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株式併合と単元未満株の売却

 10月1日付で株式併合が予定されている日本軽金属HDの株を一部売却した。


売買単位と投資単位

 全国証券取引所では、2018年10月1日を期限に100株単位への移行がなされて、それに合わせて各社で売買単位の変更や株式併合等がなされてきた。色んな銘柄の売買単位の変更や併合に惑わされ、つい誤発注してしまったことを以前記事に書いた。

 100株単位にする方針は2007年から出されていたが、その際、望ましい投資単位として5万円以上50万円未満という水準も明示されていた。売買単位の方は期限もあって強制力が働いたが、投資単位の方は目安に過ぎず、その水準からはずれているものも割とある。特に、長期的成長で高株価の銘柄に目立つ。逆に、元々100株単位であった会社で、株価が低迷したまま放置されているという例もある。


単元未満株の売却や買取請求

 株式併合により、単元未満が生じる場合がある。例えば、900株保有していて、10株併合されると90株になり、全部が単元未満株ということになる(1株未満となった場合は、売却されて清算される)。単元未満株になった場合でも配当はもらえるし、証券会社での売買もできるので基本的には問題ない。しかし、通常の売買ができなくなる難点もある。単元株になるまで買い増しする手もあるが、ここでは処分する場合について書いておく。

 基本的には以下の2つの方法しかない。

 方法1:証券会社で単元未満株として売却する
 方法2:その会社の株主名簿管理人(信託銀行等)に買取請求する

 方法1は、単元未満株を預けてある証券会社で、ワン株とかまめ株とか呼ばれている取引ルールに従って売却する。例えば、マネックス証券の場合は、当日分の注文受付は午前11時30分まで、約定値段は後場の始値、手数料は約定金額の0.5%(税抜、最低手数料48円)などのルールになっている。通常取引だと手数料は売買代金10万円までは税抜き100円なので、単元未満株の売却代金が2万円を超えれば割高だ。
 詳細は、マネックス証券 - ワン株(単元未満株)を参照のこと。

 方法2は、単元未満株を預けてある証券会社を通して単元未満株式買取取次請求書を株主名簿管理人に送る。約定値段は請求書が株主名簿管理人に到着した日の最終価格、証券会社の事務代行手数料として1銘柄につき500円(税抜)などとなっている。また、特定口座の譲渡損益の計算から外れてしまうことになる。
 詳細は、マネックス証券 - 単元未満株の買取請求を参照のこと。

 方法1の方が明らかに簡単だし、約定価格の不確定性も小さくなる

 なお、単元未満株の購入も各証券会社で同様にできるが、マネックス証券を始め買増請求は取扱ってない証券会社が多いと思う。


日本軽金属HDとみずほFGの株式併合

 現在保有している銘柄の中で、単元株の売買代金が安い日本軽金属HDとみずほFGは今年10月1日付けで10株併合されることが決定している。私の保有株数で見ると、日本軽金属HDの方は一部が単元未満株になってしまう(みずほFGの方は併合でも単元未満株は出ない)。

 単元未満株が出ると面倒なので、昨日、日本軽金属HDを300株だけ196円で売却した。一部売却も想定してこの株価より安値でも買い増し済みであるが、特定口座内の平均買単価より安いので少し売却損が出た。個人的な個別管理上は、2018年6月に259円で700株買った内の300株を売却したことになり、売却損2万円弱、利益率-24.7%、年利換算-11.2%と、率で見ればなかなか悪い。景気減速の途中で市況産業の株を買ってしまっているので仕方ないところだ。同じ市況産業の鉄鋼株と比べればだいぶましではあるが。



おまけ:日本軽金属HDを買い始めた頃

 日本軽金属HDを最初に買ったのは2018年6月中旬で、米中貿易戦争や景気減速の懸念はあったにせよ、かなり割安に見えた。ちょうどその頃に発売された四季報2018年夏号の情報に基づくと、株価259円として、PBR 0.92倍、今期と次期の平均予想PER 8.0倍、配当利回り3.1%といったところで、解説記事は以下になっていて期待が持てた。

【復 調】半導体・液晶製造装置向け厚板は高水準。トラック架装も生産増強が本格寄与。自動車塗装向けペースト、窒化アルミも増販。アルミナ・化成品など原燃料高あるが価格改定などで吸収。営業増益。
【拡 大】自動車軽量化のアルミ需要拡大に加え、EV向けバッテリー冷却プレート販売開始。半導体製造装置の放熱基板向け窒化アルミ増産。波木井発電所は設備更新。


 2017年後半からの日本軽金属HDの株価チャート(週足)は以下だ。下げトレンドではあったものの、2018年6月中旬はぐっと下げて下値持ち合いの状況で、そろそろ買い時に見えた。


 出所:株探(https://kabutan.jp/stock/chart?code=5703)


 私の投資スタンスと能力では、当時のファンダメンタルズとテクニカルの情報で、買い時ではないとは判断できなかった。持ち合いからの上放れを確認してから買うべきだという基本テクニックは知っているが、私はやらない。元々、ある程度の難平買いで保有株数を増やすことを想定して買い始める。その後も、四季報情報やチャートを見ながら難平買いして、現在は塩漬けになっているが、自分なりに納得した株価とタイミングで買っているので、大きな反省点はない。

 最初の打診買いの後、株価はさらに下げてしまったのであるが、2018年秋からは株式市場全体の下げだった。四季報でも業績見通しはずっと比較的堅調で、2019年秋号辺りから少し下げてきたものの予想PERは10倍以下のレベルが続き、がくっと下がったのは2020年夏号だった。それでも指標的にひどくはないし、解説記事の見出しは【純益増】なので、継続保有に不安はない。


 ついでに、同じ市況産業でも鉄鋼株と比べればだいぶましだったということを確認しておこう。日本軽金属HD、日本製鉄、日経平均株価の2018年以降の比較チャートが以下だ。


 出所:株探(https://kabutan.jp/stock/chart?code=5703)

 日本製鉄は四季報が出るたびに業績見通しが半減、最後には巨額の赤字に転落という流れで、株価は暴落して当然だった。しかし、日本軽金属HDの業績見通しは日本製鉄に比べればはるかにましで、割安に放置され過ぎと感じてきた。今も割安圏内だと思っていて、今回の売却は予め計画していた単元未満株防止の対応策にすぎない。



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