”人生の贈りもの”
数学者:藤原正彦
論理というのは、立場により何通りも考えられるもので、
どれも理がある。
ある意味で正しい。
あまたある正しい論理からもっとも適切なものを選び取るのは
論理の力ではない、情緒力なのです。
何を優先させるかによって、その人の真価が決まると言ってよい。
それほど情緒力は重要なのです。
美しい方に向かうと、たいてい正しい。
そして美しい数学ほど、後世にたって有用になる。
三位一体みたいに、美=真=有用。
'08.01.23 朝日新聞夕刊に掲載
映画「博士の愛した数学」を思い出した。
映画も面白かったし、数学の美しさも感じた。