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倉敷紡績(クラボウ)が恩株になった

 クラボウを200株保有していたが、11月11日に5,640円で100株売って残る100株は恩株になった。


 クラボウは繊維・化成品メーカーで、自動車内装材や半導体製造装置向け樹脂などの化成品を拡大中だ。歴史のある紡績会社の例にもれず、不動産賃貸も行っていて利益率が高い。2024年3月期のセグメント構成は以下のようになっている。


 出所:マネックス証券|銘柄スカウター


 クラボウの業績推移は以下の通りで、2018年3月期からコロナ禍の影響が出た2021年3月期まで営業利益は直線的に落ち込んでいったが、その後はV字回復した。ただ、その後の伸びは鈍化している。


 出所:マネックス証券|銘柄スカウター


 株価の方は市場環境の影響も大きく、2018年5月の高値3,980円から2019年8月の安値1,824円まで半分以下に下げた。2019年11月には2,600円台に戻したがコロナショックで大きく下げ、その後は反動で2,700円台に戻したものの再度2,000円割れまで下げて低迷を続けた。月足チャートに私の売買履歴を追記したものを以下に示す。



 四季報2021年新春号では、2021年3月期の業績は続落の見通しだったが、2022年3月期は「繊維の事業構造改革効果ようやく発現。化成品も回復基調」というコメントになっていて底打ちの見通しだった。また、過去の値動きから1,800円台は底値圏だと思ったので2021年2月26日に1,880円で100株買ってみた。この株価だと当時のPBRは0.44倍と低く、2022年3月期予想でのPERは12.1倍、配当利回りは3.5%だったので、割安な間に拾っておいて市場の評価が上向くのを待つという狙いだった。

 しかし、その後一時2,100円台を付たりしたが評価は特に上向かず、低迷を続けていたので2021年5月12日に1,800円で100株買い増した。その頃には四季報春号が出ていたが、見出しは【小幅回復】、コメントは「営業益は回復基調」にとどまっていた。一方、5月12日に買った後、場中に2021年3月期決算発表と2022年3月期見通しの発表があった。そのニュースの見出しは「前期経常が上振れ着地・今期は34%増益へ」と好感できるもので、同時に上限80万株の自社株買いも発表されたが、株価は一時上振れしただけに終わった。

 市場の評価が上向くのを待つ狙いだったし、注力したい銘柄でもなかったので、それ以上買い増す気はなかった。一方、株価の方も上げても2,100円台というのが続いていた。しかし、市場でPBR1倍割れ(資本効率・収益力の向上と株主還元の強化)が注目されてきた2023年に入って一段高となり、今度は2,100円台が下値になった。

 株価が本格的に上昇し始めたのは2024年に入ってからで、6月には早くも5,000円台に到達した。その後5,000円台に定着できなかったが、11月7日の場中に一転増益となった第2四半期決算(通期予想は据え置き)と期末増配(前期100円⇒今期150円)、自社株買いと消却を発表した。自社株買いは上限7.34%と大きめで、消却は5.26%だった。

2024年11月7日  2025年3月期 第2四半期(中間期)決算短信

2024年11月7日  自己株式取得に係る事項の決定および自己株式の消却に関するお知らせ

 これらを好感して株価が跳ねて高値追いになったので、11月11日に5,640円で100株は売ることにした。5,000円に到達した頃から一部利食っておきたかったことや、PBR 0.83倍、予想PER 12.9倍、配当利回り2.7%になってROEが6%台の会社としては適正に評価されている状況になったことが売判断の理由だ。

 サブ口座分を売ったので、個別管理上2021年5月12日に1,800円で買った分で税引前譲渡益38.2万円、利益率212%、年利換算60.7%の好成績となった。税金を考えても1,800円分の買代金は賄えるので、残り100株は恩株になった。

 株価に勢いがあるし、まだ割高というほどではないので残る100株は当面保有の予定だ。譲渡益からしっかり税金を取られるので安易に売りたくもない。株主還元は強化されてきたし、来期も増益見込みなので、株価のスピード調整はあっても上昇基調が維持される可能性もある。今後は様子を見つつ、割高になっていないかの確認を怠らないようにしたい。

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