バリュー株として配当狙いで持ち続けるつもりだったが、想定以上の高値になったので100株だけ利食った。
当初の保有状況
伊藤忠エネクスは伊藤忠商事系のエネルギー商社首位の企業だが、以前、『会社四季報プロ厳選の500銘柄』の2021年夏号に掲載されていた銘柄の中から選んで投資している銘柄の一つとして紹介した。その際、「高配当の内需系バリュー株。指標的には割安だが、成長性は乏しいので、配当狙いで買う銘柄だと思う」と書いた。
2021年6月央からウォッチしていて、1.000円割れとなった8月5日に999円で買い始めたが、その頃の状況については以前の記事に詳しく書いた。結果的に、その記事に書いた8月20日の958円の買が最後で、計400株、平均取得価格985円となった。伊藤忠エネクスの週足チャートに私の売買履歴を追記したものを以下に示す。
2021年3月期の配当は50円で、1,000円以下で買えば5%以上の配当利回りが得られる計算だった。不況でも売上が大きく落ちるような事業内容でもないので、ずっと配当をもらい続けるには手ごろな銘柄だと思っていた。
想定以上の値上がりで一部利食い
上の週足チャートだと昨年までは高値でも1,200円を超えられていない。それより前だと2015年8月と2017年10月に一時的に1,200円台半ばを付けた程度だった。
ところが今年5月には1,200円台、7月には1,300円台にのせてきた。後述する中期経営計画が評価されたのかもしれないが、市場環境につられた面も大きいのだろうと思った。BPSは2023年3月期に1,355円でPBR1倍割れ銘柄物色の動きもあったかもしれない。
今期配当予想は52円で平均取得価格からは5.4%の利回りになる。一方、株価が1,300円を超えてくると時価ベースの配当利回りは4%を割れてくる。さらに予想PERは10倍を超えてきたし、PBRも1.0倍を超えてくると割安感はなくなってくる。
配当狙いのバリュー株が買値から3割以上も上げ、配当6年分以上の売却益が見込めるという状況になってきた。それで、まずは7月25日にPBR1.0倍に達する1,360円で100株だけ利食った。個別管理上は2021年8月5日に999円で買った分なので、税引前利益は3.6万円弱、利益率は35.9%、年利換算18.2%と配当狙いにしては好成績になった。
中期経営計画の策定と直近の決算発表
伊藤忠エネクスは、2023年4月28日に『ENEX2030』と称する中期経営計画を発表した。概要は次の通り。
伊藤忠エネクスは、2023年4月28日に『ENEX2030』と称する中期経営計画を発表した。概要は次の通り。
詳しくは、以下にある。
2023年04月28日 中期経営計画の策定に関するお知らせ
計画に沿って現場力の強化と投資実行の加速によって更なる成長を目指し、収益力を高めてくれるのであれば、バリュー株の域を超えてくる可能性はある。ただ、どこまで達成できるかは現時点では分からない(私には評価し切れない)。
伊藤忠エネクスは、2023年7月31日に2024年3月期 第1四半期決算を発表した。最終利益は前年同期比15.7%増、通期計画に対する進捗率は38.1%になっていた。好決算だが、メガソーラーの売却による一過性の利益も入っていたので、その分だけよく見えている。
2023年7月31日 2024年3月期 第1四半期決算短信
この決算は好感され、1,400円台到達の原動力となった。日経平均は8月2日、3日と大きめの調整となったが、伊藤忠エネクスは値を保っている。
チャート的にはきれいな上昇を続けているし、再生可能資源由来燃料(リニューアブル燃料)関連で脱炭素の流れにのる会社の一つとして市場の期待も高まっているようだ。現在はバブル期の1989年12月高値1,432円の手前だが、更新も時間の問題だろう。残りをずっと持ち続けるか、どこかでまた利食うかは中々悩ましい。
なお、リニューアブル燃料関連の取り組みについては以下にあり、導入事例等のニュースリリースの一覧もあるので、興味があればご覧頂きたい。
https://www.itcenex.com/ja/business/detail/renewable_diesel/index.html
(記事のリンクがIRニュースのページになってしまうようなので、リニューアブルディーゼルについては上記URLを直接入力して下さい)