2018.10.29 読売新聞朝刊 見開き2面に、
宝島社の企業広告に 樹木希林さんが 地球の人々へ最後のメッセージ
◎
◎
◎
靴下でもシャツでも、最後は掃除道具として、最後まで使い切る。人間も、
十分生きて自分を使い切ったと思えることが、人間冥利に尽きるんじゃない
かしら。そういう意味で、がんになって死ぬのがいちばん幸せなのよ。用意が
できる。片づけして、その準備ができるのは最高だと思うの。/ ひょっとしたら、
この人は来年いないかもしれないと思ったら、その人との時間は大事で
しょう?そうやって考えると、がんは面白いのよ。/ いまの世の中って、ひとつ
問題が起きると、みんなで徹底的にやっつけるじゃない。だから怖いの。自分
が当事者になることなんて、だれも考えていないんでしょうね。/ 日本には
「水に流す」という言葉があるけれど、桜の花は「水に流す」といったことを表し
ているなと思うの。何もなかったように散って、また春が来ると咲き誇る。桜が
毎年咲き誇るうちに、「水に流す」という考えかたを、もう一度日本人は見直す
べきなんじゃないかしら。/ それでは、みなさん、わたしは水に流されていな
いなくなります。今まで、好きにさせてくれてありがとう。樹木希林、おしまい。
◎読売新聞より
宝島社の企業広告に 樹木希林さんが 地球の人々へ最後のメッセージ
◎
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靴下でもシャツでも、最後は掃除道具として、最後まで使い切る。人間も、
十分生きて自分を使い切ったと思えることが、人間冥利に尽きるんじゃない
かしら。そういう意味で、がんになって死ぬのがいちばん幸せなのよ。用意が
できる。片づけして、その準備ができるのは最高だと思うの。/ ひょっとしたら、
この人は来年いないかもしれないと思ったら、その人との時間は大事で
しょう?そうやって考えると、がんは面白いのよ。/ いまの世の中って、ひとつ
問題が起きると、みんなで徹底的にやっつけるじゃない。だから怖いの。自分
が当事者になることなんて、だれも考えていないんでしょうね。/ 日本には
「水に流す」という言葉があるけれど、桜の花は「水に流す」といったことを表し
ているなと思うの。何もなかったように散って、また春が来ると咲き誇る。桜が
毎年咲き誇るうちに、「水に流す」という考えかたを、もう一度日本人は見直す
べきなんじゃないかしら。/ それでは、みなさん、わたしは水に流されていな
いなくなります。今まで、好きにさせてくれてありがとう。樹木希林、おしまい。
◎読売新聞より