きく、ドル高円安がずいぶん進んだ。
ユーロドルは、5月4日にECBが0.25%利上げし、追加利上げの可能性が高いと示唆されて5月高値の$1.109台の高値を付けた。その後は下げに転じ、ユーロ圏のインフレが年内に急低下するとの見方がレーンECB専務理事の5月9日の講演で示されて続落、5月25日にドイツのリセッション入りが確認され、5月31日にドイツのインフレが大幅に減速して$1.063台の安値を付けた。
5月は月初を高値に一本調子で続落し、5月20日の分析では売転換した。
ユーロ円は、5月2日に151.6円台の5月高値を付けた後、5月11に5月安値の146.1円台に反落した。その後は戻り歩調となったものの5月29日の151.0円台止まりで反落した。
各国の動きとニュース
米国関連。
5月1日 ISM製造業景況指数
米ISM製造業総合景況指数、4月は47.1に上昇-市場予想上回る
米供給管理協会(ISM)が発表した4月の製造業総合景況指数は前月から上昇したものの、6カ月連続で活動縮小を示した。6カ月連続は2009年以来の長さで、製造業の低迷が...
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5月4日 FOMCとパウエル議長の記者会見
FOMC、0.25ポイント利上げ-パウエル議長は停止の可能性示唆
米連邦公開市場委員会(FOMC)は5月2、3日に開催した定例会合で、主要政策金利を0.25ポイント引き上げることを決定。一方、経済面でのリスクが強まる中、利上げが今...
Bloomberg.com
5月5日 雇用統計
米雇用統計、4月の非農業部門雇用者数は25.3万人増-失業率3.4%
米国では4月、雇用者数と賃金の伸びがいずれも加速した。景気が向かい風に直面する中、労働市場の強靱(きょうじん)さと新たなインフレ圧力が示唆された。
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5月10日 CPI
米消費者物価指数、4月は前月比0.4%上昇-前年比では4.9%上昇
4月の米消費者物価指数(CPI)統計ではインフレ鈍化の兆候が示唆された。総合CPIの前年同月比の伸びは約2年ぶりに5%を切り、変動の大きい食品とエネルギーを除く...
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5月11日 PPI
米生産者物価指数、4月は前月比0.2%上昇-予想下回る伸び
4月の米生産者物価指数(PPI)は、前年同月比ベースでの伸びが引き続き鈍化した。商品コストの低下とサプライチェーン改善を受け、生産者物価の伸びは長期にわたって減...
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5月12日 ミシガン大の消費者調査速報値
ミシガン大消費者マインド指数、5月速報値は57.7に低下-予想63.0
米ミシガン大学が12日に発表した5月の消費者調査速報値によれば、長期のインフレ期待は予想外に加速し、12年ぶりの高水準に達した。消費者マインドは低下し、景気の先行き...
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5月17日 小売売上高
米小売売上高、4月は前月比0.4%増-予想下回る伸び
4月の米小売売上高は前月比で増加し、3カ月ぶりにプラスとなった。インフレや高い借り入れコストといった逆風の中でも消費が持ちこたえていることが示唆された。
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5月18日 フィラデルフィア連銀製造業指数
フィラデルフィア連銀製造業指数、5月はマイナス10.4に持ち直し
5月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数はマイナス10.4。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値はマイナス20.0だった。前月はマイナス31.3。
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5月24日 FOMC議事要旨
FOMC議事要旨:追加利上げの必要性を巡り参加者に見解の相違
米連邦公開市場委員会(FOMC)が5月2、3両日に開いた会合では、銀行セクターでのストレスが経済に与える影響について高い不確実性がある中、インフレ抑制に向けた追...
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6月2日 米債務上限法案を上院も可決
米債務上限法案を上院も可決、大統領の署名で成立へ-デフォルト回避
米上院は1日深夜(日本時間2日午前)の本会議で、バイデン政権と下院共和党の連邦債務上限合意を盛り込んだ「財政責任法案」を賛成63、反対36の賛成多数で可決した。法案...
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6月2日 雇用統計
米雇用統計、5月の非農業部門雇用者数は33.9万人増-失業率3.7%
5月の米雇用統計では、雇用者数の伸びが加速する一方で失業者数も急増。平均時給は鈍化した。強弱入り交じる内容で、米金融当局が利上げを休止する根拠が増えた格好だ。
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ユーロ関連。
5月4日 ECBとラガルド総裁の記者会見
ECB、0.25ポイント利上げにペース減速-「停止しない」と総裁
欧州中央銀行(ECB)は4日、0.25ポイントの利上げで中銀預金金利を3.25%とした。利上げ幅を縮小させたものの、利上げは今回が最後ではないと強調した。
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5月25日 ドイツのGDP
ドイツ、昨冬リセッション入り-1~3月GDP0.3%減に下方修正
ドイツ経済が昨冬にリセッション(景気後退)入りしたことが確認された。今年1-3月(第1四半期)の国内総生産(GDP)が前期比でマイナスに下方修正され、2四半期連...
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5月31日 ドイツのCPI
ドイツのインフレ、大幅に減速-ECB利上げ終了近いとの見方裏付け
ドイツのインフレは5月に大幅に減速した。ユーロ圏の主要国でも相次ぎインフレ鈍化が報告されている。利上げは終わりに近づきつつあるとの欧州中央銀行(ECB)の一部当...
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日本関連と解説記事。
5月30日 3者会合
財務省・金融庁・日銀3者会合 為替変動「適切に対応」 - 日本経済新聞
財務省と金融庁、日銀は30日、国際金融資本市場に関する情報交換会合(3者会合)を開いた。外国為替市場で1ドル=140円前後と円安・ドル高水準で推移している円相場の動向に...
日本経済新聞
5月10日と5月26日 東洋経済
「円高はやってこない」FRBが利上げをやめても
植田日銀の初会合を経て、円金利の低位安定が確認された後、ドル円相場は137.50円付近と年初来高値を断続的に更新した。その後、5月2~3日のFOMC(アメリカ連邦公開市場委員...
東洋経済オンライン
「購買力平価だと円安は行き過ぎ」論はもはや昔話
ドル円相場はやはり徐々に水準を切り上げている。2023年のドル円相場の展望に関する筆者の基本認識については、「『円高はやってこない』FRBが利上げをやめても」など過去の...
東洋経済オンライン
5月23日 ロイター為替フォーラム
コラム:ノーベル賞に近い清滝氏の挑戦的発言、緩和長期化と低生産性を読み解く=熊野英生氏
清滝信宏プリンストン大教授が、岸田文雄首相も参加する経済財政諮問会議に出席して発言した。清滝教授は、日本人が受賞していないノーベル経済学賞に最も近いところに居る...
JP