毎週土曜日に為替トレンド確認のために個人的に行っているトレンド分析の12月28日分(12月2日~27日)。
各通貨ペアの日足チャート
出所:みんかぶ|FXチャート一覧(https://fx.minkabu.jp/pair/chart)
ドル円は12月3日の148.641円を安値に順調に上げ、12月14日のトレンド分析では買転換し、12月26日に158.085円高値を付け、157.8円台で終えた。
12月2日のISM製造業景況指数は予想を上回ったが、日銀の早期追加利上げ観測を受けた円買いが強く、149円台の安値圏で推移した。そして12月3日に12月安値の148.641円を付け、その後は150円を挟んでもみ合いとなった。
12月6日の雇用統計では米雇用者数はハリケーンとストの影響から回復して堅調な伸びだったが、失業率は4.1%から4.2%に上昇し、利下げ観測が強まってドル安、150円割れとなった。
12月11日に日銀のリーク記事で利上げは急がず今月は見送りとのニュースが流れ、ドル円はじり高になった。12月11日の消費者物価指数は市場予想と一致、12月12日の生産者物価指数は予想に反して加速となったが、トレンドにはほぼ影響がなかった。
12月17日の小売売上高は予想より弱く、ドル円も一時153.1円まで下げて久しぶりの陰線になった。
12月18日のFOMCは予想通り0.25%の利下げだったが、ドットチャートが2025年の利下げ回数減少を見込む結果となったことからドル高が進み、米国株価は急落した(ダウ▲1123)。翌12月19日の日銀金融政策決定会合では金融政策維持を決定、さらに総裁の利上げ慎重発言で157円台まで一気に円安が進んだ。翌朝、加藤財務大臣の円安けん制発言で少し戻したが、影響は小さかった。
12月20日のPCEコア価格指数は5月以来の低い上昇率で予想を下回ったため一時156円割れとなったが、翌日からはじり高となって12月26日には一時158円台を付けて12月27日は157.8円台で終えた。
ユーロドルは12月6日に$1.06295まで戻したものの下落基調が続き12月20日に$1.03423の安値を付けた。しかしその後は小反発してもみ合いとなり、$1.042台で終えた。
12月2日に仏首相が議会で予算案を強行通過させたことを受け、12月4日に内閣不信任案が可決されて首相が辞任するなど政局不安が続いた。ドイツに続いてフランスでも政治状況が悪化している。
12月12日のECB政策委員会では予想通り3会合連続利下げとなる0.25%の利下げとなったが、予め下げてきていたので翌日以降は小反発した。12月16日のユーロ圏総合購買担当者景気指数は予想を上回ったが、少し上げた程度で翌日には反落し、12月18日に米国FOMC後の利下げ回数減少見込みで$1.034台まで急落、12月20日には$1.03423の安値を付けた。しかし11月22日の安値$1.03322は下回らず、その後小反発、もみ合いとなって12月27日は$1.042台で終えた。
ユーロ円は11月は下げ続けてきたが、12月3日の156.180円を安値に上昇に転じ、12月27日に164.822円の高値を付け、164.6円台で終えた。総じてドル円の影響が大きく、12月28日のトレンド分析で買転換した。
自分のトレード(ユーロ円売の一部損切り)
私は、ファンダメンタルズ的にユーロは弱くなると信じ、円安の行き過ぎもやがて修正されて円高方向に向かうだろうと信じて、毎週のトレンド分析とは関係なくユーロ円売のポジションを何枚か保持し続けてきた。FXではトレンドに従うべきだし、逆に行けば早めに損切りすべきだということは知ってはいるのだが、株式投資での逆張り志向の影響で逆のこともやってしまう。
年末が近づき、FXでの損益も固まってきたので、利益圧縮のためトレード口座で2022年3月からしこらせて放置し続けたユーロ円128円売1枚のポジションを12月27日に成行で損切りして、約51.8万円もの実現損を出した。ちょっと大き過ぎたので、ついでに保険も兼ねて持っていたAS$円89円買のポジションも成行で利食いして約14.2万円の利益を出して少し埋めた。
FX全体の損益ではどうにか少しプラスだが、ドル円買等で小刻みに稼いだ利益が、たった1枚の損切り遅れのポジションの処分で消えてしまった。まさにコツコツドッカンだ。 特に、スワップポイントがマイナスのユーロ円売のポジションの放置は損が嵩んでしまう結果になった。もちろん、分かってはいたのだが。
スワップ狙いの口座の方ても以前記事にした破綻したトルコリラ円買のポジションの後始末を今年も続けており、やはりドル円買等でコツコツ稼いではトルコリラ買の少しの処分でドッカンと損を出している。
いつまで経ってもリーマンショック後にFXで出した巨額損失を回復する見通しが立たない。情けなく、虚しいFXは続く。
それにしても日銀は、現実の物価上昇を無視していつまで低金利を続けるのだろうか。日銀は12月利上げが有力な経済状況だったのに先送りした。総裁発言で今や1月も怪しいという感じになっている。日本国民は物価上昇に見合う預金金利は得られず、円安も進んで輸入インフレによる物価高の悪影響を受け続けることになる。国債の利払いが嵩むので金利が上げられないという見方もあり、インフレによる政府債務の目減りを狙う裏の方針があるのかもしれない。
各国の動きとニュース
米国関連
12月2日 ISM製造業景況指数
12月6日 雇用統計
12月11日 消費者物価指数
12月12日 生産者物価指数
12月17日 小売売上高
12月18日 FOMCとパウエル議長記者会見
12月20日 PCEコア価格指数
EU関連
12月2日 フランスの予算案の議会強硬通過による政局不安
12月12日 ECB政策委員会
12月16日 ユーロ圏総合購買担当者景気指数
日本関連
12月11日 日銀のリーク
12月19日 日銀の金融政策決定会合と植田総裁記者会見
解説記事等
ドルそのものも高くなる理由はないと思っている。
EUの盟主ドイツの経済は悪くなる一方で、ユーロも弱くなるのは必然だと思っている。
日銀が利上げしない理由は理解不能だと思っている。