プチ早期退職者の資産運用+αブログ

生存者バイアスは意識しておいた方がよい

 最近始まった楽天証券の新サービスのほか、以前からアマゾンプライムリーディングで無料で読める投資本が増えている。無料なので読みやすいし、内容も悪くない本が多いと思う。しかし、投資本を参考にするのは良いが、生存者バイアスがかかっているので、同じようにできると安易に思わない方がよい。


生存者バイアスとは

 よく知られた用語だと思うが、脱落・淘汰された人の情報はほとんど残らず、生き残った人の情報が多くなり、残っている情報に基づいて認識・思考を行うと偏りがでることを言う。ネットで検索すれば色々説明も見つかると思う。例えば以下の辺りが分かりやすい。
生存バイアス|創造と変革のMBA グロービス経営大学院


成功するまであきらめない?

 テレビ番組で苦労の末に成功した人やベンチャー企業を紹介する番組が幾つかあり、退職後は私もよく見るようになった。そして、例えば、成功した人が「成功の秘訣は、成功するまであきらめないことだ」と言った時、その人にとっては真実だし、信念だと思う。

 しかし、あきらめずに頑張り続けても成功できなかった人も山のようにいるだろうことは容易に想像できる。成功した人物、企業、戦略のみに注目し、それらを基準として判断すると生存者バイアスがかかってしまう。


投資本や投資信託も同じ

 投資本に書かれている人、投資本を書いた人、有名なブロガーやYouTuberなどは、ひどい失敗経験はあったとしてもそれを乗り越えて生き残ってきた人たちだ。当然、その人たちの情報にも生存者バイアスがかかっている。

 その人たちは、知識・経験・メンタル・個性等を長年、総合的に働かせた結果として生き残ってきたはずだ。投資本は、その知見を整理し、まとめて書いてあるので有益な情報が多いのは間違いない。しかし、著者と読者とではその内容に対して積み重ねてきた量(時間と密度)が圧倒的に違うので、それを読んだだけで同じような結果を得るのは難しいだろう。

 特に、「誰でも」とか「簡単に」とか安易にできそうと思わせる本のタイトルは、編集者が売れやすいように付けたと考えた方が無難だ。そんことは言われなくても分かっている、という人も多いだろうけど。

 以前の記事の中で「出来の悪い投信は繰上償還されていく。残っている投信は平均的には成績がよく見えることになる」と書いたが、それも生存者バイアスだ。


自分で考えて実践あるのみ

 基本的な知識は本で勉強できるし、投資情報の収集や投資手段もネットのおかけで格段に良くなっている。ただ、人によって個性、感性、金銭状況、家庭環境等はずいぶん違うので、結局は自分なりのやり方を確立していくしかない

 ある程度の基本知識を仕込んだら、あとは自分が良さそうだと考えたことを実践してみるしかない。うまくいかなかったり、状況が変われば、適宜見直していけばいいだけだ。とにかく老後資金等を用意するにはリスクをとって投資を実践していくしかない。今の金利環境では、銀行預金で資金を2倍にするには何万年もかかるのだから


私のブログにも生存者バイアス

 私のブログの資産運用関係の記事には失敗談も含めて経験に基づく知見を書いているが、程度はともかく40年近い積み重ね、実践の結果であり、やはり生存者バイアスがかかっている。また、整理して書く際には、細々した事柄やその時の心理状態等で書ききれないことも多く、参考程度にしかなり得ないのだ。


 最後におまけの写真を1枚。
 先月、葛西臨海公園の東端からディズニーランド方向を撮った写真。公園が混んでいてもここまで来る人はほとんどいないので、のんびりしやすい。投資を実践して生き残った私は、老後資金の心配をすることなく、のんびり暮らせている。



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